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98話 末妹の全てを堪能した

1,500ポイント、超えてましたぁー。

わぁいっ!

「秘剣、二の太刀、桜花繚乱っ!」


 おお。

 まさか、ただの逆手袈裟斬りにそんな技名が。


「技名は叫ぶものだって、メテル姉言ってたよねっ!」


 いや確かに?

 デビル耳な悪魔の時代から、ヒーローのお約束だけども。

 なんだよその、厨二全開な命名。


「他にもたくさん作ったから、全部見て欲しいなって!」


 今まさに、お前の全てを観てるとこだけどな、サラム。

 現在?

 大浴場、女湯、完全貸切中。

 オレは湯船でのんびり縁に、寄り掛かり。

 妹の元気なお風呂遊びを、微笑ましく眺めている。


 その、末妹は。

 マッパ全裸で、いろんなところを開けっぴろげに。

 野太刀と小太刀を、全力全開で振り回していたり。


 さっきまで?

 連続ウォータースライダーでキャーキャー言ってたのに。

 子供の体力、無限かっ。


 そして。


「つるつるなんだもんなあ……」

「言っちゃダメぇ!?」


 姉妹でなぜか、サラムだけ生えてないのです。

 困るもんでもなし?

 可愛いから、オレはいいけどな。

 サラム自身は、割と悩みのタネらしく。


「うー。鍛え方が、足りないのかなあ……」

「何をどう鍛えたら生えるんだよ」


 オレも、割と脳筋なのは自覚してるが。

 そろそろ、オレをお手本にするのをやめろ、サラムよ。


「メテル姉、強くて格好良くて綺麗で、ボクの目標だよ?」

「オレが綺麗って何の冗談……」


 言いかけて。

 あれ?

 オレ、ほんとに本物の美少女ツラなのか?

 お世辞とかじゃなく。


 そういえば。

 シルフィが全力で造形した、世界最高傑作?

 とか、さんざん自慢してたな。


 うーむ?

 まあ、中身は全然普通なおっさんなのだけども。


「あ、見つめるのは止めて欲しい」

「風呂場でまで目隠ししてられるかっ。じぃぃ」

「あぅん、ダメ、ダメだよメテル姉、こんなとこでっ」


 なんでそんな全身真っ赤にして興奮するんだ。

 オレ、見てるだけなんだぞ?

 ううむ。

 女の子は、本当に謎だなあ。


 さて。

 大浴場は、堪能したけども。

 風呂上がりの牛乳がないのが、残念すぎたな。


 ていうか。

 ドワーフさんたち以前に、精霊四種族の皆さん。

 肉食の習慣自体が、ないんですってよ。

 意外。


 オーガとか武闘派だから?

 森で動物狩りまくってるイメージあったんだけどな。


「鍛錬で森の動物と戦うことはよくあるけど、食べないよ」

「てか、魔物も居ないって?」

「魔物は魔力性でしょ? ここは精霊力に満ちてるから」

「ああ、なるほど。精霊獣……、幻獣が代わりに居るのか」


 世界樹の根っこと枝で囲まれてる大陸だから。

 むしろ、世界樹に帰属しない魔物が存在できないそうな。


 幻獣っていうのは、ペガサスやキメラみたいなの。

 魔物なんか比較にならんほど強いけど。

 精霊力を食べてるから、獣害? みたいなのはないって。


 ほんとに。

 オレとウンディ、無自覚にすげえもん産んでしまったな。


 で。

 そういうわけで?

 ドワーフさんたちが、オレに滞在して欲しく思う理由が。


「メテル姉って、精霊力の出力が莫大でしょ?」

「オレの精霊力が染み通った鉱石が、美味しくなるとか」


 道理で。

 ドーリンさんは、それほどでもなかったけど。

 ドワーフ族の皆さんが、オレを見つめる視線。

 あれは。


「オレ、美味しそうに見えてたわけね……」

「あ、分かる。ボクもオーガの人にたまに凝視されて」


 屈強なオーガの皆さんに囲まれる真っ白な肌のサラム。

 あれ?

 なんか、背徳的な美、みたいなイメージが。


「やだよ!? ボクはメテル姉がいいんだから!?」

「オレと何をどうしたいんだよお前は」


 赤面もじもじすんな。

 まったく。

 あんまり無防備だと、食っちまうぞオレが。


 まあ。

 オーガの皆さん、男性比率かなり多めだけど。

 あれは、どちらかというと?


 姫君に仕える臣下というか。

 ほんとの意味で、主君に仕える喜び?

 みたいなものを、感じたけどね。


 そういうことで。

 そろそろ、上に上がってみようか。


「上って?」

「上の方に居るだろ、シルフィが」

「ふぇ?」

「ああ、サラムはまだ感知できないか」


 湯気が溜まってぽたぽた水滴落ちてる天井。

 見上げて小首傾げてるサラム。

 サラムには、判らないみたいだけど。


 脱衣場の天井を通した、向こう側。

 地下都市の上に、シルフィが来てる気配がするぞ。


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