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スラムの英雄  作者: もも
10/22

訓練

エレナの裏庭で早速朝から訓練をしている。

ケビン相手にエレナとリンで連携を組んで挑んでいる。


「リンくん!」


エレナの掛け声でリンがケビンに斬りかかるが、流石に真正面からケビンを倒すのは無理だろう。

ケビンも片手でガードしながら余裕そうだが、反撃するしてもリンのスピードには付いていけず当たらないのだ。

ケビンの目を慣らす練習と、リンとエレナの連携の練習でもある。


「こうなったら!」


ケビンが先程から後方で弓を打ってくるエレナに狙いを変えた。たしかにあのケビンの突撃を止めるのは難しいが、、


「エレナさん!」

「大丈夫!任せて!」


かなりの弓の練度があるエレナはケビンの足元に同時に複数の矢を放ち足場を無くす。少しでもケビンが止まればすぐにリンが後ろから狙う。


「くそー!!!これじゃ俺はなんにもできねぇーよー!」


悔しそうなケビンだが、ここは一つ連携の為と、我慢の練習でもしていてくれ。


もちろん俺はただ三人の練習を見ているわけではない。

先程から刀を構えて瞑想している。

刀身から伝わる風、音などに集中する。

この妖刀にもかなり慣れて来たが、まだ足りない。

あの騎士団長に攻撃していた時の事を思い出せ。

まるで刀が自分と一体化しているようなあの感覚だ。


「ふぅーやっぱりこいつはどうやら訓練じゃ気乗りしないらしい。妖刀も困ったもんだな」


何度が試しているがこいつは人を目の前にしないと中々本性を表さない。妖刀とは言われているが俺にはおもちゃを斬りたくてねだっている子供のようにも感じる。

瞑想はかなりいいので毎日の日課にするとして、あの三人の練習に混ぜてもらうことにしよう。


「なあ、休憩して2対2で実践形式で練習しないか?」

「それはいいですねニコラスさん。チームはどうしますか?」

「そうだな。ケビンとリン。俺とエレナでいこう」

「わかりました。お二人もそれでいいですか?」

「あぁ、こんなのずっとやってたら気が狂っちまうよ」

「僕もいいよ」

「それじゃあ休憩してやりましょう!」



〜〜5分後〜〜


「それじゃあいくぞケビン!」

「おう!どこからでもかかってこい!」


ケビンの硬さは1級品だ。そう簡単に怪我はしないだろう。

俺もある程度本気でいける。


「やっぱニコラスはつえーなー!でもよ頼むぜリン!」

「うん」


リンはどこから抜けてくる?右か?左か?

俺の予想とは裏腹にリンはケビンを踏み台にして上から飛んできた。


「エレナ!」

「わかってます!」


エレナが上で格好の的になっているリンを狙うがタガーで防御される。リンが地上につくまでの勝負だ。

だが俺はケビンで手一杯。エレナも次の矢までは少し時間がいる。

ってこんな時だけ起きるとは現金なやつだ。


「共鳴」


妖刀が目を覚ました。やっとあのときの感覚が蘇る。

一気に脱力し、俺に突撃していたケビンが体勢を崩している間にリンのタガーを払う。これだけすれば弓を防げない。

地上につくなりエレナの弓が飛んくるがリンは避けるしかない。ただ、避けた先には、、、、


「くぶっ!」


ケビンがいたのでまともに食らってしまっていた。こうなればあとは峰打ちでどうにかなるのだが、


(斬らせろ斬らせろ斬らせろ斬らせろ)


こいつがさせてくれない。仕方なく一番装甲の厚いところを斬るというよりか、叩きつけケビンを戦闘不能にした。

この間にリンは素手でエレナに向かう。

ケビンを倒さずに体勢を立て直しても良かったのだが、エレナの接近戦の対処が見たいのでリンをいかせた。


「エレナちゃんちょっと痛いかも、」

「甘いですよ!」


リンが近づいて来たところに矢を手に持ちナイフのように扱いリンを牽制する。


「たしかに近づかれればピンチですけど、それぐらい承知の上です!」


が、しかしリンのスピードに敵うはずがなく、やられてしまった。


「エレナさん意外と接近戦もできてびっくり。近づいたら何も出来ないかと思ってた」

「まあ、たしかに弓使いは近づかれたら終わりだけど、私はそんな温室育ちの弓使いと違うからね。常に危険と隣り合わ

せ」


なるほど。それであの素早い対処か。結果的に負けてしまったとはいえ、いいものが見れたな。


「ニコラスー、、やっぱつえーなー」

「おっとごめんごめん。つい本気になっちまった」


流石ケビン。あんな一撃を食らったというのにもうピンピンしている。うちの盾は優秀だ。


「あのー皆さん、実はですね。この屋敷の地下には代々受け継がれてきた訓練場がありまして良かったらどうですか?」

「そんなのがあるんですか?例えばどんな感じですか?」

「そうですね。例えばケビンさんには防御力を向上させる黒い鉄球があります」

「黒い鉄球?」

「はい。簡単です。ケビンさんより大きい鉄球が天井からぶら下がっているのでそれを反動つけてぶつけるだけです」

「、、、」

「実は私ではとても扱えないのですがケビンさんならいい練習になるかと、、、」


なるほど。それはいい練習場だ。

とりあえず逃げようとしているケビンを捕まえて午後からその訓練場で訓練しようとするか

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