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武器ゲット


 あれから五日、剣が完成する予定日になった。

 それまではマンティコアを一日一体程狩りながらのんびりしたよ。


 防具も買って胸には革の胸当て、額には鉢巻き状の額当て。

 非常に軽装なのでとても動きやすい。




 特に何も持たずマンティコアを狩ってくる僕が不思議だったのか聞いてきた人もいたけど、「身体強化して素手で殴った。」って言ったら皆黙ってどっか行ってしまった。

 解せぬ。



 唯一トムさんは笑いながら「お前なら英雄になれるかもな。」って褒めてくれた。

 本当にトムさんは話がわかる先輩だ。

 これからも大事にしよう。




 「どうも~」

 「おう、らっしゃい。出来ているぞ。代金は金貨35枚だ。」

 五枚は短剣分かな?

 ちょっと高いね。


 「ほれ、こっちが短剣だ。」

 とベンさんに渡された短剣......どっちかというとダガー?

 刀身が分厚いし、ちょっと大きめだ。

 僕の腕にある魔力回廊と同じ模様が浮かび上がっている。

 これは強そう。


 「で、こっちがグレートソードだ。少し重いぞ。」

 両手で渡されたそれの柄をつかみ、片手で適当に振る。

 うん、良い重さだね。

 こちらもすごく分厚い仕上がりになっている。



 しっかり頑丈に作ってくれたみたいだね。



 「グレートソードに魔力が通るか試してくれ。」

 

 魔力を通すって......こう?

 ああ、確かに通るね。


 これで念じるのか。


 じゃあまずは、



 「切れ味を良くして。」


 するとキィィンと音を立てながら輝き、光沢を帯び始める刀身。


 「やはり俺の勘は正しかった。」

 「みたいだね。」


 これができるまでに魔力回廊を付与された武器の効果をいくつか見たけど、ここまであからさまな変化はなかった。


 正常に機能しているのはわかったので、僕はあらかじめ考えていたことを念じる。




 ―――柔軟になれ―――

 と。



 途端に力を失ったかのように垂れ下がる刀身。

 しかしその鋭さに変化はない。

 所謂連接剣というやつだね。


 魔力の供給を止めると、思い出したかのように真っ直ぐになりながら固くなる。

 形状記憶もできるみたい。


 「すごいね、これ。」

 「おう、作った俺もビックリしたぞ。」

 

 本当にビックリだ。

 正直できるかどうか不安だったんだよね。



 「短剣の方も試してくれ。」


 「うん。」

 魔力を通してっと。



 ん?

 あれ?

 「? どうした?」

 少し焦った顔の僕を見て不思議そうな顔をするベンさん。


 「なんか......自分の体みたいなそんな感じがする。」

 しっくりくる何てものじゃない。

 刀身に当たる微かな風が感じられる。

 短剣自体の強度がわかる。

 何が切れるのかがわかる。

 まるで、


 これは僕の肉体そのものだ。

 試しにマンティコアの毒針になるよう念じると、形を変えずに材質と、垂れる毒だけマンティコアのそれになる。


 ガムルの爪を意識するとそれと同じ鋭さになる。


 「こ......これは......」

 ベンさんもその異質な変化を顎が外れんばかりに驚いている。





 魔法の世界は何があっても不思議じゃないと思っていたはずなんだけど、どうやら足りなかったみたいだ。


 まさか僕の生物学的特性を一部とはいえ持つ短剣になるとは思わなかった。

 「ベンさん、良い作品をどうもありがとう。」

 予想以上の結果だよ。

 金貨五枚を足そう。

 これには金貨十枚の価値はあるね。

 



 ただ、



 どんなに良い武器も使い手がヘッポコだったら意味がない。

 使いこなすためにも訓練はしないとね。



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