食事、そして食休み
マンティコア(仮)を無事に倒した僕は、
ザクリと剣を突き刺して獲物の背中に穴を開け筋肉を露出させる。
「生だけど......火がないし、まあいいや。」
お腹減ったし。
いただきます。
ガプッ
と絞めたてほやほやの血の滴る生肉に食らいついた。
口に広がる鉄っぽい血の味が美味しく感じる。
焼いた肉も美味しいけど、僕は生の方も好きらしい。
手を赤く染まったマンティコア(仮)の眼球に当てれば、ゆっくりだが蠢いて指に戻ってくる赤色。
それを待ちながら僕はどんどん肉を食べていった。
時々気分転換に皮を食べたり、しっぽにある猛毒を含んでいるっぽい針を齧る。
多少の猛毒程度、僕には関係ない。
ちょっと口の端が溶けたけどもう効かないので気にせず食べる。
内臓は一齧りしたら苦かったので放置。
そうやって食べ続けていくと、徐々に僕の髪は固く、しなやかになり、爪は鋭くなる。
毒の溶けた体液が全身をめぐり、視力もよくなる。
「ふう。」
これでしばらくは大丈夫だね。
ご馳走様でした。
いつの間にか朝になっていたので、僕はゆっくり歩き始める。
そして川の流れているところを見つけて顔と手の汚れを落とし、草の生えている少し開けた場所で横になる。
いやぁ、全身の変異は疲れるね。
おやすみ。
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