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63話 次女が郷愁してるぽい

1,100ポイントありがとーございまぁす!

ちょっと切りが良いとこで切ったので、普段より短めですー。

『Ai! laurië lantar lassi súrinen, yéni únótimë……』


 む?

 聞き覚えのある声。

 というか。

 この歌詞は、エルフ語だな?

 シルフィの、転生前の言葉らしい。


 聞き慣れた声に、慣れ親しんだ【ウィンドボイス】の術。

 どうも、ノリノリでシルフィが歌ってるぽい。

 ……どこかで。


 軽く意味は分かる、けども。

 ……君ら、なんで泣くし?


「なんでだか分かんねえんだけどよ、心が震えて」

「懐かしいような、不思議な感覚でございます」


 既に号泣ですね、レイドさんにラスティ。

 ううむ。

 風の大精霊シルフィの、権能の一部だな。

 声に感情を乗せて、聞く者全てに完全共感させる的な。


 ハンカチ持ち歩かない系女子なオレ、どうしようもない。


 まあ。

 着替えというか?

 元の衣装を取り戻してからの脱出が、慌ただしかったし。


 ──大騒動になっちゃった、地霊殿を後にして。

 向かった先は、風霊殿。

 王都の四隅に十字に四大精霊殿が配置されてるので。

 オレにしては珍しく、道に迷わなかった。


 で。

 裏路地を出て、風霊殿に続く、大路に入るなり。

 この、惨状ですよ。


「道行く人、みんな泣いてんじゃんよ」

「泣かずにはいられないでしょう。もはや、呪歌です」


 呪いの歌?

 そうじゃない、と。


 吟遊詩人の歌唱による魔法詠唱を、呪歌って言うらしい。

 ほむほむ。

 ひとつ賢くなったぞっ。


「けどよ? なんでまた、シルフィちゃん、歌ってんだ?」

「どうせ、なんかノセられたんだと思いますけどねえ」


 あの、お調子者の次女め。


 まあ?

 あいつが本気で歌声を響かせたら。

 ──大陸全土、隅々まで声が届いてしまうからなあ。


 周りを見渡すに。

 被害? は、大通り周辺に留まってるし。

 多少は、あいつも考えてるんだろうな、と。


「じゃ、オレ、霊殿入るけど……、ラスティ、どうする?」

「あ。では私、ここで一旦、お暇を?」


 うん、分かった。

 ついでだから、マークさんコルトさんを探しておいて。

 ……あんなんなっちゃってるセラさんを、回収しないと。


 オレはまあ、困らないとは思うんだけど。

 あのまんまほっとくと?

 セラさんの知り合い全員が、巻き込まれるような気が。


「慧眼ですわ、さすがメテル様!」

「同じパーティだとバレたくないな、全くよ」


 あのトラブルメーカーめ。

 なんて吐き捨てるレイドさんが。

 なんか、無理して背伸びしてる男の子に見えて。


 ──いや。

 言っちゃいけないし、やっちゃいけないのは分かってる。


 でも。

 なんというか、この!

 抱きしめたいくらいに、可愛いと思う気持ちを!

 どうすれバインダー!!??


『Nai elyë hiruva. Namárië! …………Namárië!!』


 おっと。

 レイドさんの姿に欲情してるうちに?

 シルフィの歌が、終わってしまった。


 いや、まあ、あいつ曲のレパートリー多いから。

 ほっとくとまだまだ歌う、とは思うんだけど。


「じゃあ。落ち着いたところで、行きますかぁ」

「はぁー。何だったんだ、今の? 鼻水が」


 ううっ。

 お鼻チーンしてあげたい衝動。

 抑えるのに、酷く苦労した。


 オレは別に、おねショタじゃなかったはずなんだけども。

 ショタ化したレイドさん、ヤバすぎると思います!


 それは、ともかく。

 早く、シルフィを見つけて?

 レイドさんを、元に戻さないと。


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