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3話 ~紗生のため息~

「あら、先生何ですかその後ろのゴミ虫は」



「新しい奴隷が来ましたわね。全く使えなさそうですわ」



「......何か来た」



対人部なる部活が活動をしていると聞いた教室のドアを開けた瞬間これだった。


え、何これすっげー泣きそうなんだけど。


泣いていいよね? これは。



「そう敵視するな。彼はここの新しい部員になるかもしれない如月だ。仲良くしてやってくれ」



「あ、そっかなるほど。またこの学校に新しいぼっちが増えたんだ。お気の毒に」



「貴方もそのお気の毒なぼっちの一人ではなくって? 可哀想な人ですわね(笑)」



「お前もぼっちじゃん(笑)ですわとかマジでイタタタタタ~(笑)」



「わ、わたくしはこの学校の人間のレベルが低すぎるから、あえて親しい人を作ってないだけですわ! 貴方こそその陰湿な話し方なんとかなりませんの!? 下品ですわよ!」



...うわー。俺、友達いないからこういうのすぐ分かるよー。


こいつらぜってぇ友達いねえよー...


なるほど。これは孤立するよな。俺とは違ったタイプのぼっちだ。



「落ち着け。椎名にシェリル。まず初対面の人に対して奴隷だとかゴミ虫とか言うな。だからお前らは友達ができないんだ。分かるか?」



「ふん。学校内で孤立することは悪いことではないはずだ。そもそも、一人でいることが何故悪いことになるのだ。私は全然一人で居ても平気なのに、教師や社会が一人でいる人のことを、可哀想とか自己表現ができないとか言うから友達がいないとダメな奴みたいな常識がこの社会についたんだ。全く不快だ」



「あ、それすっげー分かる...」



「貴様に同意は求めていないゴミ虫が」



「...」



何これ。ただいたずらに傷付くだけなんだけど。


え、何これ超帰りたい。



「それは友達がいない人が言う台詞の典型ですわね! 全く、ずっと一人で居たから精神まで病んでしまっているのでしょう。可哀想なお方...」



「貴様の周りのレベルが低すぎるから親しい人を作らないとかも典型なそれだがな。顔真っ赤(笑)」



「な、何を言うんですの! またわたくしを愚弄しますの!? パパに頼んだら貴方なんか指一本ですわ!」



「パパ(笑)あーあ孤独な上にまだ父離れもできてないのかーカワイソウデチュネー?」



「くっ...この...!」



...え、これ俺より全然ぼっちスキル高くねこいつら?


俺がまだマシな方って一体どういうことなんだよ。


カオス過ぎだろコイツら。



「まあ、そろそろ今日の活動を始めるぞ。今日は体験の奴もいるし軽い自己紹介から始めよう」



「男子に自己紹介とか...質問でスリーサイズ聞いてきたりするんだろう? やだやだ」



「そんなことはしねえぞ!?」



ずっと蚊帳の外だったけど! 流石に突っ込まずにはいられないぞ!?



「わたくしは男が嫌いですの。ですから貴方と話す気はありませんわ」



「そうか。私はお前が嫌いですの(笑)だから私には話しかけないでくれませんですの?(笑)」



「はああ!? 言われないでも話かけたりしませんわよ! 顔も見たくないですわ!」



「君たちは...まったく...」



橘先生が頭を抱えている...


たしかに、この部活の顧問はつらい。


俺を入れて少しでも自分の負担を減らしたかったんだろうなぁ...



「というか、君もよくこれだけ言われて怒らないもんだな...すまんな、まさかここまでこいつらが対人スキルないとは思わなかったよ...」



「いえ、こういうの慣れてますし...ってかこの対人力のなさは病気ですよ...」



本当...この人達見てると、自分もこの人達と同じようにカウントされてるって事実から目を背けたくなる...



「先生、俺、こんなに酷いですか...?」



「泣きそうな顔をするな...そうだな。まあこれほどではないが、そこそこヤバめだろう」



そう言われて俺は...


少し泣いた。






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