6話 初入場
――ガラガラガラ
横開きの扉を開けるとそこには、これからクラスメイトが俺たち意外全員座ってた。どこにでもある普通の教室に見えるが、よく見ると少し違う。天井から液晶テレビがあったり、黒板は電子黒板である。
でもそれを差し押さえて、やはり入って最初に思ってしまうことがある。
(女子多いな)
男子なんて奥に3人いるだけか。なんとも肩身狭そうにいるんだろうか、見てる俺は泣く一歩手前だよ。
――ザワザワ
なんか女子の方は俺の方を見てざわめいている。俺に何かついてるのかな? 言って欲しんだけど。
「席はどこかしらね?」
すみれさんが後ろから尋ねてきた。
「黒板に書いてありますよ」
黒板に電子ペンで直線を頑張って引いたらしいが、少し曲がりくねっている。だけど一応手書きの席表だということはわかる。データを黒板に送ればいいのに。
どうやら出席番号順らしい。女子が最初でその後に男子だ。
「私は3列目で一番後ろね」
確かにすみれさんは一番後ろのようだ。俺も黒板を見る。
「俺は5列目で後ろから2番目ですね」
すみれさんと俺は2列違う。話はできない距離だ。
「そう。授業中には頼み事はできないのね」
(その通りだよ、ワトソン君)
心の中で有名な名探偵さんのセリフを呟いた俺がいた。
話ができない距離、すなわち頼みごとができない距離。よって俺は授業中には『護衛執事』とかよくわからない理由で頼まれごとされる事はない。
「早く席につきましょう」
「そうね」
俺たちはお互いの席に向かった。
俺入れて男子は4人。一番前に座ってる男子は、俺と身長は同じぐらいで、黒い伊達メガネ。いかにもがり勉って感じを漂わせている。
俺の前の男子は身長は俺より高く、こういう男が昔ではイケメンと呼ばれる分類にいたのだろう。でも、机の中の奥には俺も見覚えのある本が入っている。あれは俺の姉さんによって燃やされた……。
(こいつ、できる!)
前の奴とはいい友達になれそうだ。
一番の問題は俺の後ろの男子。簡単に言うと男子に見えないのだ。本来なら優男と言うのが妥当なのだろうが、女の子って言ってしまった方が早いような気がする。身長は俺より小さく、身を縮めている。かわいいハムスターに見えてきた。
「ふぅ~」
俺は背もたれに体を委ねて一息ついた。いろいろあったからなぁ、この椅子に座るまで。こんな日は人生で数回で十分だ。
後は先生がくればすぐに入学式の説明でだけで、会場に向かうだけである。
先生が来るはずの時間から10経過…………。
((((何で来ないんだぁー))))
クラスにいるみんなが思ってる事だった。刀破もその一人だった。
(さっきそこまで、てかドアの前までいたじゃん)
あれが先生だったとしたら、俺たちの後すぐに来てもおかしくなかった。まさかあれ先生ではなく、学生だったのでは……!?
「ごめんね~ちょっと色々あって」
さっきまで一緒にいた童顔先生が教室に入ってきた。
「みんな揃ってるね。じゃあこのクラス初めてのホームルームを始めたいけど、すぐに入学式だからその説明だけするわね」
ちょっと早口で今日の行事の事を説明してた。
簡潔言うと、今日はこの後体育館に向かい、終わったら明日からの事を連絡したら終わりらしい。一般校と同じ流れだな。
「何か説明ある? ないならさっさと会場に向かうわよ」
すると、一人の女子が手を挙げた。
「はいなんでしょうか。えーと瀬戸さん」
「先生のお名前は? こっちの名前はわかってるのに先生の名前がわからないのは、平等ではないです」
なんて強気な発言だ。先生にそんなこと言うとは。
「言ってなかったっけ? ごめんごめん。平等じゃなかったね」
そこはちゃんと謝るのか。やっぱり先生だな。
――クスクス。
その音が聞こえる方を見ると、すみれさんが必死で笑いを堪えている。
「私の名前は斬坂美柑よ。上からB67-W54-H82。趣味は剣道と料理ってところかしら。男子は残念なお知らせだけど、私結婚してるからね。あなたは?」
斬坂は瀬戸さんを指した。瀬戸さんも負けずに。
「私の名前は瀬戸成海。趣味は水泳とクラシック鑑賞です」
「あら? 一つ抜けてるわよ」
――ピクッ
瀬戸さんが震えている。
「先生も生徒と平等なりたいなぁ~」
先生がとっても笑顔だ。だけど周りの人も笑顔にする笑顔ではなく、周りの人を恐怖に落とし込む笑顔。
「早くしないと入場時間が迫ってるから」
なんてプレッシャーを与えてるんだ。これはいじめに見えるぞ。PTAが黙っちゃいない。
「……61」
え? そこ言うのか。おいそして前の紳士、メモ帳とペン用意してんじゃねえよ。
「後はどんななの?」
「…………」
「ど・う・な・の?」
瀬戸さんは先生の圧力に負けたのか、
「うわぁあああああああん」
半泣き状態で教室から逃亡した。
「まったく~最近の野郎は骨がないわね」
なんて先生だ。見た目とは対象にサディスティックな人なんだ。童顔なのに。
「他に質問は?」
あんな光景見た後に誰が先生なんかに質問するんだよ。予想通り誰も質問しなかった。
「ないみたいね……ふぅ。じゃあ廊下に出て」
みんな席を立ち、廊下に向かう。
「もうちょっとで瀬戸さんのサイズ聞けたのに」
前の○○紳士が呟いた。なんてこと言ってるんだ。まぁ俺もそう思うけど口には言わない。
「何を考えているのかしら」
いつの間に! すみれさんが俺の後ろにいた。
「特に何にも思ってないですよ」
とんでもない嘘をついてしまった。すみれさんは俺の目を少し見る。
「……そう」
そう言って、さっさと列に並んでた。
さっき逃亡した瀬戸さんもすぐに戻ってきた。目が充血してるけど。よほど悔しかったのだろう。
「みんな並んだぁ? 大丈夫そうね。じゃあ一年E組行くわよ」
先生を先頭に列が動き出す。会場に向かってる途中で横から声をかけられた。
「おいおい、ちみ」
「? もしかして俺の事?」
「そうそう」
声をかけてきたのは○○紳士だった。
「数少ない男子仲間なんだから、仲良くやりたいじゃん」
確かに一理ある。というよりその通りである。
「俺の名前は佐多陽一だ。よろしく」
「成川刀破です。よろしく」
お互い簡単な自己紹介を済ませた。○○紳士は話すことをやめない。
「刀破に質問あるんだがいいか?」
「なんだ?」
「お前なんでもう女子と仲いいんだ?」
佐多が言ってる女子とはすみれさんの事を言ってるのだろう。
「いろいろあって」
「いろいろ? いいなぁ~俺も早く女子と話がしてみたいぜ」
『やめといた方がいいぞ、俺たちの想像とは違うから』
と言うか考えたが、彼の夢を壊さないために言わないでおこう。
「そうだな。2人で頑張ろうぜ」
代わりにそれらしいことを言っておいた。
「おう! 協力して頑張ろう」
感無量だったのか大声で言いながら、肩を組んできた。少し驚いたが、こういう奴は嫌いではない。
「後ろうるさい! もう着いたわよ」
先生が注意してきた。なんかわからんが、俺たちはお互いの男子専門校時代の事を思い出したのか、笑ってしまった。
「はぁ、全く元気な男子だね」
ため息をついてるが先生の顔は笑ってる。そして天井のスピーカーから、
『次は1年E組の入場です』
俺たちのクラスが呼ばれた。
「じゃあ、張り切って行くわよ」
先生の喝が響く。
「だとよ? 張り切って行くか」
「そうだな」
俺と佐多さんは肩組みをやめてちゃんと並ぶ。
扉を開ける人がそれを確認して、扉を開けた。
中からは大きな拍手が聞こえる。その会場の中へ俺たちは入って行った。
こんにちは! 希光リョースケです。
やっと冬休みですね。バリバリ書きたいところですが、テストは大学は一月にある。だからなかなか思い通りに書けない。さらにクリスマス……察してください。
これからも頑張ろうと思いますので、レビューとかていただけると今後の為になりますので、不躾ながらよろしくお願いします。では