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第五話 王位継承権者勢揃い

午後の部、


けが人は昼休みを使い完治した者が多く、

授業は始められた。


外で行う授業で他の等部の授業も見れた。

私のクラスはちょうど一番右奥だった。


移動中、一番左の授業に私は少し見入ってしまった。


「さぁ、誰か、あの的を射抜こうとする

挑戦者はいませんか?」


女の先生がそう生徒達に声をかけると


「はい、僕がやるっ

僕にかかればこんなものすぐだもん!」


と元気よく挙手をした男の子が。ちょっと威張り口調だけど


その子は黒髪で青色の瞳を持った男の子だった。


「アフィラ殿下がやってくださるのですか?

いいですよ。ではやってください、殿下」


先生は微笑み、その男の子・・アフィラ殿下は

にまりと笑い、


「魔力よ、自然の力よ、我が手に集いて炎と成せ!

マグリーボール!!」


ボゥワン、ドーン、ボワァアァア”


手に炎の球体を出現させて的を射た。


「あわわわッ、ど、どうしましょうッ!

で、殿下っすばらしいけど燃えてッ!燃えてしまったわッ!!」


先生は見事な慌てっぷりだ。


「センセーッ、ダイジョーブですよー?

私がなんとかしてみせまーす!」


慌てぶりな声とは違い

落ち着いた可愛らしい声がそこに響く。


「ま、まぁ!ルチル様が!?

ぜ、ぜひ、オネガイシマス!!」


先生・・情けない。

生徒と先生の立場が逆に・・。


先生のことは置いといて

可愛らしい声の主は黒髪のおさげをした可愛らしい

女の子・・ルチル王女殿下だった。


「魔力よ、自然の力よ、我が手に集いて、水と成せ!

ウォーティアっ!!」


ズッバシャァアアアン


手から龍のごとく水が飛び散り

的の炎は消え去ってずぶぬれとなった。


「あ、ありがとうございましたっ

みなさん、お二方に拍手をーー!!」


先生がそういうとみんなはぱちぱち拍手をしながら


「センセー、なさけなーい」

「そうだそうだーせんせーがんばれー」

「ファイトだセンセー」


そんな先生の失敗をなだめる生徒の声がする。


そんな光景を目にして、授業を聞き逃していた。


「ーぃ、おい、きいているのか」


殿下が小さな声で私を呼びかける。


「え、あ、あの、なに?」


私は眉をひそめて聞く。


「・・・。

オマエの出番だ。ウッドで木を生長させるんだ」


そう殿下はあきれたように呟く。


「聞き逃してました

すいません。・・今、やります」


私はそう言って、先生の用意した植木鉢の正面に立つ。


この授業は、自然の力の授業だ。

今日はその力を使って植物を急成長させる。


全員がそれをして、植物に負担がかかってるか否か

の長い時間をこれからかける授業だ。


急成長は植物に大きな負担を及ぼし

下手をすると後日枯れてしまったりするからだ。


「さぁ、やってごらんなさい~

殿下は、つぼみを開かせました。

セラフィクンはどうかなーー?」


先生は私を試すように言う。


目の前の植物を見る限り


種から苗に、そして木に、それまでに一年以上はかかる。

ツボミや花を付かせるといったら二年以上は最低でもかかるだろう。


・・私なら簡単にできるが負担をかけさせないように

呪文は必要だな。


「ヴアレス・ディズブラス・ヴラッデ」

魔法陣よ、このモノに 現れよ


そう古紋言で言い放ち魔法陣を出現させる。

それから・・


「ウィズセラピ・ザウト【癒しと共に】

自然の力よ、わが魔力よ

かの物に成長を、ウッド!”」


癒しと共に急成長させた。


ニュルニュルニュル~


ぐんぐんと茎が伸び、木となり妖艶な雰囲気を漂わせ

大きな紅いツボミを付かせ、花が咲いた。


「おぉーー!!

すごいね、君は!!またもや殿下を超すなんて!!

さぁ、みんな、彼女に拍手~!!」


パチパチパチー・・


みんな嫌々拍手したのが丸分かりだった。


まぁそんなものどうでもいいけど。


そんなことしてるうちに一番左から・・


「きゃぁああああああ」

「きゃあああ、けものがーーケモノがきたぁああああ”!」


つまり一番遠いところから悲鳴が聞こえた。


みんな振り向くとそこには二匹のケモノがいた。


紫色の毛並みを持った狼二匹だ。


「・・・!!」


あれはーー私を探しに来たんだ!


私を探しにくるケモノは今まで多かった。


私の命を狙うケモノ、依頼を頼むケモノ、同族のケモノ。


今回、殺気がなかったからみんなも気づかなかったのだ。


ドシ、ドシ、ドシ


私に向かって歩んでくるケモノ達。


なんとかしなければ。


そんなとき、先生達がたいまつを持って狼たちを囲んだ。


遠めでしかよく分からないがケモノ達は道を阻まれ

うなっていた。


「ウ”-ウルルルゥウ”」

「ガルルルゥウ」


そう聞こえた。


敵だーー

と騒ぐものが多くこちらへ逃げ回る連中が多かった。


「静かにーーー!!!」


そのきれいな透き通った声にケモノ以外の声はなくなった。


それは深い青色の髪を持ち黒い瞳を持った青年だった。


あれがーーー


『メラル殿下!?』


私とそのほか王子王女殿下以外の声が重なった。


あれが第一王位継承権を獲得している王子・・メラル殿下か。


「みんなッ!落ち着いて、奥に避難するんだ!

私たちが追い払う!だから騒がないで欲しい!」


美青年の王子の懇願が聞けぬ者などどこにいる?(ここにいる^)

・・とにかく他のみんなはそれに従った。


そのとき、アフィラ殿下は浮き上がった。


「僕の炎を使って。

魔力よ、自然の力よ、炎と成せ!

マグリフレア!!」


たいまつの火に向かってそれを彼は解き放った。


「殿下!ありがとうございます!!

さぁ、森へ帰るんだ!」


先生達はじりじりとケモノに向かって間合いを詰める。


ケモノ達はうなり声を上げて牙をむき出した。


たいまつの炎がメラメラ燃えて彼らを威嚇する。

余計にケモノの意思が強まったのが手に取るように分かった。

殺気が生まれ膨れ上がる。


・・やばい、これだと先生も危ないし

私の正体が・・ばれてしまう!


「っー、ウォーレインシア!!」


ブゥォウワォウ・・バシャーーーン・・シューー


私はそれだけを唱え、たいまつの火をかきけした。


「なーー!!?」


みんなは私を驚愕の眼で見つめる。


どっと疲れが出たがみんなに反抗される前に


「火では余計に対抗心をあおらせるだけです。

火は彼らの敵ですっだから・・炎だけはやめてください!!」


私はそう叫んだ。


この学院に入ってコレだけ叫んだのは初めてだろう


「だったら・・どうするんだというんだ!?」


メラル殿下が叫ぶ。


「私に任せてください。

・・ウッドヴェリーム!!」


私は空を切るように手を横に凪ぐ。


それにあわせて垣根が地面から生え、

ニンゲンとケモノを隔てる壁ができた。


そこで私は祈った。


今日の夜、王城近くの森で会いましょう。

そのときに用件は聞きます。

ですからは今は、今だけはお引取りください。


祈りながら


「ウィンディーフレイト!!」


びゅぅううっ”


手を上下左右に凪ぎ、風を作ってケモノを追い返した。


「アオォーーン」


帰り際にそれだけの発して。


「・・・・・・・・」


辺りは獣が去って静寂に包まれていた。


ガクンッ


呪文を発しなかった所為で

魔力が尽きた。

そして大きな疲労感に襲われ、足も痛み出す。


「っ!?おいっ!」


バランスを崩し倒れそうになったところを

クロセキ殿下に支えられ

膝を突いた。


「っーーー”・・ハァ・・ハァ

ーーーっ”」


「おいっ、大丈夫か?

あんな呪文もなしで・・おいっ!?

オマエ、あのときの怪我がまだーーー!!」


クロセキ殿下は私を心配し

声をあげる。


見れば右足首に巻きつけた布には紅く血がにじんでる。


「だ、・・大丈夫・・です、よ。

・・このぐらい。・・・っ”」


肩で荒く息を吐く。


さっきのふらつきようにも参ったが

今回はやばい・・少しでも気を抜くと・・。


ヒューー、ストン


そんなときにメラル殿下が傍に降りてきた。


「君のおかげで誰も怪我もせずにすんだ。

ありがとう。確かに火は・・ケモノにとっては

敵だね。彼らはここへきたときは殺気がなかったのに

炎の所為で殺気が生まれた。

あれで追い詰められたのは僕達だった。

ほんとうにありがとう」


彼は謝罪をしてきた。


それをきいていて・なんだか安堵していって・・

気を抜いては駄目だと分かっていたけど・・

今日の私は・・それには勝てなかった。


「・・・・っ”ーーー」


「おいっ!?」


意識が朦朧としてバタンと倒れる。


「!?魔力が尽きてしまったようだね。」


「あぁ。今日はコイツは調子が悪かったみたいだ。

兄貴、俺が運ぶ。コイツに怪我させたのは俺の所為だからな」


そんな声が聞こえてーーふわりと浮いた浮遊感にさらされた。


意識もソレそって奪われて・・私は気を失った。




おぉ!やっとそろったーー!

さてこれからも頑張りますぞ

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