行方2
真っ暗で冷たい床の感触がスラムを思い出させるがここはどうやら違うらしい。囚人が逃げないように鉄格子がされてある。
ああ、捕まったんだな俺。
「よぉ〜目が覚めたか小僧」
「ちっ、お前は」
先程交戦した相手が鉄格子越しにいる。
憎くて仕方がないが腰の物を没収されてる上に勝ち目はない。
「他の二人はどうした?」
「おー仲間の心配が先か。大丈夫だよ。まだ寝てるがな」
どうやら俺と同じような状況にいるらしい。
こんなでもスラムで生きてきた仲間だ。死ぬときも一緒の覚悟だったんだがな。
「で?俺たちは今から殺されるのか?」
「うーん。たしかにお前達は殺されるだけの理由があるが、どうもそれでは捻りがない」
「なにをする気だ?」
「ったく。ちょっとぐらい命乞いしろよ可愛くねぇな。
いいか?俺はこの国の騎士団長オリバだ。よろしくな」
騎士団長か。道理で敵わないわけだ。
「お前達はどこで戦い方を覚えた?独学か?」
「そんなもんはあの街を歩いてたら教えてもらえるさ。じゃなきゃ死ぬからな。完全な独学さ」
「ふむぅー中々の強さだったからちょっと俺もびっくりしたがポテンシャルだけでやってるとなるとやはり期待できるな」
「何がだ?」
さっきからこいつの意図がまったく読めない。
さっさと殺してくれた方が何杯も楽だっていうのによ。
「剣術大会って知ってるか?」
「知らん。それが俺たちになんの関係が」
「お前達にはそこで優勝してもらう。そうすればお前達は無罪どころかこの国に居場所まで作ってやる。どうだ悪くないだろう?」
「もし負けた場合は?」
「う~ん考えてなかったが、剣術大会には多くの貴族が見に来るしなんなら王様も見てくださる。そこで気に入られれば家臣にでもなればいい。もっとも買い手がつかなければ死刑にだな」
なるほど。簡単に言うがどれだけ難しいと思っているんだ。けれど俺たちに生き残る術はこれだけか。
「悪くない。どうせ野垂れ死ぬ運命だったんだ。やらせてくれ」
「おっ!話が早くて助かるなじゃああっちの二人が起きたら街の武器屋で装備でも揃えるか。流石にその装備じゃ勝てるものも勝てんしな」
「それはただ弱い者いじめするだけじゃつまらないっていう貴族の遊びか?」
「さすが捻くれてるなぁー(笑)まあ、そういうこった。精々頑張れやー」
ったく。あいつらと優勝か。
目指して見るのももしかしたら悪くないのかもな。
ケビンのやつは外に行きたがってたし。
「うしっ!やるか!」
「おーし!その意気だ!」
貴族の遊びに付き合わされるのは正直癪だかもうプライドは捨てるしかない。行けるところまで行ってやる




