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コミュ障転生者、英雄を目指していたら知らぬ間に闇の教団の教祖にされ帝国を掌握していた件  作者: 五月蒼


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第4話 リーズフェルトの信仰

 何とか訂正できたようだ。

 急に神とか言い出すからどうしたのかと思ったけど、どうやら怖かったから錯乱していただけらしい。


 でも! 英雄になるお手伝いをしてくれるなんて、めちゃくちゃありがたい。

 やっぱり、英雄には仲間がいるものだよね。


 彼女の名前は、リーズフェルト・ヴェルディ。

 奴隷として連れてこられたところを逃げ出したら、この盗賊たちに捕まってしまったらしい。


 奴隷とかいる世界なんだな……恐ろしい。


「リベル様。当面の目標はなんでしょうか」


 当面の目標か……。まあ最終的には英雄になって歴史に名を遺すことなんだけど……今現在の目標と言ったら、やっぱり英雄になれるだけの力を身に付けることかな。


「そうだね……まずは、力を蓄えたいかな。地盤を固めないとね」

「! 私にお任せください」


 おお、なんかすごいやる気だ……!

 俺の練習相手になってくれるってことかな?


「出来るの?」

「もちろんです。神の――リベル様の目的を完遂するため、その思想を広め盤石な地盤をご用意いたします」

(そう……つまりリベル様は、己の信者を集め、”いつでも動かせる組織を作っておけ”とおっしゃっている。神のご意向を忠実に実行する組織を……。であれば、私の力が役に立つ)


 また神って言った!

 なんか、発言の仕方が……なかなか凄い中二病だな、この子。思想を広めるとか。ただの戦い方を思想と呼ぶとは……まあ面白い子ではあるけど。


 解放されて安心したことで、テンションが上がっているのかもしれない。多めに見てあげよう。


 それに、リーズフェルトが手伝ってくれるなら力をつけるのも早くなりそうだ。さすがにエドワードだけだとワンパターンすぎて慣れが来ちゃうからな。


「そうか、任せた」

「ありがたき幸せ」

(創設の指揮をお任せいただいた……こんな出会って間もない小娘に……! このお方は、わかっていたのだ。私が今日、ここに現れることを。そして、私に価値を見出し、救ってくださった……!)


「リベル様のそのご威光を、一人でも多くの人間に知らしめ、この国を救済しましょう」

「最終的にはね」

「段階を踏むということですね、承知いたしました」


 いきなり強くなってはい英雄! とはならないからな。

 何事も努力あるのみだ。


「では一つ質問をよろしいでしょうか」

「なんだい?」

「同志たちへの指針……教えとでも申しましょうか、そういったものを私の方で作らせていただいてよろしいでしょうか」


 教え? あぁ、もしこれから練習相手が増えたときに、どうやってやるかっていうルール決めをしてもいいかってことか。まじめだなあ。


 まあでも、そういう方針みたいなものがあった方が動きやすいか。


「任せるよ」

「ありがたき幸せ……。必ずご期待に応えて見せます……!」

(私が……神のご意思をこの帝国に広める役目を仰せつかった……! 必ずや、成し遂げて見せる!)


 リーズフェルトは、深々とお辞儀をする。

 その姿勢があまりに綺麗で、俺より貴族然としていた。実は結構上流階級の人なのでは……?


「リベル様。では、神の救済をしやすくするよう、準備を整えてまいります。どうか、お待ちください」


 救済? あぁ、英雄活動のことか……? なんか大層な言い方だけど。

 いや、でもまあある意味救済ではあるのか。人助けってことだし。


 なんか準備がいるのかな。まあそうか女の子だしね。


「わかった」

「この盗賊たちについては、私にお任せいただいてもよろしいでしょうか」

「え、大丈夫?」

「はい。お任せください」


 大丈夫なら良いか。まあ、リーズフェルトも特異魔術を持っているみたいだから、何か考えがあるんだろう。ここは任せよう。


「ではリベル様。整い次第、伺います」

「……ああ」


 なんかちょっと中二病だけど、頼もしい仲間ができて良かった。

 これでさらに強くなれるぞ!


◇ ◇ ◇


 数日後の夜。


 リーズフェルトは帝都外れの廃教会の前に立っていた。

 数日で帝都まで向かい、多くの情報を当たって見つけたのがここだった。


「姐さん、ここです」


 アゼルは炎をともした剣を松明代わりに掲げる。


「いいですね。これだけ大きければ、組織のアジトとして申し分ありません」


 古い石造りの建物だ。もう何年も使われていない。でも構造はしっかりしている。広さも十分。


 帝都外れで、人が来ることもめったにない。隠れ蓑にはちょうど良い。

 ここならきっと、リベル様もお喜びになってくれるはず。


 一族の遺産の残りを確認した。これだけあれば、確実に足りる。


「本当に始めるんですか……?」

「ええ、もちろん。それが、神の思し召しですから」


 翌日、廃教会の所有者が変わった。

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