表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メンタルが落ちている  作者: ただのストレス
8/10

例え判断がつかないことでも僕のこの両目にかかれば

炭酸水を入れて作るホットケーキは口溶けが良く、シュワリと消える感じがするのだそうだ。

入社したての新人営業マンを思わせる熱意のこもったセールストークは僕の胸を打ち、炭酸水の購買意欲を強く掻き立てられた。

彼女が「坊」と呼んだ店員から店を出る際に貰った、食べ歩き用に包んだホットケーキを食べ歩きながらの力説を、僕はこのホットケーキの味と共に、生涯忘れることは無いだろう。


「どうぞこちらへ」


彼女に案内されたのは大通りから少し入った住宅地の中にある、公立の中学校だった。

施錠されていると思われた正面の門はただチェーンが隅に引っ掛けてあるだけで、横に押すとガラガラガラと簡単に開いた。

僕はカルガモの子になった気分で、前を歩く彼女の黒スーツの背中に付いていく。


「あなたは聖獣を信じますか? 召喚しても良いですか?」


新手の宗教か既存の宗教か、高速料金半額時代に行った四国遍路がせいぜいの自分には到底判断がつかなかった。

今更ではあるが、(いぶか)しんだ灰色の左目と死んだ薄灰色の右目のオッドアイで彼女を見てしまう。

目は口ほどに物を言うとはよく言ったもので、僕の口は目ほどには物を言わない。


「はい、おねごいします」


要訂正箇所はあと一文字になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ