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MOON Lagoon  作者: seia
2章
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記憶

 雨が降っている。


 ――あれ?


 ふと掌に視線を落とす。


 ――紅い。


 錆の臭いが鼻の奥を刺激する。


 ――いや、違う。

 そう感覚が思うだけ。実際は色だけで、匂いも味もない。


 紅い雨が降っている。


 ――心地よい。


 口元を歪めて笑む。


 掌を空にかざせば、光に照らされて余計に紅々と見える。


 ――この紅いものを集めたらルビーのように綺麗に煌めくの?


 真剣に悩む。


 ――でもここに降るのは、一時(いっとき)だけしか綺麗じゃない。

 乾いて浅黒くなる。

 そうなる前にもっと紅を見なくちゃ――。


 紅い飛沫しぶきが舞い散ってゆく。


 ――綺麗なのに、どうして悲鳴をあげるの?

 アナタから流れる綺麗な道筋。

 不可思議な模様をえがいていく様をずっと眺めていたい。

 アナタにはわからない?


 少女は、あどけなさが残る幼い無垢な笑顔を、傾きながら崩れていく者に向けた。


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