保護者
「落ち着いた?」
「うん。」
「そっか。じゃあさっきの質問だけど、フィーは何がしたい?」
「......わかんない。」
まだいろんな感情で頭が回らないのかな?
じゃあ、
「例えば......親戚が別の村にいるからそっちにいきたいとか?」
そう聞けばフィーはブンブンと首を横に振る
その様子だといなさそうだね。
「あとは......冒険者になりたいとか。」
ブンブン。
ふむ、
「誰か引き取ってもらえる家の子になるとか。」
ブンブン。
ん~?
正直こんぐらいしか思い付かない。
最終手段として僕が引き取るって言うのもあるね。
なんだかんだお金はあるし。
移植した肉片関係のトラブルがあっても対応できるし。
一応言ってみるか。
「僕が引き取るっていうのは?」
そう聞いた瞬間、フィーはピタリと動きを止め、おずおずとこっちを見上げてきた。
「......いいの?」
「......逆に聞くけど、こんな得体の知れない冒険者を信用して良いの?」
そんなにあっさりうなずいちゃって良いの!?
「ヒデ......悪い人じゃない気がする。ここがあったかい。」
そう言ってフィーが指し示すのは己の心臓。
僕の肉片がなにやら作用して、親近感を抱かせているのかな?
それとも本体と合流しようとする本能が残っているのかな?
ま、いっか。
そういうわけなら僕は拒絶しない。
因みにフィーの心臓を貫通した傷跡は塞がってはいるものの、僕の肉片が融合したせいか表面が緋色の光沢を帯びている。
そっから少し魔力回廊がのびているし、僕を選んだのは案外いい選択かもね。
一般人の目には普通に気味悪いものだろうし。
「わかった。これからは一緒にいてあげる。」
安心して。
少なくとも君の寿命より僕は長生きするから。
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