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嫌煙モンスター  作者: ポセイン
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こうして、嫌煙者は増えていく!

嫌煙者というと、喫煙者にとっては、正にモンスターであろう。

しかし、マナーを守らない喫煙者が多いからこそ、嫌煙者は増えている。


ここでまた、火種になりそうな「加熱式タバコ」が出てきた!

マナーを守らない喫煙者が多く、禁煙のタクシー車内等で、断りもなく吸っている。

常識を疑う行為である。この辺りは、広く世間に知らせる必要がある。

エピソード21


この日も、恵子は朝から、不快を感じていた。

朝の通勤時に駅に行く途中の道で、前を行くおじさんが歩行喫煙をしている。

この地区は、歩行喫煙禁止なのに、ニコチン依存症の男性の歩行喫煙が多い。


距離を置いて歩くには、電車までの時間がない。


何とか歩道の広いところで追い越したのだが、

おじさんの吐き出す煙を少し吸い込んでしまった。



咳が、出てしまった。ヤバいと思った。

彼らは、ほとんどが自己中である。


案の定、「わざと、せきしてんじゃねー!」と、どなっていた。


無視して、ふりむきもせず、何とかいつもの電車にのれた。


地下鉄の各駅停車で、わずか5駅である。

家を出てから、会社までの30分、

電車に乗っている時間は、12分位。


10時出勤なので、車内は座れはしないが、立っている人はまばらである。

5駅なので、恵子も立っていた。


普段は静かな車内で、ビジネスマンが何やら大きな声で喋っている。


「俺が乗った、タクシーの運ちゃんさぁ、わからないんだぜ俺がアイコス吸ってんのがさ!」

「ま、最近出来たばかりだからな。においも違うし。窓少し開けときゃわかんねーんじゃね?」

「これさぁ、ダメな場所でもわからねーから吸い放題だよな!」


こんなことを言っているのが聞こえてきた。


ん?ん?アイコス?なに?


恵子は、この人たち何言っているんだろう?と思ったが。

もう、降りる駅である。


会社について、仕事が始まるとすっかり忘れてしまっていた。


恵子の仕事は、ホームページの企画や作成。

営業で客先に出向き、ニュアンスを企画に構成するなど、

結構、ストレスもある仕事ではある。


今日も、定期更新の会議が、午後にある。

小さな会社だが、社長のワンマン経営が今のところいい方向に向いていて、収益を上げている。


今回は、ちょこっとした変更なので、一人で行くことになっていた。


「社長、お久しぶりです。」

「ああ、恵ちゃん。今回も速攻で頼むよ。」


もう、2年になるかな?社長は、私のことを「恵ちゃん」と呼ぶようになっていた。


席について、話を始めると、

社長がおもむろにガラケーのような何かを取り出した。


側面のLEDが光っている。


「社長、それは何ですか?」と、聞くと


「これはね、最近できたアイコスというタバコなんだよ。」

「恵ちゃんが、気管支が弱いということで、いつもは会議の前に別のところでイップクしてたんだが、今日はさっきまで電話しててね。」

「副流煙は出ないみたいだから、ちょっと一本吸わせてもらうよ。」


と、言ってパカッと、ふたを開けて何やら棒状のものを中から出し、小さい短いタバコのようなものを差し込んでいる。


こっちも、何かLEDが光っている。


私は、「タバコはちょっと」と、不快感を持って言ったのだが。


「まー、どういうものか体験しておけば、今後の君の仕事にも役立つかもしれないよ。」

と言って吸い始めた。


「何、この匂い?ポップコーン?燻製卵?でもなんか独特の匂いですね?」

「そーなんだよ。加熱式煙草と言ってね。電気ヒーターでタバコの葉っぱをニコチンが気化するくらいに加熱して、その蒸気を吸うんだよ。」

「そーなんですか、手で包み込むと吸っているのかは、わからないですね。でもなんかやな感じがします。換気扇回して窓開けてもらっていいですか?ちょっとむせちゃいます。ゴホゴホ。」というと。

「ああすまない、換気扇を回そう、窓開けるの恵ちゃんも手伝っておくれ。」


真夏の暑い日に窓を開けなきゃならないなんて最悪!


「あああー、思い出した!今朝電車の中でサラリーマンが言ってた。出たばかりでにおいも違うからわからないんだって!」

「こういうことだったんですね!私もですけど、タバコを吸わない人は、こういうタバコが出来たことすら知らないですもんね?」

「帰ったらインターネットで調べてみますね。社長のところも地球環境に良いと言う商品なんだから社長が禁煙したほうが良いですよ!」


恵ちゃんと、呼んでくれる仲だから言えることだなと、ちょっと反省と思っていると。


「そうなんだよ、喫煙者は今や成人の2割位、成人女性は1割を超えて増えているらしいが、肩身も狭いし辞めようとは思っているんだよ。」


「そうですよ、やめたほうが良いですよ。今朝のサラリーマンのように、どこでも吸っているなら、知らない人は、こんな臭いがすることも知らないし、吐き出す息にニコチンやヤバい成分があることもしらないんですもんね。」


「今のタクシーの中って禁煙なのに吸うなんて許せないですよね。女性や子供、妊娠している人の前でも吸っているかもしれない。」

「社長も吸うなら、せめて換気扇回して換気扇の下でお願いしますね。」


「そうするよ!販売している商品にも悪いからね!、マナーにも気をつけるよ、禁煙の場所では吸わないでおこう。いや、禁煙に取り組もうと思う。恵ちゃんの様子を見て、決心がついたよ!」

「実はね、この匂い、なかなか消えないんだよ。この匂いがアイコスの匂いだとわかるようになれば、来店客にわかり、ひょっとすると商品イメージにもよくないかもしれないからね。」

「それに、喫煙者を採用しない会社も、出てきていてね。観光系の会社なんだが、喫煙場所がいらない、喫煙する時間も必要ないから企業競争力が上がるということのようだよ。うちも見習おうと思う。それにはまず、社長が禁煙しないとね。社長が喫煙者じゃ話にならないからね。」

「幸いなことに、先月辞めて、田舎に帰って家を継いだ、営業の山中君と私の2人だけが喫煙者だったから、私がタバコをやめれば全員が吸わないということだからね。」


この会社は、まだまだ発展していきそうだな。と感じて。

「じゃぁ社長、ホームページの求人のところ、考えておきますね。」そう言うと

「恵ちゃん商売うまいね、よろしく頼むよ。」と、言われた。


渡された、資料でのホームページの修正確認が終わり、帰り際

「求人のとこは、雇用機会均等法などに、触れないように頼むよ。」

社長、本気だ! 私も本気で考えなきゃ!

「任せてください。修正が終わった時と、求人案が出来たとき、連絡します。」

「頼んだよ。」

「では、失礼いたします。」

と、出てから、ちょっとのどが腫れている感じがするな。駅のトイレでうがいしよう。


会社に戻る道すがら、時々アイコスの臭いがする。結構吸っている人いるんだな。

煙は、全然見えないし、手のひらで覆ってしまえばわからないなんて知らない人から見るとひどいなとおもう。


これは、きちんと情報を伝える必要があるなと改めて感じた。


こうして、恵子は、この後、普通の嫌煙者から、スーパー嫌煙者、嫌煙モンスターへと成長していくのであった。


エピソード21、END


タバコを、やめろ!とは、言いませんが、やめたほうが良いですよ!とは言います!


喫煙者の方が、マナーを守って禁煙の場所で吸わないようになるまで、連載を頑張ろうと思います。


(果たして、連載をやめられる日は、来るのだろうか?)

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