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この手に  作者: 詞乃端
終わりの日
6/11

幕間:追う狩人

「――『炎帝』の居場所は?」

静かな部屋に、女の声が、やけに大きく響いた。

「――ええ、その地点で作戦を決行するのね」

「――『炎帝』の息の根は、確実に止めろ? 分かっているわ。私を、誰だと思っているの?」

「――了解。互いの武運を祈りましょう」

そして、女は、携帯電を耳から離した。

「……ようやく、ね」

闘志と、決意と、ほんの少しの怖れと不安。様々な感情が入り混じった呟きは、宙に霧散する。

「もう、誰も殺させるものですか」

彼らが追い続けてきた、紅蓮と殺戮(さつりく)覇者(はしゃ)に、女は、そう宣言した。


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