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【連載版】学校1の美少女が夜中に俺の部屋に侵入していた  作者: Rai
1章第2部 ツンデレな幼馴染は…
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第12話 食物連鎖

1000ptあざます。

「今日の授業もビデオを見てもらいたいと思います」


 クラスは「やったー!」などと喜びの声が上がる。世界史の授業では時々先生がお気に入りのビデオを持ってきて見せてくれる。もちろん世界史に関係するものだが普通に授業を受けるよりかは遥かに楽だからみんな嬉しいのだ。

 俺は嬉しくない。ちゃんと授業をやってくれ。職務怠慢で訴えてやろうかな。


「見えづらかったら席動かしていいから」


 先生のその言葉とともにクラスメイトは一気に動き始めテレビの近くを仲の良い友達と一緒に陣取っている。「小学生か!」とツッコミたくなるが、こういう純粋なところがこのクラスの良いところなのかもしれない。

 近くの人たちが前の方に行ってくれたが、テレビを近くで観れることにこしたことはないので俺も席を動かそう。

 俺は立ち上がろうとした時、右腕をがっしりと掴まれた。


「桜田くんどこいくの?」


 犯人はやはり七宮さんだった。

 笑顔ではあるがそれは優しい笑顔ではなくサイコパス的な恐怖の笑顔だ。七宮さんが瞳を開くと、光がなかった。某国民的ゲームなのでモンスターの技の一つである「くろいまなざし」で逃げれなくなるのかを身をもって理解した。


「いや~ちょっと前の方に行こうかと…」

「ここからでも十分良く観えるよ?」

「でも近くにこ…ここで大丈夫です」


「近くにこしたことはない」と言おうとしたが腕をさっきまでとは比べものにならないほどの力で掴まれた。まるで無数の鎖が俺に絡まり、椅子に固定されているみたいだ。いつの間に俺は大犯罪者になってしまったのか。

 抵抗すると死んでしまう未来が見えてしまったため俺は大人しくした。というか抵抗できなかった。ここでの絶対は七宮さんであるため俺に選択肢はない。


   ◇


「じーーーーーっ」


 今日はテレビなんかまったく目に入ってこない。七宮さんは昨日のように席を連結させて、じーーーーーっという効果音が出るほど見つめてくる。

 しかし、今日は昨日とは全く違う。

 クラスメイトや先生がテレビに集中していることをいいことに、俺の右腕を両手で組んできている。こんなの街中でデートしているバカップルしかしているところを見たことがない。身体と身体が少しでも触れ合うだけでも恥ずかしいのに胸が当たっているとなると脳が焼けてしまいそうだ。

 これでよく分かった。

 七宮さんは学校ではいつも通りになってくれるのではなく、誰かが見ていたらいつも通りになるのだ。

 つまり誰も見ていなかったらこんな事を平気でするのだ。

 美少女にこんなことされるのはとても喜ばしいのだが、七宮さんの本性を知った今では恐怖でしかない。


「フー」

「!?」


 いきなり耳に優しく息を吹かれた。

 俺は情けない声をあげそうになってしまったが、ギリギリで腕を組まれている反対の手で口を押さえた。クラスメイトや先生のほうを見るがテレビに熱中しすぎて気づいてないようだ。


「何するの!?」


 俺は小声ではあるが訴えるように七宮さんにツッコミをいれる。

 

「だって…桜田くん全然わたしのこと見てくれないんだもん」


 表情は顔を見ていないため分からないが、声色で寂しそうにしているのがわかる。昨日とは違い顔が近すぎて、恥ずかしく見ることがてできない。

 横に振り向いたら七宮さん以外何も見えないくらい近いのだ。


「もしも誰かにこんなところ見られたらどうするの?」

「その時は…責任…とってね?」

  

 顔を赤くしモジモジしながら上目遣いでそんなこと言われたら、思春期の男の子のためいけない妄想をしてしまう。


「というか既成事実をつくりたい」

「いやいやいやダメだよそんなの!?」


 俺の下半身を凝視しながら爆弾発言をする。冗談ではなく目が本気だ。心なしか瞳の中にハートが見える。

 そんなに見られていると恥ずかしい。ピュアな子だからそっとしといて!


「今はまだ我慢できてるけど後どのぐらい我慢できるかな…早く桜田くんを襲いたいし、襲われたい…」

「頑張って!我慢して!欲に負けないで!?」

「今のところは桜田くんのパンツのおかげで我慢できてるけど…もし我慢できなくなったら…」


 七宮さんはじゅるりと舌舐めずりをした。七宮さんは肉食動物で、俺は草食動物だ。食物連鎖で完全に負けている。

 てかやっぱりパンツ盗ってたな。

 清らかな身体で高校を卒業するには七宮さんに一定のペースで貢ぎ物を用意しないとダメそうだ。

 


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