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【連載版】学校1の美少女が夜中に俺の部屋に侵入していた  作者: Rai
1章第1部 隣の席の美少女は…
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第5話 パンツ帰還

 靴箱で上靴と外靴を履き替えて校門を出る。

 俺が住んでいるアパートは学校から歩いて10分程の場所にある。本当はもっと近いところがあったが、少しは運動しないといけないと思いこのアパートにした。2階建てでそれぞれの階に4部屋ずつあり、俺の部屋は2階の正面から見て左から2番目だ。内装は入ってすぐにテーブルとキッチンがあり、3つのドアがある。左にあるドアはトイレとお風呂に繋がっており、正面の2つは左が勉強部屋で右が寝室となっている。家賃が安い割には部屋も広く、管理人のおばちゃんも優しいのでとても気に入っている。

 アパートに着き、ドアの鍵を開けているとポストに何か入っているのに気づく。俺は部屋に入り鍵を閉めたあと、ポストの中身をみる。

 中には手ごろなサイズの箱が入っていた。


「また送ってきてるのか」


 俺は差出人の名前を見ると「やっぱりな」とつぶやく。

 

『差出人:桜田凛』


 桜田凛(さくらだりん)。中学三年生の正真正銘の俺の妹だ。俺とは全然似つかず、普通顔の両親のそれぞれの良いパーツを奇跡的に組み合わせて生まれた、最高な遺伝子を継いだ俺の妹だ。七宮さんと同じように中学校では学校一の美少女として有名だ。まだ顔やスタイルに幼しさを感じるが、将来的には絶世のモデル体型の美少女となるだろう。高校に進学したら悪い男に狙われないかお兄ちゃんは心配です。

 箱を開けると中にはカバーのついた本と手紙が入っていた。


『私の愛するお兄ちゃんへ

  最近忙しくてお兄ちゃんに手紙を送れていないのがすごく寂しいです。

 

 (二日に一回ぐらいのペースで届いてるけどな…)

  

  いつでもお兄ちゃんと連絡が取れるように、私がスマホを買ってもらえるようにお兄ちゃんからも

  お母さんを説得してください。受験生だからSNSにのめり込んでしまわないか心配なのはわかります

  が私は常に成績は一位なので大丈夫だと思いませんか?

 

 (母さんが凛にスマホを買わないのはSNSじゃなくて、俺にずっと電話かけそうで心配してたよ)

  

  お兄ちゃんは一人暮らしの高校生活を楽しめていますか?

 

 (まあそれなりには楽しめていると思うな)

  

  お兄ちゃんはきっと喪失感から毎日の生活が苦しくなっていますね。

 

 (なんか知らんけど勝手につらい高校生活と決めつけられてんだけど!?)

  

  お兄ちゃんは何かが足りないと考えています。

 

 (さっきから「思います」とかじゃなくて「ます」って言い切られてるんだよな。足りないものか…

  確かに青春といえばやっぱり彼女だよな。俺に足りないものだな)

  

  一人暮らしをすることを聞いたとき、私は大反対でした。

 

 (凛は最後まで俺の一人暮らしを反対してたな。引っ越し業者と段ボールの取り合いをし始めたとき

  はさすがに驚いたな)


  だけど今はお兄ちゃんが一人暮らしをしたことは正しかったと思います。一人暮らしは人を成長させ

  てくれます。きっといろんなことに気づいたと思います。


 (確かに食費が思ったよりかかったり、家事を全部一人でするのはとても大変なことに気づいたな。

  本当に親のありがたみを知れたよ)


  お兄ちゃんは自分がシスコンが気づけましたね?


 「いやなんでだよ、急に話の流れ変わったな」


  毎日の生活に足りないもの。それは私です。私もお兄ちゃんが足りません。もうこれ以上はお互い苦

  しくなるだけです。早く帰ってきてください。そして私に思いを伝えてください。これからの人生に

  私が必要だということ、そして妹を愛していることを自覚できたことを。帰ってきたらお母さんとお

  父さんにどれだけ私たちが本気なのかを伝えましょう。血が繋がっているかなんて関係あれません。

  婚姻届けも入れておきました。サインをして持ってきてください。十八時に小さいころに一緒によく

  遊んだ公園で待ってます。

                              お兄ちゃんの愛する妹 桜田凛より』


 天気予報を見ると十八時から一時間が雨の予報になっていた。


「あーもしもし母さん?十八時から雨降るみたいだから公園に傘持って迎えに行ってあげて」

「わかったわ」


 母さんも慣れているので何も聞かずに俺の話を理解してくれた。

 本のカバーを外すと妹物のライトノベルだった。

                                  

(本当に凛は…あれなんかまだある)


 凛が送ってきていた箱で見えていなかったが紙袋が入っていることに気づいた。

 凛がもう一つ送ってきたのかと考えたが、凛はいつも箱に入れて送ってくるためで凛ではない。


(誰からだろう…)


 そう思いながら紙袋を開き、ひっくり返して中身を出した。するとビニール袋に入ったあるものと手紙が入っていた。


(えっ…嘘だろ、これって…俺のお気に入りのパンツじゃないかっ!?)


 今朝失くしたと思っていたパンツが届けられていた。

 何か犯罪の匂いがする…。

 いやでも、もしかしたら俺がタンスに入れたのは気のせいで、干していたときに風に飛ばされて親切な人が届けてくれたのかもしれない。そうだ最初からそんな不審がるのはよくない。

 俺は紙袋に入っていた手紙を開く


『ありがとうございました、おいしかったです』


 アウトーーーーーーー!!!!


 これはあかん、あかんよ。

 何『ありがとうございました』って、いやそれ以上に、『おいしかったです』のほうがもっと意味が分からない。何、食べたの?俺のパンツ食べたの?そんなエロマンガのキャラみたいなやつがこの世にいるのか!?

 俺は一応パンツの安否を確認するためビニール袋を開ける。

 すると、ふわっと良い具合の甘い、いい香りが広がってくる。

「どこかで嗅いだことあるような…」と思ったがあいにく変態の知り合いはいないから気のせいだろう。


(それにしても良い洗剤使ってるんだな…いや何俺は感心してるんだよ。相手は俺のパンツを盗んで何 

 かしらのことをした変態だぞ!)


 一回俺は深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

 紙袋には俺の住所が載っていないので宅配などで送ったのではない…つまり夜中か俺が学校に行っている間に部屋に忍びこみ、タンスからパンツを盗んだあと、何かしらで使用して律儀に洗濯をしてかつ、手紙も書いて直接返しにきたのか…。

 警察に連絡をしようかとも思ったが、あまり大きな騒ぎにもしたくないため自分自身で犯人を探すことにする。それにまた忍び込んでくる可能性もあるし、忍び込んできたら犯人をそれで特定し捕まえたらいいし、もう忍び込んでこなかったらそれで解決だ。


「まあ今は考えても仕方がないか」


 俺は夕食の準備を始めた。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 短編の時から好きな作品なので連載嬉しいです、七宮さんみたいな変態美少女好きなので続きも楽しみに待ってます頑張って下さい
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