試合後
「ニコラスさん大丈夫ですか!?」
控え室に戻ると三人が心配そうに待っていてくれた。
もうちょっと信用してくれてもいいんだが、心配されて悪い気もしない。
「大丈夫。ただお気に入りのローブが駄目になったのは辛いな」
「それくらい買いますよ!無事で良かったです!」
「そうだぞニコラス!俺はてっきりやられたかと」
「おいケビン。俺があの程度のやつにやられるわけないだろ」
なぜこうも心配するのか。もっと余裕に勝ってあげるればよなったな。
あれ?リンはどこにいった?
「お疲れ様ニコラス。すごかったね」
「ありがとう。リンなら見えてたのか」
こくっとリンが頷く。さすがうちのアサシン。あれくらいのスピードなら目も追いついてるんだな。
「何はともあれです。これでうちも優勝候補です!
次のノースサウスを倒さないと騎士団長の息子にもたどり着けません!」
「任せろって!俺がぶっ倒してやる!」
第2会場では既にオルガンは終わっていたらしく、どうも秒殺だったそうだ。もっと俺もインパクト残さないとな。
俺たちは控え室を出て、武具屋にローブを買いにいく。
途中、通行人の目がこちらに向いてる気がするが、あれだけ目立てば少しは知られるようにもなるか。
ちょっとした有名人気取ってるケビンを置いていってやりたいところだが、調子に乗せたほうが強いのでそのままにしておいた。
武具屋につくとどうやら先程の試合を見ていたらしく、武具屋の店主がローブをただでくれた。
「いやーさっきの試合は痺れたよ!まさか双天流にあんな勝ち方するなんてな!」
「ありがとうございます」
喜々として話す店主から逃げるように三人は他の武器を探しだし、俺は結局1時間ほど捕まって試合よりも疲れて屋敷に帰るハメになった。
そしてその日の夜。ベッドで寝ようとしていると気配を感じそっと目を開ける。きっといるんだろう。
(やあ。今日の試合はかっこよかったよー)
「ありがとう。所でなんのようだ?」
(冷たいねー。せっかく人が褒めて上げてるのにさー)
この幽霊はほんとにお気楽というかなんというか。
でも大戦の時はしっかり活躍してたっぽいから掴みどころがない。
(君ならできると思ってたけどまさかあの次元までできるとは思わなかったよ)
「それはどうも」
(それでね。一つだけアドバイスしに来たんだ)
「アドバイス?」
(うん。いい?人は誰しも心に光と影を持つものなんだよ)
「それで?」
(それでおしまい。アドバイスはここまで!それじゃまたねー)
とても抽象的なアドバイスだが、前のアドバイスがかなりしっかりしていたので聞き流すこともできない。
俺は忘れないように心の片隅にそっと閉まってゆっくりと目を閉じた。




