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155話 リズの下着が、いやらしすぎた

「おお、珍しい場所で会うな、メテルや」

「オレが珍しいんじゃなく、叔父上がここに居る方が」


 叔父上。国王陛下。

 なんでか、ガチのフル武装で練兵場にいらっさる。


 王宮の中庭。

 入り口から入って、少し進んだ場所にあるんだけど。

 普段は、衛兵さんたちが武術訓練してるところ。


 今日は?

 なんか、叔父上に負かされたらしい衛兵さんたち。

 狭くもない石組みの台の脇で、ごろごろと死屍累々。


 ……あなた、そのお歳でどんだけの武威ですか。


「これでも、元は冒険者じゃてな。軽いものよ」


 かんらかんら。

 豪放に、剣を肩に担いで笑っておられます、陛下。


 と。

 師匠が、興味を抱いたようで。


「国王陛下とお見受け致す。お相手頂いても?」

「北の暗黒島、女王陛下とお見受け致す。願ってもない」


 ぴしり。

 叔父上。

 笑みを浮かべたまま、剣を正面に構えて、拝礼。


 オレの腕の中から。

 師匠が、ぴょいんと飛び出し。

 無手のまま、叔父上の前へ。


 って。

 え?

 師匠、そんな偉い人だったんです?


「だから、儂を何じゃと思っておったのじゃ、メテルや」

「甘味吸引吸血幼女」


 後で覚えておれっ。

 なんて。

 めちゃ凄まれましたが。


 ……幼女姿で、凄まれても。

 全然怖くない、というか。

 むしろ。

 可愛らしいんだよな、いちいち。


 とはいえ。

 どうも、ガチで一戦やるみたいなので。

 オレと、リズに、リズの護衛さんたち。

 そそくさと、盤外に、避難避難ー。


「では、本来の姿にて」

「重畳。音に聞こえた暗黒の技、拝見致す」


 ……なんか。

 師匠と叔父上、かっくいいー。

 英雄譚の観劇してる気分になってきた。

 うーん。

 ポップコーンとコーラが欲しいですね。


 で。


 片手を自分の目の前で、軽く振った師匠。

 全身が黒い霧に包まれた、と思ったら。

 どこから現れたのか、ってくらいの。

 妖艶な、美女に変身してしまわれた。


 ちょっと、師匠?

 その姿で、幼女のままの衣装。

 ぱっつんぱっつんで、超えろいんですけど?


「では。シルバーカリス・ブラッドレッド。推して参る!」

「応!」


 ごわぁん!

 ぶわぁぁぁっ!!


 無手だった師匠の、手に。

 いつの間にか、真っ赤に輝く槍が。

 あれ、魔法の槍なんだろうな。


 叔父上の方も。

 剣で槍の切っ先に合わせて、障壁を張ったっぽい。

 どんな戦闘技法ですか。


 お互いの魔力がぶつかった衝撃で。

 周囲に、暴風が渦巻く。

 そのまま、二度、三度と、ぶつかり合う。


 叔父上、ほんとにお年寄り?

 年齢を感じさせない、豪快な剣撃。

 それを、槍で軽々といなす師匠。


 見てるだけで、高度な魔法と武術の融合と分かる。

 これが、上位冒険者の戦いかあ。

 ために、なるなあ。


 ……。

 いま、リズ?

 ワンピース、胸までめくれなかった?


 ていうか。

 下着、めっちゃエロくないですか君。

 なんか、食い込みすぎで。

 もはや、縄と言ってもいいレベルの。


「ふふふ。コルトさんのお勧めの逸品ですよぅ」

「あの店ほんとに何売ってんだよマジで」


 メテルお姉様になら、全てお見せしてもいいですよ?

 なんて。

 いたずらっぽく言うリズ。

 この、小悪魔さんめ。


 そんなこと言う子は。

 こうだっ。


「きゃっ、あっ、えっ? あはっ、あはははは!!」


 ふむ。

 シルフィやリル辺りだと?

 なんか、変な声出して悶えるんだけど。


 リズの場合。

 ただひたすら、くすぐったいだけらしい。


 オレの、わきわき指。

 経験の、差って奴かね?


 しかし。

 リズ。

 ほんっとに、育ったよなあ。

 胸とか、これ重くないの?

 オレの、倍以上の質量あるよね。


「そうなんですよぅ。もう肩が凝って凝って……」

「どれどれ。うわ、マジ硬い。指が入んないぞ背中」


 ああん、気持ちいいですぅ。

 って。

 そんなに喜ばれると。

 全力で、指圧してやろう、という気になりますよね。


 もみもみ、もみもみっ。

 嬌声上げまくりの、リズの全身を。

 これでもかと、ほぐしまくってたら。


 ふと、視線を感じ。

 なんじゃらホイ?

 と。


「儂、真面目に戦闘する気が失せたわ……」

「メテルや。時と場所を弁えんか?」


 めっちゃ呆れた風の、師匠と叔父上。

 オレらを、並んで見下ろしておられた。


 え。

 これ、オレが悪いの?

 ご、ごめんなさい?


 と。

 そんな感じで。

 師匠と叔父上の、練習試合。

 なし崩し的に、終わりましたとさ。


「ていうか。お知り合いなの、お二人?」

「直接会うのは初じゃが。お主の父繋がりじゃな」

「王太子時代に、何度か旅の助言を頂いたことがある」


 へえ。

 叔父上が、国王になる以前って。

 確か、親父殿と一緒に大陸を巡ったんだよね?

 もしかして。

 師匠からも?

 親父殿の、当時のことを聞けたり?


「無論じゃ。その頃からあやつ、儂の弟子じゃぞ」

「当時の奴は、通称が黒の魔王でなあ」


 なんですか、その気になりすぎるお話。

 ねねね?

 叔父上?

 師匠も、交えて?

 またお話、聞かせて下さりませんのこと?


「良いとも。ここでは何じゃ、茶でも飲むか」


 わぁい!

 師匠も、いいよね?


 と、いうわけで。

 国王陛下の、居室に。

 お呼ばれ、しちゃいませうー!


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