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滅亡の蹂躙

いくら待っても返答のない手紙に痺れを切らしたルーヴェリアは、騎士団の一部を状況の確認のため派遣した。

その先で待ち受けていたのは、一方的に、極めて残虐に、そしてそれが当たり前であるかのように存在していた、結果、だった。

ルーヴェリアがラマシェット小国、メレンデス小国に警戒態勢を敷くよう文書を送ってから、7日ほど経過した。

ラマシェット小国は遠い位置にあるので、届くまであと数日はかかるだろうと予測はできるが、その隣にあるメレンデス小国から音沙汰ないのが気にかかる。

ルーヴェリアは数名の騎士を呼び、偵察に向かうよう指示を出した。

なんだか嫌な予感がする。

メレンデス小国には今、各国の要人はもちろん、サフラニアの第一王子も滞在中のはず。

何か問題があればすぐに連絡が来るはずだが、それもない。

ルーヴェリア(やはり、何かがおかしい…)

今は、偵察隊からの報告を待つしかない。


派遣された偵察隊は、帝国領前に張られた陣幕を経由してメレンデス小国へと向かっていた。

騎士1「何かおかしくないか?」

騎士2「確かに…城門前に兵士が居ない…」

警戒心を高めて門内に足を踏み入れ、絶句した。

人っこ一人いないどころか、街は廃墟と化し、まるで異界に迷い込んだようだ。

あちらこちらに散らばった血痕からどんな惨劇に見舞われたのか予想がつく。

一通り国内を見て回ったが、生者に遭遇することはなかった。

皆どこかに逃げたのだろうか。

死体が一つもないというところも気にかかるが、確かに言えることは魔族の襲撃を受けてメレンデス小国は消滅したということだ。

騎士1「お前達は戻ってルーヴェリア様に報告してくれ。ヴィリディス殿下達のご遺体も見当たらないから、もしかしたらどこかで身を潜めている可能性もある。俺とコイツで殿下達を捜索しながら戻るから」

そういって役割分担をし、数名はサフラニア方面へと戻っていった。

騎士1「でもおかしいよな、もし逃げるとしたらアルゼトか隣のラマシェットだろ?」

騎士2「お前の言いたいことはわかるよ。あれから7日以上経ってると考えると、どちらかに逃げ延びたなら、襲撃されたことの報告がどこかしらからは来ないとおかしいよな」

互いの意見にうんうんと頷きながら城門を出、ラマシェット小国の方へと歩き出す。

公道を見た限り、ここ最近人が行き来した様子は見受けられなかった。

だとしたらアルゼト小国方面へ向かったか、海路でラマシェットに向かったかのどちらかしかない。

そして、朝一番で出立した彼らがラマシェット小国に到着したのは、日が傾いて空が橙色に染まる頃だった。

警戒態勢をとっているのか、門前の兵士たちの数は多い。

騎士1「サフラニア王国第二騎士団の者だ、少し尋ねたいことがある」

兵士1「そちら側から来るのは珍しいな?どうした?」

この時点で、嫌な予感しかしない。

騎士1「第一王子のヴィリディス殿下方が其方にいらっしゃらないか?」

一応聞いてはみるが、予想した通り答えは否だった。

騎士2「隣国のメレンデスが魔族の襲撃を受けて滅んでる。各国の主要人物が集まっていたのはお前達も知ってるだろ?でも今は国そのものが廃墟になってるんだ」

兵士たちは怪訝そうな顔をした。

襲撃があったなんて聞いてない。

自分達はただ、襲撃の可能性があるから警戒を強めるよう言われただけだ。

騎士1(この反応から察するに、メレンデス小国は救援要請をする暇も無くやられたか、出来ない理由があったかのどっちかだな…)

その時、一人の住民が慌てた様子でこちらへ走ってきた。

町民「へ、兵士の皆さん!助けてください!」

兵士1「どうした!」

町民「ま、街のみんながおかしくなって、みんな海に飛び込んで溺れていくんです!」

騎士と兵士が顔を見合わせた。

刹那、上空に巨大なゲートが現れる。

兵士「動ける人間全員国外に出るように伝えろ!騎士のお二人は申し訳ないのですが彼らを守護しながらアルゼト小国、もしくはサフラニア王国で保護の要請を行なっていただきたい!」

騎士達は頷き、町民がかき集めた正気を保っている人々、総勢30名余りを率いてひとまず帝国領前の陣幕を目指すことにした。

アルゼト小国軍が数名いる分、幾分か安全性はあるはずだ。


ラマシェット小国の兵士達は、ゲート破壊のために魔導兵をかき集めて一点集中で攻撃を行うことになったが、その為の魔力が何かに吸収されている気がする。

そして海岸沿いに向かった兵士も、異様な光景を目の当たりにすることとなった。

海上に浮かぶ岩の上に座る半魚人。

西陽を反射して煌めく透明な髪と思しきもの。

白磁のような無機質の光沢を放つ肌の上半身に対し、下半身は光の届かない深海の色をそのまま落とし込んだような色をした長い魚の尾。

おとぎ話の人魚姫のような、それでいてそうではないと確かに本能が告げてくる異様な存在。

町民達はあれに向かって走っているようだった。

「あの娘を手に入れるのは俺だ!」

「肉を食えば不老不死になれる!」

「永遠の美しさをこの手に!」

そうして老若男女問わず海に飛び込み、溺れ、沈んでいく。

正気を取り戻させようと声を出そうとした時、かの魔物と目が合った。

まるで生きるものが死にゆくような、空中に放られたものが必ず地面に落ちるような、必然とも呼べるような感覚で、誘惑に逆らえなくなる。

あの場所に行きたい。彼女に触れたい。

指先が届くだけでもいい。髪の毛一筋に触れられるだけでも。

周囲の静止も耳に入らず、海に飛び込んで死んでいく。

誰も彼もがかの魔物に魅了され、溺れ、沈んでいく。

そしてゲートから現れたのは、形容し難い不定形の巨大な何か。

あれが小さければスライムと呼べるが、あの大きさではなんと呼べば良いのだろう。

落下地点にあった建造物は、それに触れた途端飲食物を飲み込むように溶けていった。

ミュルクス「ラマシェット小国のみんなー!はじめましてー!僕は七将、祖態-そたい-ミュルクス!よろしくねー!」

無邪気な子供のような声が響き渡る。

よろしくされたくないが、突然現れたゲート、そこから降り注いだ異様な物体、それが急に喋った、街の中は狂喜乱舞しながら海に飛び込む阿鼻叫喚、対応にあたっていた魔導士達は圧倒されてしまい声も出ない。

ミュルクス「ゲート破壊のために魔力注いでたよね?ぜんっっぜん足りなかったけど、美味しくいただいたよ!ごちそうさま!」

奴は魔導士達の様子を意にも介さず喋り続ける。

ミュルクス「あっちの海の方にいるのが、七将の一人、水祖セラフィナ!僕の大好きな友達なんだ!」

反射的に海の方を見やると、紹介されたセラフィナがにこやかな表情でこちらに手を振っているのが見えた。

見てはいけないのに。

魔導士達はセラフィナの元へと向かうべく、城の塔から飛び降りて頭から地面に衝突し、そのまま息絶えていった。

セラフィナの魅了に耐えた兵士達は、ミュルクスに波状攻撃を仕掛けるが、刃がその体に触れた途端、溶かされてしまった。

ミュルクス「あれれ?もしかして勉強してないの?僕たちの体に物理攻撃は無意味なんだよー?」

馬鹿だなぁと言いながらその巨体で歩を進めるだけで、触れたもの全てが溶解していく。

セラフィナ「そろそろ彼らの援軍が到着する頃合いですわ、ミュルクス」

海面が水鏡を形成し、城壁の外側を映し出す。

そこには、列を成しているサフラニア王国騎士団の姿があった。

ミュルクス「了解!じゃあ手筈通りに行こう!僕はこのままこの国を観光するね!」

悠々と歩き出す王水の塊のようなものに、手出しできる兵士など一人もいなかった。


その少し前だ。

帝国領前に張られた陣幕に、騎士団率いるラマシェットの町民達が到着した。

また、メレンデス小国が既に滅びを迎えていた事実を知ったサフラニア王国も同時に動き出す。

まず、アドニス率いる第一騎士団は帝国領前まで進軍、サフラニアに町民を受け入れるための護衛につく。

アルゼト小国は陣形を形成しつつ待機。

魔族側の同時攻撃に備えるためだ。

ルーヴェリアの第二騎士団、テオの第四騎士団は自国の防衛のために残し、クレスト率いる第三騎士団をラマシェット小国へ派兵する。

そしてミュルクスが散歩を始めた頃、第三騎士団がラマシェット小国前に到着したのだった。

クレストは外壁の様子、それから異様に静かな空気から全てを察した。

クレスト「…間に合わず、ですかな」

ぽつりと呟いた時、城壁の門が開いた。

中から無数のスライムと水気を纏った馬のような魔物が溢れ出てくる。

クレスト「魔導部隊!スライムに対し斬烈魔術にて応戦!歩兵、騎兵はケルピーに応戦!スライムに物理が通用すると思うな!触れたら最後ですぞ!」

この魔物の構成と圧倒的な殲滅速度から、各々の七将が出現していると見て間違いないだろう。

かつての苦い記憶が呼び起こされる。

しかしもうあの時の自分ではない。

前線に立ち、破壊鉄球を振り回して魔物らを木っ端微塵に粉砕していく。

この破壊鉄球は魔力を圧縮して石化させたものを素材に作られているため、物理と魔術の両面の特性を持っている。

スライムが相手だろうが、水魔が相手だろうが、お構いなしに蹴散らせるというわけだ。

先の戦いで得た知識を最大限に利用した武器、通用しないわけがない。

一般兵達はそうもいかないので、スライム共は魔導兵に任せ、ケルピーと称された水魔の相手をする。

後方には看護兵達も控えており、負傷した兵士らの手当てを行っていた。

そこにはシエラの姿もある。

「大丈夫です!私が必ず治します!」

「気を確かに持っていてください!」

治癒の魔術を施し、また戦線へと送り出す。

それを繰り返していく。

もう何人看たか数えられないほどの兵士を治療した時、周囲が騒ついた。

いや、元から騒めいてはいたが、そうじゃない。

シエラ(みんな、慌てて逃げてる…?なんで…)

誰かが彼女に早くその場を離れろ、逃げろと叫んだ。

その最初の一文字が耳に届くか否や、彼女の体はひしゃげて潰れることになる。

シエラ(え…なに、が、起きたの…?痛い…痛い…)

背中から胸にかけて、潰れて無くなってしまっていた。

地面に伏すように倒れ込んだ彼女は、ただ痛みを感じることと、自分から溢れ出た血がじわじわと広がっていく様子を見ていることしかできない。

シエラ(痛い。痛いです。どうして?私は、死ぬの?嫌だ。痛い。嫌だ。嫌だ、死にたくない)

必死に自分に治癒の魔術を施すが、ここまで壊れてしまった体を治すほどの力はない。

ただ、苦痛を感じる時間が長引くだけでしかなかった。

シエラ(痛い、です。死にたくないです。だって死んだら守れない。死んだら、全てが終わるんです。死んだら、死んだ、ら。痛い。痛い。嫌だ、殿下の、そば、に、い。きた、い)

ぶつり、と視界が暗転した。


前線に立つクレストに慌てふためく伝令がやってくる。

騎士「我々騎士団の陣営後方にゲート出現!巨大な魔獣が救護兵達を襲撃し我々は挟撃されています!」

クレスト「私が向かおう、この戦線はお前達に託す!」

確か後方には、アドニスの専属侍女が救護兵として所属していたはず。

無事でいてくれと願いながらそちらへ向かうが、希望は何一つ残されていなかった。

壊滅した後方支援部隊の真ん中に堂々と立っているのは、かつて刃を交え、勝利に至ることの出来なかった存在。

七将が一人、獣祖ザルヴォだった。

艶めく漆黒の四足獣、頭は獅子、背には2対の翼。獣祖に相応しい獰猛な牙と、尾と見なされる大蛇の牙からは血を滴らせていた。

足元には生きていてほしいと願ったシエラの無惨な死体が他に伏している。

どうやら、出現の勢いで奴の足に踏み潰されてしまったようだ。

ザルヴォ「あの時の小僧か、随分貫禄が出たな」

傷心をひた隠し、獣を睨め付ける。

クレスト「思い出話を語りにきたわけでも無かろう。覚悟は宜しいか」

鉄球を地面に置き、拳を構える。

そう、クレストは本来体術を得意とする騎士だ。武器を振り回すのは利便性を求めた結果そうなっただけだ。

ザルヴォ「我に覚悟を問うな、問われるべきは貴様だ小僧!」

大きく振りかぶり、目にも止まらぬ速さで下される右前足を拳一つで弾き返し、迫る大蛇の頭を鷲掴んで放り投げる。

四つ足で地面を滑りながら大きく開かれた口が迫り、クレストの頭を目掛けて閉じられるが、寸でのところで身を引いたクレストに当たるわけもなく。

突き出された拳が噛み合わさる牙をへし折り粉々にした。

ザルヴォ「その老体に重ねた強化の術、さぞ体への負担は大きかろうな」

クレスト「死ぬ覚悟も出来ておりますのでな。だが生憎とこの体は存外にしぶといですぞ。貴様ら魔族を葬り去るまで倒れることはない!」

回し蹴りがザルヴォの右頬に当たると、バキリと嫌な音がする。

ザルヴォ(骨にヒビが入ったか…年老いたのはこちらの方だったかな)

苦笑まじりに心の中で呟くと、今度は翼をはためかせて嵐を巻き起こす。

捲れ上がる地面がクレストを襲うが、彼はお構いなしに突進し、襲いくる地面ごとザルヴォの鼻先に拳を叩き込み、中空でバク宙をする容量で頭部に踵落としを極める。

ザルヴォの頭は地面に埋まる勢いで激突した。

伏せの体勢になったところで、すかさずクレストがその背に足をかける。

クレスト「貴様に殺された仲間達の痛みの一端でも味わうと良い」

そう言いながらクレストはザルヴォの翼の根本を掴むと、片っ端から引き千切る。

痛みに耐えかねたザルヴォが咆哮をあげながら大蛇を振り回すも、それも掴み取られる。

頭と顎を鷲掴み、引き裂く。

クレスト「彼らは痛みに声をあげることすら出来ずに死んだのだ、貴様はまだマシな方だろう?」

根元まで大蛇を引き裂いて、完全に動きの止まったザルヴォの頭の横に立つ。

クレスト「本当はその牙を全て引き抜き、目玉を抉り、さらに苦痛を与えたいところだが、時間もないのでな」

彼は獣の両頬を掴む。

ザルヴォ(ここまで人は強くなるのか……たった数十年経っただけで……七将と敬われ魔獣の始祖として君臨していたこの我が、手も足も出ないとは……侮っていた。これは完全に…)

敗北だ。

クレストが力の限り腕を捻ると、ザルヴォの頭部が捩じ切れる。

司令塔を失った首から下はその場に倒れ伏した。

クレスト(確かに、身体強化はあくまで自身の限界を越えるためだけに使用するもの…老体には少し厳しいものがありますな)

片手にザルヴォの生首を引っ提げ、空いた手で腰をトントンと叩く。

肩に鉄球の鎖をかければ、片手は空いたままだ。

クレストは地面に横たわり、見開かれたまま息絶えているシエラの目を閉じてやり、その体が千切れてしまわないよう丁重に抱えて前線に戻っていった。

どうやら騎士達だけで戦線は維持できたらしく、敵はゲートを通じて撤退している最中だった。

騎士「クレスト様!魔族の撤退を確認、被害は甚大ですが、我々の勝利です」

クレスト「うむ、ご苦労」

頷きを返すとクレストは片手にぶら下げていたザルヴォの首を掲げる。

クレスト「七将、獣祖ザルヴォ!討ち取った!!」

騎士達の歓声があがる。

ラマシェット小国は壊滅し、騎士団も半数が戦死したが、ここに確かな勝利への一歩を踏み出したことは明白だった。


だが、凱旋は決して賑やかなものにはしなかった。

難民達は故郷を失い、多くの騎士が戦場で散っていったからだ。

哀悼の意を込められた静かな凱旋の後、第三騎士団は城へと帰っていく。

城門の前で出迎えにきたアドニスは言葉を失った。

クレストが抱えている、胴体の一部が潰れてしまった少女が目に止まったから。

少女を抱えたまま、クレストはアドニスの前に膝をついた。

クレスト「殿下、申し訳ございません」

誰も悪くない。戦場とは常に誰かしらが死ぬ場所だ。

でも、それでも、守れなかったことが悔やまれた。

故に謝罪の言葉が出てきたのだ。

アドニスは幼い頃から自分の世話をしてくれた専属侍女の、シエラの遺体を抱きしめる。

泣き叫びたいのに、声が出ない。

喉に石がつっかえたように、引き攣った声しか出てこない。

彼女が戦場に出ると言い出して、止めたことはあった。

でも彼女の想いを否定したくなくて、受け入れた。

いつかこんな日が来るのではないかと予見していたが、まさか、こんなに早かったなんて。

悲しみが、憤りが、ある感情に変化していくのを感じる。

怒り、憎しみ、いや、憤怒。

必ず殺す。魔族は一人残らず、この手で葬り去る。泣いて喚いて命乞いをされたとしても、容赦なく。

殺して、殺して、殺して、殺し尽くして。

アドニス「…必ず………殺す」

静かに呟かれたその一言は、風に溶けるほど小さく、誰の耳にも届かなかった。

【おまけ】ある日の▓▓▓▓


四方貴族を傘下に置いたところで、何の解決にも至りやしなかった。

奴隷商人が居なくなっても、下層の在り方は相変わらずだと、拾ってきた子から察したよ。

弱いものは淘汰され、強いものだけが生き残るのが魔界とはいえ、他の世界にまで手を出すのは誤りだろうに。

だから私は下層の連中を片っ端から処分していった。

その過程で、上層にいた各種族達が私の味方についてくれたんだ。

裏切り者を処分してくれたものも居た。

私は彼らの長に"祖"という概念を与え七星として直属の配下に置くようにした。

それくらいの力は持っていたから。

自由奔放な奴らで、対立したら血を見ないと収まらない奴も居たけど、まあなんだかんだ言って慕ってくれたし、それなりに楽しい日々を過ごすことができたよ。

でもやっぱりいるんだ。

他の世界に手を出す愚か者が。

七星の中には居なかったけども、下層の在り方に脳みそを侵食された馬鹿どもは何をしてもそこから抜け出せなかったんだ。

だから、人間の恐ろしさを知らしめてやることにした。

そのために、犠牲になってもらうしかなかったんだ。


人間にも、我々魔族にも。


同族の血が流れるのは悲しかったが、冷酷に、魔界の王に相応しい自分でなければならなかった。

そしてそうあれと、魔女王の称号を与えた彼女に押し付けてしまったことも後悔している。

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