表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/200

50話 そして、オレは攫われた

900ポイント突破しましたぁっ!

ありがとございまするっ!!

「ぉぉお? でけぇー」


 と。

 ひたすら驚くオレ。

 王都に着いた、第一声でした。


 しつこく引き留めるじーちゃんばーちゃんを振り切り。

 姉妹四人に親父殿と御母君、ようやくの到着なのだ。


 精霊のオレらが離れると、ばーちゃんの姿が消えるので。

 じーちゃん的には、ずっと居て欲しかったみたい。


 まあ、そういうわけにも行かないんだけどね。

 オレらにも、目的があるわけだし。


 でもね、じーちゃん?

 姿が見えないだけで、ばーちゃんは傍に居るんだよ。

 一応、シルフィと御母君と親父殿が、共同で?

 ウィジャ板みたいな意思疎通ツールを作って置いて来た。


 けどまあ、帰りもまた寄るので?

 おばーちゃんの艷姿は、それまで我慢して下さいな。


 それは、ともかくとしてっ。

 いやほんとに、こんな大きい人間の街、初めて見た。

 この世界での話だけどね。

 前世で言えば、練馬区くらいだろうか。


 そう考えるとなんだか?

 王都の中央にででーんとそびえる、王宮。

 練馬区役所に、見えて来たりしたりしなかったり。

 いや、高さはともかく敷地面積は、数倍はあるかな?


 グレイパレスがある親父殿の街の、三~四倍はある。

 比較的古い歴史があるのか、家々や城壁の壁は古い。

 土精霊くんたちに尋ねると、だいたい千年ほど前の築城。


 なるほど歴史ある王都っていうか。

 この王国って、そんなに前からあったんだなあ?

 千年前っていうと。

 サラムの癇癪癖が、収まってきたくらいか?


「い、今はおとなしいもんっ、ボク!」


 今も昔も、変わらず可愛いぞ、サラムは。

 ──なんで、全開で真っ赤になるんだよ。

 まっすぐオレの目を見るんだ、ほら。


「めーちゃん、それいじめに近い。自分の美貌を理解して」

「いやオレ普通……」

「我思う。めーねぇと対面、暴力だと知るべき」


 全員で顔背けられた。

 なんでだ、くそぅ。

 なお。

 オレの今の姿は、男装女騎士プラス、目隠しベール。

 目を合わせるっていうか、目線が行方不明なんだけど?


「「「目線以前に、顔を合わせるのがもう至難」」」


 姉妹三人で口を揃えるんじゃねえよ、ちくせぅー!


 で。

 そんな大きさの、でっかい王都だけど。

 街を歩き回ることはなく、そのまま馬車ごと王宮内へ。

 護衛でついてきてくれた、セラさんたち。

 そちらは、ここで一旦お別れ。


 後で行く用事があるので。

 地霊殿の様子見、を頼んでおいた。

 あと、迷宮で別れたっきりな、ラスティの動向も。


 あんだけ忠誠心高かった、ラスティ。

 あれっきり連絡途絶えてるの、なんか不自然に感じる。


 で。

 御母君が現国王の妹、王妹ということで。

 城内に専用の居室っていうか、塔を持っているそうだ。

 というか、王族専用の御用門があって。

 そちらを通過して、一般と隔離された別棟へ入った。


 今は、オレら家族のみで。

 馬車から降りて、長い長い通路を上がっている。

 天井、マジで高ぇー。


 今、通路を歩いているのは。

 こういう面子で帰還したよ、って周知の意味合いだって。

 馬車を降りてから、結構な距離をのんびりと歩くのは。

 王宮の方でも、まだいろいろ歓迎準備があるんだってさ。


 一ヶ月も前から、王都、王宮に行くって連絡してるのに。

 この期に及んでもまだ、何か準備してる、っていうのは。

 ──社交界デビューだとか?

 オレにとっては不吉なイベントの、前触れみたいで怖い。


「さあ、上ばかり見てないのよ、おのぼりさん」


 ふっ。

 上なんか見なくたって。

 オレの権能なら、全周視界ですよ御母君っ。


 と。

 ごんっ!


「おっと、悪い。大丈夫かお嬢さん?」

「ふぇ、らいじょうぶれふ。ひたたた」


 視界あちこちに飛ばしてたら。

 思いっきり、鎧の騎士さんに鼻からぶつかってしまった。

 転移視界の使用中は、周囲よく見えてないからな、オレ。


 ていうか、王族専用通路、って言っても。

 普通に、王宮内を警護してる王宮騎士さんたちとか?

 文官らしきお役人さんが、たくさん行き交ってる。

 よそ見しまくってた、オレが一方的に悪い。


 ご、ごめんなさいっ。


「顔か? 美少女の顔に傷でも残ったら大変だ、どれ!」

「ひぁっ!? いえ、だ、大丈夫ですので?!」


 こ、これが女性陣羨望の!?

 白馬の騎士の、お姫様抱っこか!!

 ……いや、オレ、別にお姫様じゃないんだけど!

 白馬っていうか、白銀の鎧騎士さんだけど!!


「って、ちょっ、平気だから、下ろしてぇ!?」

「なに、女性の体重など羽根の如し! 医務室はすぐだ!」

「メテルちゃん? 道に迷わないようにねー」


 後で様子見に行くから、ってにやにやしまくりの御母君!

 それは無理!

 天下御免の方向に不自由な長女だから、オレ!


 っていうか、誰か助けろ!?

 みんなして、生暖かい目で見送るなー!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

──少しでも面白いと思ったらっ。評価ボタンを押して頂けますと、感謝感激でございますっ。──


小説家になろう 勝手にランキング

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ