表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

Episode1-1

 「ふぅー、今日も仕事終わったー!」


 僕、神田 漣(かんだ れん)はいつも通り仕事を終えて帰宅しようとしていた。そしてその途中いつものように幼馴染みに呼び止められるんだ。


 「れーんー!一緒に帰ろ?」


 「いいけどさ、他に一緒に帰ったりとかする人いないの?」


 「そういう漣だって私以外にいるの?」


 「うげ、それ言われたら何も言えないけどさ」


 「でしょ?ほら、一緒に帰ってあげてるかわいい幼馴染みに感謝しなさい!」


 「……いつもありがと、凛」


 「……こちらこそだよ、漣」


 正直に言う、僕はこの幼馴染み、群道 凛華(ぐんどう りんか)の事が好きだ。でもその気持ちは胸の奥にしまっている。それは彼女の身体に理由がある。


 「今日も病院だったんでしょ?どうだった?」


 「んー、あんまり良くはなかったかなぁ」


 「そっか……」


 「でも私にはRainさんがいるから!」


 「……そうだね」


 「漣も始めたら?みんカラ」


 「僕はいいよ」


 「ちぇーっ、漣と一緒に歌いたかったんだけどなぁ」


 「気が向いたらね?」


 「いいもんね!私はRainさんに名前も覚えてもらってるんだから!」


 「それは良かったね」


 「うん!じゃあ……また明日ね!」


 「うん、また明日」


 こうして凛華と別れた僕は一人暮らししているマンションに帰ってきた。ここから僕の、いや()()活動が始まる……



 私、群道凛華は漣くんと別れて自宅に戻るとすぐ、スマホでみんカラを開いた。みんカラっていうのは『みんなのカラオケ』っていうアプリの略称で家にいながらカラオケができたり、全国のみんカラユーザーと繋がれたりするもの。体が弱くってカラオケに行けない私にはうってつけのアプリだったから始めて1年、フォロワーさんも1000人を超えてすごく嬉しいんだ。そして何より、みんカラで見つけたRainさんっていうものすごく歌の上手い大手さんにも私の事を覚えてもらえてフォローまでしてくれてる。私の今の生きる活力をくれてるんだ!

 そして19時、今日もまた毎日この時間から始まるRainさんのルームが幕を開けた。


 「みんなこんばんは!今日も俺の枠に来てくれてありがと」


 Rainさんは既に5000人を超えるフォロワーさんを持っていて、始まってまだ5分も経たないうちに枠には10人を超える人がいた。でも、今日のRainさんの枠はいつもの歌枠とは違う枠だった……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ