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二、董卓軍軍師

はいすいません駄文です

迷走に迷走を重ねた結果自分でなにこれっていう文になったんですが、更新はしたほうがいいかなって思ってやりました。

どうぞ批判してくださいませ

「それでや、賈駆……ウチらの軍師が目ェ覚めたら会いたいって言ってたんやけど、どうや?無理なら後日に回すように言っておくんやけど」


「……いや、会おう。謁見の間まで歩いて行った方がいいか?」


「歩けへんやろ。呼んでくるからちょう待っといてな」


そう言い残し、張遼は部屋を出て行く。

残った太史慈はすることもなく佇む。


「……ふむ」


すると何を思ったのか傷に痛む身体を動かし、寝台から降り立つ。

数歩歩き、よろめきつつも窓へとたどり着き外の様子を見やる。


(随分と、賑わっている)


放浪と称し、各地を廻りまわった彼だからこそ分かる。

これほど民が行き交い、栄えていることなど見たことがなかった。

さすが洛陽、帝のお膝元か。遠目に市場を見て、そう結論づける。


「待たせたな……って、なにしてんねん!?」


「何を……?見ても分からぬか、我は外を眺めているだけぞ」


「そうちゃうわ!体起こすんも一苦労しとったのになに怪我人が立ち歩いとんねん!」


張遼の後ろには小さな少女が佇んでいた。

恐らくは張遼の言からするに少女は賈駆なのであろう。

その賈駆を連れてきたことを忘れてか、張遼は太史慈へ歩み寄る。


「別に問題はない」


「問題ないわけあるかい!」


「ふむ……面倒だ。張遼は置いておこう。

貴女が賈駆殿か?お初にお目にかかる。我は太史慈と申す。

此度はお助けいただき感謝する」


「こっちこそお礼を言わせて。

あの時、ボクたちの知り合いが賊に襲われていたから」


「ふむ……」


指を顎にあて、そうだったか?と思い出そうとする。

しばしの思考のあと、記憶もないのでどうでもいいと思うが一つの疑問に行き当たる。

そして同時に確信にも至る。


「……その知り合いとやら、随分と地位の高い方のようだな」


「……どうしてそう思うの?」


「我をここまで運んだのは張遼殿。

張遼殿といえば神速と名高い董卓軍の名将だ。

どれだけの規模の賊だったのかは知らないが、この都の近くではそれほど大きな規模ではないだろう。

それでも張遼将軍ほどの名将が出撃するとなれば、余程急な事であったのだろう。

そして知り合いが襲われた。なれば自ずとその理由も見えてくる。

現在の董卓軍の状況を鑑みれば、董卓本人か、その家族か、どちらもか?」


「ッ!霞!」


賈駆の声と同時、張遼が太史慈を組み伏せる。

対する太史慈は動揺も見せず、それまでと変わらず佇んでいる。

いや、正確には違う。やれやれと、少し呆れの表情が見えている。


「どこで袁紹の檄文を知ったの!?

今はまだどの諸侯も受け取ったばかりで動いてないはず!

ボクたちだって檄文の存在を知ったのはつい最近の話よ。

まさか、アンタ……」


「大方は貴女の思っている通りだよ。

だが勘違いしないで欲しいのは、我は命令されなければ貴女たちを殺すつもりはない。

そして貴女たちには助けられた恩もある。だからこれを解いてくれないか」


「態々敵かもしれへん相手を逃すと思とんのか?」


それもそうだ、と独りごちた。

だが、と彼は続ける。


「では、逆に問おう?

なにも考えず、我がこんなことを言うと思ったのか?」


「なにを……ッ!」


一瞬、張遼の身体が空へと浮かぶ。

その隙に太史慈は即座に身体を起こし、逆に張遼の身体を拘束する。

その動きには全くと言って乱れはなく、本当に怪我人なのかと疑うような動作だった。


「気、というものだよ。

極めれば体外に放出し攻撃に用いることも出来る。

そして体内に巡らせれば、このような体でも動ける優れものさ」


バタバタと暴れてその拘束から逃れようとする張遼を軽々と抑えつつ、涼しい顔でそう言う。


賈駆は思考する。

どうすればこの窮地とも言える状況を乗り越えられるのか。

油断していたとはいえ、神速と名高い張遼を一瞬で拘束した彼を出し抜けるか。


「…………なにが、望み?」


答えは出ない。

いや、正確には出ている。抗えばどうしようもなく絶望しかないその未来が。


そもそも、張遼が抑えられた時点で終わっていたのだ。

反董卓連合という強大な敵を前にした今、彼女を失うのは致命傷どころか即死モノの下策だ。


もし、張遼が素手ではなく飛龍偃月刀を持っていれば。

もし、一緒に来たのが張遼ではなく呂布であったなら。

たらればを考えればキリがない。

軍師にとって、そんな考えは邪魔にしかならない。


だからこそ、彼の望みを聞くしかない。

例え彼が反董卓連合に参加する諸侯たちが抱える、武将だったとしても。

彼一人と、張遼と自分。

考えるべくもない。


「……分かった。

もうボクたちは何もしない。アンタがこの街(洛陽)を出ても追手を出すなんてこともしない。

好きなように逃げていいわ。だから張遼を離して」


「うむ、話の分かる御仁で良かった。では失礼しよう」


張遼から離れ、窓へと足をかける太史慈。

そして賈駆たちを振り返る。


「見逃してくれたことと我を助けてくれたことの礼だ。一つ年長者からの助言しよう」


「……アンタが脅すからでしょう」


「はて、なんのことか。

軍師、賈駆よ。いかなる絶望であってもそれを表に出すな。

常に最悪を想定しろ。貴様がこの董卓軍の命運を握ると知れ。生きたいのなら、渇望せよ」


「……なにそれ。言われるまでもないわ。

ボクはこの窮地を切り抜けてみせる。アンタこそ、覚悟しなさい。

次に会ったらどんな策を弄してでも殺してみせる」


「うちもや。戦場であったら容赦せぇへん」


「是。ならば足掻け。どんな醜態を晒そうと生き抜いてみせろ」


ククッと笑い、窓から跳躍。

怪我をしているとは思えないほど軽やかに、屋根を跳ねて消えていった。


「霞、アイツ、どうだった?」


彼が消え、しばらくしたあと残った賈駆は同じく残された張遼へと問う。

問われた張遼はと言うと、悔しげに舌打ちを一つ。


「アカンわ。到底動けるような身体やないはずやのに、全く抜け出せんかった。

幸い、怪我が全快するんはかなりかかるやろうけど、あれはヤバイ」


それを聞いた賈駆は絶句する。

張遼は董卓軍の中でも上位の実力者だ。

それは神速という名や、数々の功績にも裏付けられている。


彼女よりもとなるとかの飛将軍、呂布くらいなものだ。


どの軍かに所属しているかは分からない。

けれど、檄文のことを知っていたのだから恐らくは連合軍の将なのだろう。

彼女らが知ったのは最近とはいえ、それらを受け取り、軍を準備しているものは数多いのだ。


「……はぁ」


ただでさえ脅威的な物量である連合に、あれほどの将。

また危うくなった自分たちの状況を憂い、一つ深い溜め息を漏らす賈駆であった。

補足:

十常侍に人質に取られそうになった董卓父母を逃がした結果、追手を出されそこにいた太史慈君によって追手は殲滅。

そのまま董卓父母は逃げ、董卓父母の救援にいった張遼が太史慈君を拾って帰ってきた。


補足2:

太史慈君が放浪してたはずなのに檄文しってたのはカマかけただけ。

風の噂というものでチラっと聞いたのを合わせ、同時に十常侍の腐り具合とかを組み合わせてその結果に至った。


気:

多分原作やらなんやらになかった気がするからもう設定適当でいいよねっていう謎のあれ

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