あきのひ
あきがきて。
かぜもすずしくなります。
かもちゃんも、おそらをとべるようになって。
どこか、とおくにいってしまった
おとうさんのゆくえをさがしたい、そう
おもう、かもちゃんでした。
おかあさんは、そういうものなのよ、と
かもちゃんを、やさしくなぐさめるのです。
どうやら、かもちゃんのおとうさんは
どこかとおくのくにへ、とんでいってしまった
らしいのです。
いつか、ぼくもそんなふうに
とんでいってしまうのだろうか、と
かもちゃんはおもいます。
ずっと、このおいけで
おくさんと、こどもたちといっしょに
なかよくくらしていければいいのに、と
そんなふうにおもう、かもちゃんでした。
そのことを、かめさんにたずねるのです。
かめさんは
「そういうものだよ。あたらしいところで
ひろいところで、のんびりくらしたいって
おもう、そういうきもちでね。
こがめや、まごがめでも、このおいけから
たびにでた、かめ、もいるな。
みんな、もどらない。そういうものだよ。」と
かめさんは、こうらをほしながら
きしべで、そういうのです。
かもちゃんは、「なかよく、くらしていけないのですか?」と、かなしいきもちになるのです。
「そんなこともないけれど、およいでいても
ぶつかればいたいし、きをつかうし。
ひとりでせいいっぱいおよぎたいと
わしも、おもうときもある。
おそらをとぶなら、なおさら、じゃないかな。
たべものだって、このおいけでは
わしらくらいでせいいっぱいだ。
ふゆになって、たべものがなくなれば
わしらはねむってくらすけれど
かもちゃんは、そうはいかんだろう?」と
かめさんはいいました。
ひろいところで、しずかにくらして。
そうか。かめさん、、こがめさんたち
まごかめさんたちが、ここでくらしていくのに
たべものが、たりなくなったら。
かもちゃんは、とんでいけばいいけれど。
とんでいけない、かめさんたちは
ここで、くらしていくしか、できないのですね。
かもちゃんは、さとりました。
わたりとりのいきかた、かめのいきかた。
それぞれにあるけれど。
なかよく、くらしていくには
ひととき、おわかれをするときもあるのだな、と。
「ふゆがきたら、しばしのおわかれだ。
わしらは、ふゆのあいだ、ねむる。
かもちゃんは、とんでおいき。たびは、
それなりにたのしいぞ」と、かめさんは
いいました。
にっこり。




