貴族屋敷
「改めまして私はヴァンラルテ=エレナと申します」
貴族のお姉さんを助けたところ屋敷に泊めさせてくれるというので付いていき、現在客間で休んでいるのだが、、
「あのー、、、」
この屋敷ボロいのだ。外側の綺麗さはなんとか保ってはいるが中はとてもじゃないが貴族の屋敷とは思えない。
「仰りたいことはわかります。私の家の当主はいないも同然なのです」
なるほど。それでこの状態には納得がいく。
「先の15年前の大戦で私の家の者はことごとく討たれ、現在は名前だけでも相続するために親戚に代理をしてもらっている状態です。名前だけでも借りるのに苦労しこうして貧乏貴族となったわけです」
そうか。たしか俺たちの両親も15年前の大戦が原因でスラムに落ちたって言ってたな。大量の男が死に行き場もない子連れの女がたくさんいた。
「しかし先程のあなたの技は見事でした!そこで一つお願いがあるのですが、、」
「なんでしょう」
「近く開催される剣術大会で優勝して頂けないでしょうか?もちろん私も参加致します!多少ですが弓の心得はありますので、!」
「そういうことならちょうど俺たち三人組で参加しようと思ってたんですよ」
「ほんとですか!?ぜひ私と一緒に出場して頂けませんか?足手まといにはならないように気をつけますので」
ケビンと目を合わせて考える。たしかにうちのパーティーには後方からの支援がない。弓は貴重な戦力だか、、、
「なぜそこまで優勝に拘るのでしょうか?」
「それはですね、、私の家は元々武家でこの王都にもたくさんの道場を出していたのですが、すべて壊されここまで来てしまいました。なんとしてでも武勇を示しお家を再興させる必要があるのです、、なき兄のためにも、、」
そうか。この人はきっと背負っているんだな。一人でこの家を立て直そうと必死に。
「なあ、ニコラス頼みがある」
「聞かなくてもわかるぜケビン。だがこんな子が剣術大会なんかでたらすぐ死ぬぞ」
「いや、守り抜くさ。俺の仕事はそれだけさ」
「そうか、、」
どうやらケビンの心を打ったらしい。
ケビンは頑固でこうなるとたぶん意地でも入れようとするだろう。
「わかった。けれど死んでも恨まないでくれよ?」
「死にません!お家が再興するまでは」
あの大戦さえなければスラムもこういった落ちぶれた貴族も防げたはずなのにな。
「そこで、、優勝した場合なのですが私の家の騎士隊の隊長を任されてくれませんか」
「俺たちがですか?」
「はい。もし今年優勝することが出来るのであればそれでけの資質は十分だと思っています」
なんて話だ。これは騎士団長が提示してきた席よりずっといい。
いくら落ちぶれた貴族でも騎士隊長ともなれば話は別だ。
「わかった。目的は違うかもしれないが手段は一緒だ。まずは剣術大会で優勝しよう」
「はい!よろしくお願い致します!」
こうしてエレナが加わり4人で参加する旨を、騎士団長宛に手紙を出した。
きっと面白がるに違いない。
「今年は厳しいかもしれませんが、、」
「どうしてですか?」
俺達としては今年優勝しなければ死刑になるわけだが、、
「騎士団長の息子がでるのです」
「は?」
あの騎士団長の息子?ていうか既婚者だったんだな。
それがどうしたっていうんだ。
「騎士団長の息子は今年で18を迎え騎士団に既に内定をもらっている逸材です。その腕は騎士団長をも超えてるのではないかとの噂をあります」
その話を聞いて俺たちは青ざめる。あいつレベルのやつが参戦してくるなんて。
なるほど。そうやって息子を試す為に俺たちを当てたんだなとんだ狸め。
「関係ない。俺たちは強くなるだけだ。絶対に負けるわけにはいかないんだ」
「あぁ、ニコラスの言う通りだぜ例え相手が騎士団長クラスでも俺が止めてやる」
「ぼ、ぼくも静かに殺す、、、」
「皆様方、、、そうですよね!私がくよくよしてはいけません。貴族の力をそしてお兄様の意思を示すチャンスなのです!」
俺たちは打倒騎士団長の息子を旨に一致団結したのであった。
「それではこれから一ヶ月私の領内で訓練しましょう!」
訓練場があるのはありがたい。今のままじゃ到底勝てない。
「あぁ。全員の力を底上げしよう!」
「「「おー!!」」」
俺達は明日から訓練を始めることにし、今日は疲れを癒やすためにゆっくり寝ることにした。




