太陽の庭

第１章 アポロン

何気なく

僕はいつものように仕事もせず、人間界をふらついていた。

いつもと違うことがしたくて、その日は何気なくオリンポス山の神殿まで帰るのにその階段を使ってみることにした。

臆病な僕なりに、僕に必要な「何か」を見つけようとしていた。

街から郊外に向けていくらか歩いて行くと、雑木林が見えてきた。

入り口には、古びた看板が立っている。

しかし表面は擦り切れていて、その文字は読めない。

雑木林の中央に、病院はひっそりと建っていた。