02-019.ホーエンザルツブルク要塞の、微妙なラインです!
騎士には城がつきものだ。
なので無駄に続くぞ。
ホーエンザルツブルク要塞の西側城壁にあるレックトゥルムは、何故か拷問室経由で屋上の物見に登るルートである。
そして、下る時は観光客の渋滞を防ぐため出口専用の螺旋階段を使う。階段は人がすれ違える程広くないからだ。
階段を降りると、要塞北側の城壁内部通路に繋がる。人が並んで二人歩ける程度の細い通路には明り取りの窓が付いているのだが、外を覗けば城壁のかなり高い位置であることが判る。
通路の奥には「ザルツブルクの牡牛」と呼ばれるパイプオルガンが設置されている部屋を閲覧することが出来る。このパイプオルガンは1502年製作の自動演奏を可能としたシリンダー式オルガンで、城下へ刻を告げる鐘の代わりを務めていた。
音を鳴らすサービスがあってもよいと思われるが、観光客が閲覧の度に音を鳴らすと軽い騒音公害になる。なにしろ城下へ聞こえる音量である訳で。
楽器類は鳴らせてなんぼである。しかし、楽器構造や自動機械構造に興味があればよいが、大抵の女性陣の興味とベクトルは違うのだろう。歴史的道具を見るだけとなるため、へー、ふーん、とさらっと流され順路へ復帰する。
「ザルツブルクの牡牛」が設置されている部屋から下ると、聖ゲオルグ教会の脇から広場へ出る。
広場の中央付近には、1539年に建設された、ヴェネチアンフィルター貯水槽の汲み取り口がある。8面の大理石で囲われた井戸の様な見た目だが、今はフェンスで覆われて貯水槽から水を汲みだすことは出来ない。地下にある貯水槽は、縦横17m、深さ7.2mの大きさで、最大34万リットルの水を貯える。至る所の屋根の水を雨どいから地下のパイプへ集め、岩盤に砂利を敷き詰めた貯水槽へ送られる構造となっている。
それ以外にも城の要所要所で通路側面にアーチ状の空間があり、貯水池から水汲みをする井戸がある。こちらは、1502年ごろコイチャッハ大司教が造らせたもので、金属製のクレーンは19世紀に増設されたものだ。
「うーん。やぱり岩盤系のお山ヨ。地下水出ないから水貯めてるヨ。ここ、不自然に高さあるヨ。」
「確かにあっちの本丸も城壁の上に建ってるのに同じ高さの広場になってるな。」
「こちらの広場側は後から拡充されているんですよ。ほら、城の入り口に城壁と門塔があるでしょ? 砦の中に砦がある2重構造に変更されてるんです。」
「ああ、なるほど。広場の高さで地続きなのは城の入り口だけなのか。ある意味、別の城壁同士を橋で繋いでるような感じだな。」
「攻めツライヨ。城壁破ってもひとつ城壁あるヨ。2回城攻略すると同じヨ。」
「…ホントに城攻めする気ですか?」
「もしもの備えは大切ヨ!」
花花、稜堡での台詞再び。たいせつよー、とハルがRepeat after me.
その「もしも」が起こらないことを祈る。どんな「もしも」なのか皆目見当が付かないが。
「ちょっとキューエンブルク稜堡に出て見ましょうか。教会のお隣から出られますので。」
聖ゲオルグ教会の隣にある建物に要塞北東に位置するキューエンブルク稜堡への入り口が開いていた。
この稜堡から見下ろすと、裾野からホーエンザルツブルク要塞へ至るメンヒスベルク通り、中腹で関所の建物であるコイチャッハゲートを経由し、門塔、および正規の城郭入り口を一望できる。そして、メンヒス丘陵東側の終端には、ノンベルク修道院が目に入る。この修道院、時計塔の頂上にあるドームが赤色をしており、この付近の歴史ある建物の中では珍しい配色だ。
そのドームを指して、あかいおはな!、とハルが見つけたものを皆に見て欲しいらしく、何度も指差していた。彼が花と例えたのは、自宅の門替わりとなっているアーチに咲く、赤い薔薇の蕾を思い出したのだと思われる。確かに見ようによっては花の蕾にも見える。そして、城郭入り口からノンベルク修道院の南側面に辿り着く様に配置された一直線のレールを見て、でんしゃこないねー、と零していた。
「線路にしては随分と幅が細いな。」
「ナンかチッサイ電車しか走れないヨ。」
「電車というか、ケーブルカーです。物資輸送用なのですが今はほぼ動いていません。」
動いてないと聞いて残念そうな顔をするハルは、京姫に抱っこしてもらい、線路を覗いていた。
その線路を走るケーブルカーは走行距離180mで、何度も名前が登場したでコイチャッハ大司教が注力した要塞大改革の際、凡そ1500年ころ、最初は18mと言う短距離で製作されたと言う。キャプスタン(垂直軸回転機)にウィンチで回転速度を調整し、ロープを巻き上げて輸送車の上り下りを操作していた。後年、ノンベルク修道院が建立されて路線が延長された。一応、ヨーロッパ最古のケーブルカーらしいが、真偽のほどが定かではない。
現在は、小型トラックなどで大量に物資を搬送できるため、ケーブルカーもお役御免となっている。最近ではメンテナンス時にしか動かさなくなっている。
「そろそろ、お城の中に行きましょうか。今、入場制限数に空きがあるので直ぐ入れそうです。」
「おしろー!」
「城内か。西洋の城は初めてだ。どうなってるのか興味あるな。」
「進入路探すヨ!」
ティナは広場から城の門塔に向かって歩き出す。城に近づくと入り口付近以外、広場のは繋がっておらず、まるで広場自体も城壁の上部に広がる盆地であると見紛う。
「啊! 広場の高さ城壁と同じヨ! 隙間広いヨ! やぱり2回攻略が必要ヨ。」
「あの建物、飛び移れば屋根つたいで侵入できソウヨ…。」
花花は、城内入り口側で広場の端に立ち、下を覗いたり城までの距離を確認したりして出た言葉は、攻城戦を意識しているのだろうか。怪しげにブツブツと呟いている。
さっさと行きますよ、とティナは声をかけ、花花が駆け寄って合流した。放っていたら小脇に見える建物に飛び移っていたことだろう。
ここにも門塔があり、その下の入り口をくぐると、居城と城壁を繋ぐ内部空間に出る。要塞などの城壁から城までに至る中庭と同じものだ。
コイチャッハ大司教は、ホーエンザルツブルク要塞を他に類を見ない形で作り替えた。居城は、「HOHER STOCK」つまり、高層階と呼ばれている、代表的な後期ゴシック様式の邸宅に改築したのである。そして、居城自体を内部の砦としたのだ。
城内に入ると、直ぐ左手に上階へと昇る階段、右側の1階エリアは居城の反対側まで通路が続く防衛施設となっている。居城自体がホーエンザルツブルク要塞の北側城壁を兼ねているため、3つの銃眼へ砲が1機ずつ設けられている。砲を発射するサイズの銃眼であるため、外部からの侵入口として利用される可能性がある。しかし、この要塞はメンヒス丘陵の頂上に建設されており、北側城壁へ取り付くにはハーケンとザイルを使って山登りをするレベルの難易度があり現実的ではない。
「大砲あるヨ! 弾どこヨ! アパム、アパム、弾よこせ、ヨ!」
「撃てませんて。そもそもどこを狙うつもりですか? と言うか、16世紀の大砲がどこまで飛距離を出すんでしょう。」
「たいほー、うつの?」
「撃たないよ。撃つなら花花を砲弾にしよう。よく飛ぶぞ。」
「撃ってもかってに帰ってくる弾ですね。ある意味エコです。」
「ナンかヒドイこと言われてるヨ!」
敵陣に打ち込んだら砲弾よりも戦果を挙げて帰って来そうな弾が何かを言っている。
そのまま奥へ進むと、左手側にマリオネット博物館がある。
ここで展示されているマリオネットは、世界的に有名なザルツブルク・マリオネット劇場で実際に使われていたものだ。オペラッタを人形劇で再現する非常に芸術性が高い舞台である。
博物館内は間接照明でほの暗く、ほんのりと人形たちが照らされる情景は、遊園地などのホラー系アトラクションに通じるものがある。
幾つも在るガラスケース内には、演目の1シーンが再現して展示されており、ライトアップされた人形達が館内の照明に相反して浮き出る様に静かに佇む。
見学者が自由に操作して良い人形は、十字の形をした操り板がフックのついた金属ポールに引っ掛けられているものになる。
「ちょっと怖いな、ここは。もっと可愛らしい人形があるものと思ってたんだが…。」
「おにんぎょーさん、ひもついてるよ?」
「このヒモで動かすヨ。」
花花は器用にマリオネットを操って見せた。むろん、人形が取った動作が何なのか見て判る程度の表現である。そもそも操り板が1つなので複雑な動きはできない。
人形がお辞儀や飛んだり跳ねたりする様子をみて、ハルは歓声を上げたり、パチパチと拍手をする。
「うーん、テレージアがいたら良かったですね。」
何気なく呟いたティナに、花花と京姫が反応する。
「テレージア? なんでだ?」
「ドリルがどーしたヨ?」
「いえ、彼女、人形繰りが巧いんですよ。片手で1体ずつ2体同時に操ってましたし。」
「ほう、予想外な特技だな。」
「1体でも大変ヨ。コレ、難しいヨ。」
「ハルもやるー!」
ハルの身長では操り用のヒモが長すぎて、マリオネットが今にも死にそうな行き倒れの様になったため、花花がハルを抱き上げて高さ調整をする。
その花花がテレージアをドリル呼びしているのを二人が自然に流しているので、いつもの呼び方なのであろう。呼ばれている本人は「ムキーッ」とか言いそうであるが。
操り板を上下に振ったり左右に揺らしたりと人形をピョンコピョンコ飛び跳ねさせるハル。うまいねー、とお姉ちゃん達に褒められて嬉しそうにクネクネする。人形遊びはまだ続いているのだが、ふと手を止めるハル。そして、操り板を片手に持ち、空いた手で糸を直接操作しだした。単純な動きしか出来ない人形が、片手や片脚が個別に動き出したのだった。
表現の幅が広がった人形繰りに、ハルは絶賛の嵐を受け、にへらと笑いながら再びクネクネするのだった。
こういった発想は、大人になると固定観念が先に来てしまうため気付き難くなる。判っていることでもイコールで繋がらないことは多々あるのだ。今回の場合、彼女達は「人形を操り板で動かす」と言う知識を持っていたため、糸を直接操作することを思い付かなかった。普段から身近に触れるものではない、且つ研鑽するべき対象ではないなどから知識のみが先行してしまった結果だ。
一頻り操り人形を堪能したあと、マリオネット博物館を後にする。
やはりホラー要素を狙っているとしか思えない館内構成であった。
1階入り口付近にあった階段から、2階の城塞博物館へ。
Festung Museum、Fürsten Zimmer、Rainer Museumと博物館の種類が3段に記載され、矢印が描かれた立て看板が目に入る。
順に訳すと、城塞博物館、領主居室、ライナー博物館である。
道なりに行くと最初は城塞博物館となっており、大型の空間投影スクリーンが見学者を出迎える。そこには、現在のホーエンザルツブルク要塞が空中から撮影された動画が流れており、ドローンによる様々な視点で撮られた映像は、それだけでも十分楽しめる。
館内でまず目に付くのは、ペーパークラフト製の居城。その側にはとても珍しい、陶器で出来たホーエンザルツブルク要塞。そして、城を建築する過程を再現した模型。脚組や木製のクレーンを使い手作業での建築工法だったことが伺える。700年かけて増改築しているので気が長い話である。
「凄いな。陶器で城を焼く発想はなかった。確かに陶器で出来た置物もあるのだし、不思議ではないな。」
「日本では、お城焼きなどなかったのですか? 姫路城とかお土産でありそうですけど。」
「お城焼き…。名物の食べ物みたいだな。陶器の城は見たことないぞ。探せばありそうかな?」
世界の名城ベスト何とかなどと、色々な国で似たような記事を見かけるのだが、姫路城はノイシュバンシュタイン城と共に選ばれる頻度が高く、世界的にも知られている。ティナの知見もその辺りから得たものと思われる。
「攻め落としてこその城ヨ。」
「花花は城攻めに拘りますね。」
「城攻めはロマンヨ。難攻不落を落としてコソヨ。」
胸元に両手を握りしめフンスと力説する花花。ポーズを真似てフンスとするハルが可愛らしいのだが、どう見ても悪影響だろう。
そのハルは、城の模型類には余り興味がない様だ。建築過程の模型に石材を積んだ馬車を見て、うまーうまー、と漏らしていたくらいだ。
壁には年代ごとのホーエンザルツブルク要塞の図が掲示されている。大きく変化した1077年、1150年、1350年、1495年、1515年、1619年と、徐々に増築されていった様子が判る。最終的には19世紀まで手が入っているが、その頃には外観に大きな変化をもたらす改築はない。レックトゥルムの中腹に拷問部屋を追加したり、貯水槽からの汲み取り井戸に金属製クレーンを付けたくらいだ。井戸のクレーンは金属製の柱2本と杭の様な金属の柱が1本刺さっている形状で、現代人から見るとどの様に使用するか見ただけでは判らない。別の設備に見えてしまう。
そのまま部屋続きに、当時の生活風景や調度品、食器等が展示されており、大司教が使用していた家具や装飾品なども展示してある。そして、至る所に当時の遺構が残されており、1077年当初のレンガ積みのアーチアーケードや城内教会跡など、触れれば朽ちてしまいそうだ。現在の居城はコンクリートで補強されているため、遺構との境目が否応なく歴史を感じさせる。
「これナニヨ? 使い方想像つかナイヨ。」
「うん。一体なんだ? 単なる飾りなのか宗教儀式的な祭具とかなのか…。」
大司教が使用していた調度品の中に、2段に箱が重ねられ、4つの脚で支えられた外観の物体がある。陶器で覆われていると見えるがレリーフの様に細工が施され、且つ非常にカラフル。東南アジア系の寺院に置いてあっても違和感がないだろう。
普段の生活で見ることのない物品に、花花のみならず京姫も不思議なものに遭遇した顔をしている。二人とも、この物体の正体は知識にはある筈である。しかし、いざ聞いても自分が知っている物とは結びつかないだろう。現在のアジア圏に、この形状では存在しないからだ。
「ストーブですよ。派手なのは中世に流行ったマヨリカ焼きのタイルを張り付けてるからです。」
「什么?」
「ストーブ? これが?」
「あったかくないよ?」
ハルはストーブに手をかざして首を傾げている。
「さすがに薪は焼べられていませんから。」
ティナはクスクスと笑いながらハルの頭を撫でる。
このストーブは、Kachelofenと呼ばれるクローズ式タイル張りストーブだ。陶製部位の放熱で部屋を暖める。大きさは様々で、天井に届くほど大きなものも存在する。
近代まではドイツのフェルテンが名産地として有名であり、ロシアなどに輸出されていた。中世の城などに観光に行けば、現存している陶器ストーブが展示されていることもある。
そして、マヨリカ焼き。イタリアの代表とする陶器である。独特のデザインと色彩に溢れているのが特徴だ。もっとも有名なのが男女の顔を模した壺だろう。謂れを聞くと昔話らしい結末で引いてしまうが。
唐突に、武器と鎧を装備した等身大の針金人形が、マリオネットの様に展示されている部屋に出る。
中世の武器と鎧については、彼女達には今更感がある。試合などで、もっと充実した装備を日頃から目にしているからだ。
「おにんぎょう、ひもついてる。うごく?」
「ざんねーん。あの子たちは動けないんですよ。ホラ、鎧や剣が重いからみんな紐で支えてもらってるんですよ?」
子供に「動かせない」と言い聞かせる理由はこんなものだろう。ちゃんと理由がないと、「なんで?なんで?」攻撃が始まるのだ。
何せ、ハルは先ほどマリオネットで遊んだ記憶がまだ新しく、「紐が付いている人形=動かせる」と言う思考になっているのである。
ふーんそうなんだー、とハルが納得したので上手く回避出来た模様。
何か言いたそうな花花と京姫のジト目は華麗にスルー。
次に入った部屋は、実際に使用されていたマスケット銃や刀剣が展示されていた。
フリントロック式短銃なども大量に展示されており、中には豪奢な装飾が施され、位の高かった者が使用していたと思われるものもあった。
問題は刀剣類。
剥き身の切っ先を透明な台座にはめ込み、柄を上に立てて展示してある。まち針が針山に刺さっているかの如く。
展示としてはスペースも取らず、確かに見易い。見易いのではあるが。
武器を扱う騎士としては、この展示方法は如何なものかと片眉が上がってしまう。
特に京姫は、繊細な日本の刀剣類を扱うため、刀身に注意が払えない展示方法に渋い顔をしている。
身近に騎士がいるハルは、刀剣類を目にする機会も多いため少しだけ興味を抱いた様ではある。
しかし、飾られた刀剣を見て、きれいくない、と一言発してプイッと他のものに目移りしている。
ハルの興味が削がれたのを見計らい、騎士の精神的にも余りよろしくない場所から移動することにしたのだが、次の部屋も如何したものかと考えてしまう展示物で犇めく。
まずは鉄で出来た仮面が数種。首輪部分が頑強に造られて、尚且つ蝶番で閉じて簡単には外せない構造になっている。蕾のような形をした金属の花弁を口に刺し込んでネジを回すと華が開き、強制的に口を開かせる道具など、どれもこれも罪人の懲罰器具や拷問器具である。その並びに金属の貞操帯。展示ケースの一番上に配置されており、下からの構造も見える様になっているのはレイアウト担当の性癖よるものだろうか。
部屋の角には木で出来た手枷、足枷などが並ぶ。実際、目にすると拘束具を破壊して脱走などは難しいだろうことが判る。
窓から陽の光が射している。そこに配置されている一人掛けのイスは、陽を浴びて寛ぐためのものではない。棘の付いたひじ掛けと、同じく棘の付いた板状の背もたれに手足を固定する鉄のリングが付いて、座面がない。強制的に座る形になるため、必ずひじ掛けと背もたれに体重がかかる様になっている。座型の拷問器具である。スペースの関係なのだろうが、展示の配置場所は他になかったのだろうかと考えてしまう。
ふと、徐に壁に掛かっている車輪が目に入る。しかしこれは、車裂きの刑を行使するためのものだ。オブジェライクに拷問器具が展示されている。
花花が、これ親指潰すヤツヨ~、などと呑気に漏らした言葉でハルが興味を持って覗き込むと言う、大変よろしくない状況が頻発したため、さっさと通り抜ける方針に。
通り抜けには京姫がハルを抱っこして運送。そのまま階段も運んでもらったハルは目線が高くなって上機嫌である。
なんだかんだと足早に辿り着いた3階のライナー博物館。
第一次世界大戦でロシアとの戦いに活躍したライナー大公連隊第59歩兵連隊に関連する展示物が並ぶ。
軍服を着たマネキンが幾つか並び、ショーケースにはライフルやハンドガン、軍用サーベルなどが展示されている。
シュワルツローゼ重機関銃の初期型と思われる水冷式の機関銃も展示してある。
だが、この博物館はミリタリーに興味がない限り感慨はないだろう。
ライナーさんて言う人がいたんだなぁレベルの感想ではないだろうか。
特に、彼女達は全く興味を持っていなかったので歩きながら流し見する程度で終わってしまった。
彼女達一行は、目玉となる大司教の居住区へ足を運ぶのであった。
ルーチンあとがき
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黒い星が★★★★★になるとウレシイですよ。
しかし、ブックマーク増えねぇなぁ。




