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ボラ太郎の奇妙な冒険 〜第三部・魚ーダストギョギョセイダーズ〜

何年か前に書いた、某奇妙な冒険のパロディです。

よほどハマってたんだろうね。

でも飽きて完結できなかったらしいので、供養のつもりで投稿します。誰か続きを書いてくれてもええんやで。

 ただのボラ、ボラ太郎は悪霊に取り憑かれている!


「ボラ太郎、お願いだから出てきて!」


 ボラ太郎の母、ボリィは息子を説得する。しかし、ボラ太郎は一向に小さな海藻から出ようとしない。


「俺はもうこの海藻から一生出ねぇ……俺は悪霊に取り憑かれている! 俺がこの海藻から一歩でも出れば周りに被害が及ぶ。この悪霊は全てを破壊し尽くしてしまうんだ。」


 ボラ太郎はこんな状態で暫く頑なになっていた。


「信じてくれないなら見せてやる。」


 ボラ太郎は海藻を飛び出した。


「ボラ太郎、どこにいくの!」


 ボラ太郎は、ちょうどそこに泳いでいたサメの目の前に立ちはだかった。


「ボラ太郎!!」


 ボリィは息子がサメの目の前に出たので絶叫する。


「お、美味そうなボラがいるぞ。いただきまーー……」


 サメは容赦なくボラ太郎を喰らおうとする。その時、ボラ太郎の背後から謎の化身が出てきた!


「ボラァ!」


 化身はオラァ!みたいな掛け声とともに強靭な腕力でサメの頬に強烈な一撃を与えた。サメは血を吐き気絶して沈んでいく。


「これが俺の悪霊だ。」

「私の息子は一体どうなってしまったの……?」


 翌日。


 ボラ太郎の異常事態によく分からない人が駆けつけてくれた!


「ワシの名はジョセフ・カワハギスターッッ!! 孫のボラ太郎のために大西洋から太平洋に来てやったぜ!」

「消えなじいちゃん。テメェの出る幕じゃあねーぜ。」


 カワハギスターは突然登場した。ボラ太郎は呆れている。


「お父さん何とかして!」

「任せろ、愛する娘ボリィの頼みならば何だってやってやるわ! ボラ太郎は悪霊がどうとか言っているらしいが、同じような悪霊使いを連れてきたから力ずくで海藻から出してやる! 出てこい!」


 カワハギスターに呼ばれて出てきたのは、どことなくアラビアンな雰囲気を醸し出すフグだった。


「彼の名はモハメド・フグドゥル、ボラ太郎をボコボコにして海藻から出してしまえ!」

「カワハギスターさんが言うなら、このフグドゥル、全力で彼を追い出して見せましょう。」

「そこまでされると、何が何でもこの海藻から出たくなくなってきたぞ。相手になってやる!」


 ボラ太郎は前日と同じように化身を出した。それに反応し、フグドゥルも化身を出す。


「これが私の『魚ンド』ッ! マジシャンズ・フッグだ。お前の言っている悪霊は魚ンドといって、魚力の塊のようなものだ! そして私の魚ンドの能力は周りの水温を一気に上げる炎系の能力なのだぁああ!!」


 マジシャンズ・フッグは身体から炎を吹き出した。


(水中なのに炎が!? それに周りが急に暑くなっただと……苦しい……)


 ボラ太郎は海藻の中でもがいている。それに追い討ちを掛けるように、マジシャンズ・フッグは畳み掛ける。


「くらえ、『マジシャンズ・プリズン』!!」


 ボラ太郎の周りに、急に炎でできた檻が出現した。


(クッ、なんて暑さだ……! あと数秒もすれば焼き魚になっちまう!)

「どうだどうする事もできまい! 早く降参すると言えぇ!」


 ボラ太郎は、灼熱の暑さの中、フグドゥルの挑発的な態度にプッツン来ちまった。

 俺は俺の悪霊のせいで周りのやつを傷つけないようにしているだけなのに、なんでこんな目に合わなきゃあ行けねーんだ! という怒りがボラ太郎の全身の神経を刺激する。


「俺はもうどうなっても知らんぞ!! ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラァ!!!」


 ボラ太郎の化身はとてつもないスピードとパワーで炎の檻に向かってラッシュパンチを繰り出した。


「ム、無駄だ。炎を殴ったって何も意味は無い! 気絶が早まるだけだぞ。」

「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラ、ボォーーーーーラァアア!!!」


 しかし、フグドゥルの予想に反してあまりのパワーに炎が四方八方に分散し、マジシャンズ・プリズンが解除された!


「何ィーーーーーーー!!?」


 フグドゥルは炎の檻を突破されて唖然としている中、ボラ太郎の超速ラッシュはなお止まらず、フグドゥルのマジシャンズ・フッグを捉えた!


「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ、ボラララボォラァアアアアアア!!」

「ぐはぁああああああ!!!」


 マジシャンズ・フッグをボコボコにしたら、本体のフグドゥルにもダメージがあるらしく、フグドゥルは強烈な一撃によって一気にノックダウンされてしまった。


「なんて強力な魚ンドだ……! これなら『悪の帝王・シャチオ・ブランドー』を倒せるかも知れない。君の魚ンド『ボラー・プラチナ』なら、倒せるかも知れない、ぐふッ……」


 フグドゥルはさらっとボラ太郎の魚ンドに命名しながら、膨らんで気絶してしまう。


「やれやれだぜ……。」


 ボラ太郎はため息をついた。


 「というわけで、悪の帝王シャチオ・ブランドーを倒すために共に地中海へ旅立とうボラ太郎!」

「私からも頼むボラ太郎君、君のボラープラチナならやつに勝てるかも知れないんだ!」


 カワハギスターとフグドゥルはボラ太郎に対して情熱的に説得する。しかしボラ太郎はただため息をついて


「やれやれ、なんで俺がそんなことをしなきゃあならねーんだ。」

「世界のピンチなんじゃァァア!!」

「知るかそんなこと。」


 カワハギスターはボラ太郎のそんな態度を見て同じくため息をつく。


「仕方ない、ワシの魚ンドを見せてやろう。これがワシの魚ンド、『魚ーミッド・パープル』じゃ。」


 カワハギスターの背後から紫色の海藻が伸びて出てくる。


「魚ーミッド・パープルの能力は念写! ボラ太郎、貴様にシャチオの姿を見せてやる。ハギィッ!」


 カワハギスターの念写で、目の前に謎の魚が映し出された。それは傷を負ったシャチで、ぐったりしているが邪悪な覇気を放っている。


「この男は魚ンドパワーを大量に吸ってあの傷を癒やすつもりだ。放っておけばさまざまな魚が犠牲になる!」

「放っておけ。」

「ボラ太郎〜〜〜!」


 念写でシャチオの姿を映してみせてもボラ太郎は全く動く気配は無い。


 すると、念写のシャチオが突然何か喋り出す。


「まただ……また誰かに見られている気がする。まさかこの俺を倒そうとする何者かがいるようだな。念写の魚ンドか何かだろう。貴様、見ているなッッ!!」


 シャチオは何と念写を察知し、こちらを睨んできた!

 ただの念写なのに邪悪なオーラが突風のように押し寄せ、その場にいる全員が吹き飛ばされた。


「大丈夫かみんな!」


 カワハギスターは吹き飛ばされた他の三人を呼ぶ。フグドゥルとボラ太郎は泳いで戻ってきたが、ボリィはぐったりしている。


「おふくろッ!」


 ボラ太郎はすぐにボリィのもとへ泳ぐ。


「大丈夫か!」


 ボリィは気絶していて起きる気配がない。そこへフグドゥルも駆け寄る。


「クッ……遅かったか。ボリィさんはシャチオの邪悪な魚ンドパワーに侵されてしまった……! 邪悪パワーを消すにはシャチオを倒すより他にない……それも三日以内に!」


 ボラ太郎はそれを聞いて絶望はしなかった。むしろ、彼はこの状況にプッツン来ちまった! 自分はどうなっても構わないが、母に手を出すことは許さねぇという怒りに満ちている!


「良いぜ、地中海だろうがどこだろうが行ってやる。シャチオをぶっ潰してやんねぇと俺の気が済まねーぜッ!」

「ボラ太郎っ……! よし、そうと決まれば早速準備じゃ。絶対にワシの愛娘ボリィを救ってみせるぞ!」


 こうして三人の男達は地中海へと旅立った!

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