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メンタルが落ちている  作者: ただのストレス
6/10

濡れてなどいない彼女は僕の手によって乱される

「あの、落とされましたよ?」


そう僕に話し掛けた彼女は、一切濡れてなどいなかった。

清潔感ある身なりは、乱れてなどいなかった。 

いかがわしいホテルで僕の手によって乱される、そんな想像が全く出来ないくらいに初々しい、汚れなき彼女。



「お悩み、少し軽くなったようですね」


彼女は穏やかに微笑んでホットケーキにメイプルシロップを垂らしている。

カラトリーがぶつかる音は小さくなり、彼女の声が心に響く。精神に直接話し掛けられているようだ。

彼女は人の心が読めるのもしれない、そんな馬鹿げたことを大真面目に思った。


「でも、まだ重たいでしょうから、もうちょっと悩み事を吐き出しますか?」


僕の口は自然に動く。

言葉はオートマチックに紡がれる。

同意、そして依頼。


「はい、あねごいします」

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