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21話 依頼請ける前から借金増えたぞ

総合300ポイント達成しましたっ。

みなさんのー、おかげですっ。

わあい、わぁい!!

今後ともっ、ウチの子たちをよろしくお願いしまするー。

「こんのぉ!」

「よしよし、上手い! 腕だけで振るな、全身を使え!」


 ぶぅん!

 両手に括り付けるように装備したそれ(・・)を、振り下ろす。

 マークさんに言われた通り、左腕を振る惰性で、回転。

 そのまま、右腕と、……蹴りも、おまけっ!


「足癖悪いなこのやろ! いいぞ、攻撃は連続し続けろ!」


 くっそー、笑いながら躱されるしっ!

 でもこれ、めっちゃくちゃ楽しい!


「まあ、これが一番使えるんじゃないか?」

「あー、そうですね。刃筋とかそういうの、関係ないし」


 両手両足使った四連撃、会心の一撃っ! だったのに。

 さすが現役冒険者のマークさん、軽々と全部避けられた。


「しかし、まあ。『両手装備の地金(じがね)』使いとはな」

「いやあ。あっはっは。なんか、相性いいんですよね金属」


 苦笑を隠せない、みたいなマークさんが爽やかすぎる。

 こちらも愛想笑いして、両手を軽く掲げる。


 つまり。

 オレが選択した、っていうか、使える武器としては。


『棍棒』


 と、そういうことだ。

 重量任せに、ただぶん殴る系の、超絶乱暴な。


 で。


 ぶっちゃけると、オレ、大地の精霊であるからして。

 大地に属する石や金属って、重さを感じないのよね。


「その見た目で、なんっつー怪力使いだっての」

「か、怪力ですか。あっはっは。家事担当ですし」

「数十キロの鉄塊を腕に括り付ける家事って何の修行だよ」


 ツボに入っちゃったのか、マークさん吹き出しちゃった。

 そんな、腹筋抑えなくたってー。


 ……握ると結局、剣の使い方に似る、ということで。

 なんか、武器というより両手両足使うことに。

 そういうわけで。

 オレの両腕には、革紐で乱雑に固定された地金がある。

 地金、つまりインゴット状態。

 精錬しただけ、何も形状つけてない真っ直ぐな金属棒。


 確かに。

 これなら全身使って連続攻撃できるから、剣より楽だ。


「中衛なら、武闘家のコルトに師事するといい」

「うぇっ」


 コルトさん。

 オレの全身を隅々まで堪能し遊ばされた、コルトさん。

 思わず、苦手意識が口をついて出たら。

 なんか、しみじみと納得されてしまう。


「今はあんな見た目だけど、昔はかっこよかったんだがな」

「昔? そんな長い付き合いなんです?」

「ああ、小さい頃は誰が見てもかっこいい自慢の兄で……」

「……え? ご兄弟?」


 あ。

 なんか、不味いこと聞いたかも。

 目に見えて狼狽したマークさんが、両手で口元押さえた。


 ……なんか、仕草が女の子っぽくて可愛い。

 と思ったけど、お口にチャック!

 これ以上、嫌われてる人数増やしてなるものか!

 唯一、まともに対面して話してくれる人なのにっ!!


「い、いや、そうだ、近所に住んでたんだよ!」

「ご近所さんなら知ってても不思議じゃないですね!」


 うんうん。

 ──そうか、兄弟だったのかあ。

 いや、言わないよ?

 他人様のプライベート情報ですもの。

 胸の奥に、そっとしまっておこう。


 それはともかく。


「で。何をガン見してるんでせうかね、あなた方は」


 なんか、ものすぎょい視線を背中に感じまして。


 セラさん、ムギリさん、あとサラム。

 サラムは、まあいつものことだけど。


「めー姉、かっこいい! ボクもやりたい!!」

「……いや、長女の威厳を保ちたいので勘弁してくれ」


 君、前々から思ってたけど攻撃系の武力万能だよね!?

 これ以上、得意技増やさなくていいから、真剣に!


 で。

 その他お二方の、唐突な注目の理由は。

 セラさん。

 ねえ、鼻血拭いてないで。

 シルフィの真似ですか、それ。


 え?

 なんです?

 声が小さくて。


「あのね、メテルちゃん?」

「はい?」

「背中とおしり、汗ですっごい透けてるの。……えっちぃ」


 すんげえ勢いで、オレはケツを両手で覆ったさ。

 そしたら。

 両腕の棍棒で、鍛冶屋の柱を一本なぎ倒してしまったよ。


 誠に、申し訳ない。

 見物料だとか遠慮なさらずに、ムギリさん。

 明日以降、改めて修繕させて頂きます。


 カネ稼ぎに冒険者やって、借金増やしてどうするオレ!?


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