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78話 醤油、超重要

1,300pts超えましたっ。ありがとーございますぅぅぅ。

「くふぅ。しくしく……」

「も、申し訳なく……」

「いや、コチョウが悪いわけじゃないんだけども……」


 くすんくすん。

 そうだよな、和風に似てても、別の国。

 っていうか。

 砂漠気候なんだからして。

 料理も、なるべく水を使わない感じに進化しますよねぇ。


「帝国の米の食べ方は、昔からこうで」


 コチョウがほんとに申し訳なさそうに。

 いかんいかん。

 持て成してくれてるのに、失礼だろう。

 前世と同じ米を勝手に期待してたのが、間違いだった。


 そういうわけで。

 駐屯地で着替えて。

 近隣の街で、昼食中。

 い、いちおー、これもウンディ探しの一環なんですよ。

 た、たぶんっ。


 けども。

 ううむ。

 お米のご飯、なんかボソボソしてて。

 水が貴重だから、固めに炊くのが普通なんだなあ。

 これはむしろ、炊くよりも炒めた方が、合うかもな?


 お米自体も、なんか長細くて。

 タイ米? って言うんだっけ。

 たぶん、日本のお米とは、品種自体が違うんだと。


 まあ。

 現代日本のお米って、長年超絶、品種改良の賜物だし。

 全く同じものを期待したオレが、浅はかだったと。

 これでは、TKG……、卵かけご飯も出来ないなあ。


 いや、そもそも。

 生卵自体が、なくてですね。


「卵を生で食すと……、腹を壊しますので」


 うむり。

 アレは。

 衛生管理が凄まじく行き届いた現代日本ならではだった。

 そのうち、シルフィに頼んで滅菌魔法作って貰えば?

 でも、シルフィがTKGに興味持たないとなあ。


 むむぅ。

 予想外が、続くぅ。

 城に戻ったら、創作料理してみよ。

 そこまで上手くはないけど。

 オレだって、前世では多少、自炊してましたし。


 南方の沿岸部も、こんな感じの食事でせうか?


「南方では刺し身など、生魚料理が盛んですね」

「なんですと!?」


 全力で振り向いたら、コチョウが超びっくりしていた。

 いやだって、それは聞き捨てならないだろう!

 お刺身も、和食の特色ですよね!

 こいくち醤油と米酒で、きゅっと!!


「わ、これがソイ・ソースですかぁ。不思議な味ぃ」


 パサパサのご飯を、醤油にちょちょいと漬けてるリズ。

 そうだね、気にしてなかったけど。

 醤油も、王国にはなかったわな。

 でもリズ?

 それ、あまり褒められた食べ方ではないのよ?


「むぅぅ。それ以前にですねぇ、メテルお姉様っ!」


 え、箸?

 いや、普通に使えますよ、オレ。

 元が、日本人だからして。

 リズは、なんか苦戦してるな?

 無理せずに、フォークとスプーン使いなよ。


「驚きです。王国の方は、大抵がこれで躓きますのに」


 コチョウ、相変わらず驚きっぱなしだな。

 ふっふっふ。

 大豆一粒だって、摘めちゃうぜっ。


 ──もぐもぐ。

 醤油さえあれば、とりあえずは食べられるな米。

 醤油、超重要。

 ガロン単位で持ち帰りたいです。


「量は少ないですが、王国にも輸出しておりますよ」

「そこんとこ詳しく」


 ふむふむ?

 砂漠を越えるのに、荷馬車の走破性で難があるので。

 それで、輸出量が少なくなると。

 王国の国境付近でしか流通してないみたい、醤油。


 むむむ。

 砂漠、緑化しちゃえば早いんだろうなあ。

 オレの権能で出来なくはないんだろうけど。

 ──下手すると、帝国全土が砂塵に沈んだりなんだり。


 そうだった。

 それで、南に流れ着いたっていう漂着民を利用しようと。

 漂着民って、たくさん居るの?


「いえ、一人だけなのです。漂着自体が不明点が多く」


 へぇ?

 難破した船の痕跡もなく。

 ただ、明らかな異種族、かつ他人種が。

 唐突に、海岸に居て保護した、と。


「奴隷の扱いですが、苦役ではなく、単に戸籍外なので」

「あ、そうなの? っていうか、戸籍があるんだ?」

「はい。帝国は民衆を全て戸籍で管理しています」


 なんでそんな労力を、って。

 人頭税、ってものがあって。

 村や街の税金をそれで統一してるから?

 戸籍が、納税に関して超重要らしい。


 なるほどなるほどぉ。

 なので、戸籍外のよそ者の扱いが?

 とりあえず、「奴隷」って括りに入っちゃうのね。


 奴隷って言っても?

 オレが想像する、人間以下の動物みたいな扱いでなく。

 戦争奴隷や犯罪奴隷みたいな、厳格な区別があり。

 強制労働とかさせようものなら、使役側が罰せられると。

 ほむほむ。

 それなら、酷い目には遭ってなさそう、なのかな?


「とんでもない! 帝国唯一の精霊使いですから!!」


 ほほぅ。

 超、大事に扱っていると。

 ただ。

 能力的に破格すぎるのと、異人種だから?

 むしろ、扱いに困惑気味、なのね。

 うんうん。

 朗報だなあ。

 で。

 ここから、まだ掛かるのかな?


「馬でなら半日ですが、町娘に扮しておりますので……」

「あ、そうか。馬や馬車で移動すると、目立っちゃうね」


 どうしようか。

 ちらり。

 こういうところ、リズの護衛さんたち、抜かりないよね?


 見るからにごつい、帯剣した護衛騎士さんたち。

 待つこと数時間。

 隊商に扮して、オレらを迎えてくれたのでした。

 相変わらず、手際のいい化け方。

 でも、頑なに帯剣状態を維持するのは何故なのかな。


 まあ。

 ただいま。

 オレの気分は、水戸の老人集団。

 お供は女子二名だけども。

 うん。

 道中、世直ししちゃったり、しちゃうかもねー?


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