表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創造世界《ファンタジー・ワールド》  作者: タナトス
world《1》:厨二病のせいでつい・・・
7/9

life《5》:このクラスにいるのは問題児《ブレイバー》ばかりのようです。《1》

 休み時間になると、待ちかねていたように、クラスメイトたちが、わたしの周りに集まってきた。

 ――ゾーンか!?←[違います!]

「ねえねえ、アカナ?」「ほんと?アカナ?」「ほ、本物?」

 さっき返事しましたよね?

「なんて呼んだらいい?」 「か、(かなえ)で……」

貴様(きさま)の属性を教えてもらおうか」 「ぞ、属性!?え、えーと、炎かな?」

「△◎※Ωβ――」 できれば日本語でお願いします!

 その後も、質問?が絶えない。わたしは後でゆっくり質問タイムがいいのだが……。

 そう思って教室を見渡していると、廊下側の窓を開け、教室の様子を(うかが)っている大勢の生徒たちが……。

 噂がもう広まっているようだ。

 廊下からわたしを呼ぶ声が聞こえてくる。なんかホラーっぽい。他教室の生徒が集まるのは、さすがにヤバイと思い、この場をどうしようかと考えていると、


「ねえねえ、今度一緒に服買いに行かない?」

 

 そう言って横から抱きついてきた女子がいた。今のは、おそらくみんなが言おうとしていた言葉……。

 その女子に周り批判の声が上がる。それにも(ひる)まず、抱きつく力を強くしてくる。

 え、えーと?柔らかくて、なんかいい匂いがするんですけど……。

 その女子が耳元で(ささや)く。

読者モデル(、、、、、)なんだから……いいよね?」

 うっかりしていると理性が飛びそうだ。たたでさえもアレな時期なのに……。(きつね)的にヤバイ。

 そう、この女子が言うように、表社会での仕事は読者モデルだ。しかも、女子向けのファッショ(、、、、、、、、、、)ン雑誌の読者モデル(、、、、、、、、、)だ。

 確かに見た目は女っぽいかもしれないけど、なんでこうなったんだ!!

 


「はぁ……」

 電撃転校生の隣の席の生徒こと――天乃花音(あまのかのん)は大きな溜息をつく。

 う、うるさい……。

 転校生の周りに集まり、質問をしている声がとてもうるさい。

 確かに『アカナ』と言ったら有名だけど、これからゆっくり質問していけばいいのに……。

 そう思うのは、隣の席のわたしだけだろうか?

 『アカナ』と言えば有名な読者モデルだ。可愛い男の()で、男子向けではなく、女子向けのファッション雑誌で読者モデルをしているとかなんとか聞いたことがある。それを聞いた後に雑誌を買ったことがある。けっこう可愛かった。

 チラッと横を見る。

 学級委員長――紫邦真理亜(しほうまりあ)、通称《真理》――に抱きつかれて困っている。頬を染めて恥ずかしがっているところがまた可愛い。わたしに『アカナ』の情報を教えてくれた子は『恥ずかしがっている所がまた可愛いんだよね』と言っていた。

 その転校生の真理に抱きつかれ、頬を朱色に染めている様子は、

 た、確かに可愛い……。

 女子から見ても可愛いと思えてしまう。その様子をボーと見ていると、唐突に真理が『アカナ』の耳を甘噛みした。

 え?ちょとっ、真理なにしてんのッ!?

 転校生はどう抵抗したらいいのか困っている。

「え?ちょっと――」

「いいじゃん♪いいじゃん♪あ、次の授業は移動だ。一緒に行こッ♪」

 甘噛みをやめてそう言い、真理は転校生に抱きついたまま、どこかに連れて行ってしまった。

 ご、強引だ……。

 それに続き、周りに集まっていた生徒も移動し始めた。

「体操服に着替えて《特別授業》だよ」

 仲良い女子生徒――土御門春香(つちみかどはるか)が親切に声を掛けてくれた。一番最初に仲良くなった親友。入学から約五ヶ月、共に助け合って過ごしてきた親友だ。ちなみに『アカナ』の情報を教えてくれたのも春香だ。

 教室にある時間割を見る。

 一時間目《特別授業・剣術》

 そうだった、新設からまだ一ヶ月、忘れていた。

 この学校に《特別授業・剣術》が新しく新設されたことを――。

 ここであることに気づいた。

 あ、まさか真理、二人で着替えていたり……。いや、さすがにないか。

 声を掛けてくれた春香と更衣室に行こうと歩き出す。

「剣術、メンドいんだよね」

「そうだよね」

 他愛のない話をしながら……。

『剣術科』新設の本当の意味を知らずに……。

 

 

 



 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ