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4話 初登校(1)

 俺は後ろに乗っているすみれさんに、自転車をこぎながら質問することにした。

「すみれさん」

「なにかしら?」

「聞きたい事があるんですけど、いいですか」

「ガリレオがどうやって地動説を考え出したとかじゃなければいいわよ」

「そんなどでかいスケールの質問しませんよ! そう駐輪場です。駐輪場はどこですか?」

「もう少しよ。頑張ってみなさい」

「でも全然目的地が見えないんですけど……」

 俺の目の前に広がる景色はただの横に広い一本道。先が見えないほど長い一本道だ。強いて言うなら道の端に色々書いてある掲示板があるぐらいだ。

「確か駐輪場って、もっと手前にあったような覚えがあるんですけど」

「それは普通学科の生徒の駐輪場でしょ。こっちは推薦や特待生たちの駐輪場よ。あっちとは少し離れているのよ」

「そうだったんですか。あっちに停める予定でしたから、間違いに気付けてよかったぁ」

「それは何よりね」

 目的地も見えないままこいでると、目の前に文字がたくさん書かれた石碑が見えてきた。色々小さな文字が刻まれている。ここからだとなんて書いてあるか読めないな。でもこの先に道が見えないな。

「やっと見えたわね。着いたわよ」

 すみれさんが自転車から降りて、その石碑の方に向かって歩いていく。

「…………」

「どうしたの? あまりにも着いたのがうれしくて、泣きそうなの?」

「――これのどこが駐輪場で学校の入口ですか! ただの野原の真ん中に石碑があるだけじゃないですか」

「その通りよ。でもこれが駐車場であり、私たちの学校の入口よ」

 すみれさんは冗談も言える人なんだな、俺はついつい感心してしまった。

「信じてないようね。見てなさい」

 すみれさんは石碑の正面に立った。

「名は氷原すみれ。コードネームは……透眼の冷女」

 コードネーム? そんなのあるんだ。

「その名に覚えがあるなら、通してもらいたいわ」

 それを言い終わった途端に、石碑に書いてあった文字が一つ蒼く浮かび上がり、すみれさんの真下に文字が書かれた魔法陣みたいのが浮かび上がった。

「お先に行ってるわよ」

 すみれさんの真下にあった魔法陣は徐々に消えてゆき、その陣が消えると共に、すみれさんも消えて行った。ただ一人俺を残して。

 そして俺の素朴な疑問が浮かび出た。

「俺はどうやって行けばいいんだ?」

 俺はこの石碑に向かってなんて言えばいいかわからない。それにより、あの魔法陣らしきものの出し方を知らない。恐らく俺にも行く方法があるのだろうけど。

 結論を言うと、俺はすみれさんが行った場所には行けない。置いてきぼりというやつだ。

「どうすればいいんだ……」

 すみれさんきっと魔法陣で行った先で待ってるだろう。もし行けずに遅刻でもしたら……。

『あなたのせいで、私まで遅刻してしまったわ。だからあなたに命令するわ。パラシュートなしでスカイダイビングしてきなさい』

 このレベルの事を言われそう。初めて会って1時間ぐらい経ってないのに、このような想像できてしまうとは。それほどすみれさんのインパクトがあるのだろう。やばい、体が震えてきてしまった。

「どうしたの? そこの男子邪魔よ」

 後ろから来ていた同じ学校の制服を着ている女性が、手のひらで俺を押した。そして俺は力に負け、自転車と一緒に押し倒されてしまった。

 今は女性はAWの力によって、筋力も上がっている。だから男より筋力がある女性がいるなど一般的であり、さらに見た目では分からないのがまたAWの力である。

 俺を押し倒した女性は、すみれさんと同じ方法で既に消えていた。

「痛てててて……」

 立ち上がろうとしている所で、後ろからまた人の気配を感じた。

「大丈夫ですか? そこのあなた?」

 やさしい声でかけてくれる女性がいた。

 その人は髪型がとても長いのポニーテールで、目が大きな女性である。まるで2次元でいそうな女性と言うべきか。でもそれより印象に残るのは、顔より少し下にある部分である。で……でかい。

「どうしたの? 私に何かついてる」

「いえ、なんでも」

 俺は急いで立ち上がり、この汚い怨念を振り払った。あんなにでかいのは初めて生で見たからびっくりしてしまった。

「そういえば何であなたはなんでこんなところにいるの?」

「いや……あの実はこの先にある駐輪場に行きたいんですけど」

「けど?」

「入り方がわからなくて」

「あらあら困ったわね」

 胸のでかくて優しい女性は、胸を持ち上げるように腕を組んで考え込む。

「いい案が浮かんだわ!」

「え?」

「あなた自転車に乗りなさい。急いで」

「あ、はい」

 言われるままに自転車に乗る。

「ちょっと失礼するわね」

 俺の後ろについて、思いっ切り俺の腰に抱きついてきた。

「ちょっ……」

「そのままでいなさい」

 胸が俺の背中に。すみれさんとは違い、でかいから背中で感じる感触は違うな。

「行くわよ」

 そう彼女が俺に告げる。

「名は権崎美喜けんさきみき。コードネームは乱れ咲く桜。この名前に聞き覚えがあるなら、通してちょうだい」

 そう言い終わると、さっきと同じ光景ができた。だけど、その陣の中に俺もいる。

「さぁ! 行くわよ」

 その陣と一緒に俺と権崎さんは石碑の前から消えた。

「う、うーん」

 目を開けたらそこはさっきの場所とは違った。目の前にさっきとは別の校門がある。

「ここどこ?」

 そんな疑問に権崎さんは、

「どこって? 私たちの学校でしょ」

 意味がわからなかった。だってさっき校門を通ったじゃないか。また同じ校門が見えるのは、不思議な気分だ。

「あのでっかい校門は普通科の人たちの校門。こっちのは特選科の校門ってところかな」

「そうなんですか。知らなかった」

 女子に会えるというワクワク感のせいで全然学校の資料読んでなかったからな。帰ったら読んでおこう。

「…………」

 なんかわからないが、とてつもなく冷たい視線を感じる。恐る恐る後ろを振り返る。

「遅かったわね。で? これはどういう状況なのか説明しなさい」

 とても冷静な表情ですみれさんがこっちを見つめていた。何故か目を合わせたら石にされるような感じがした。

「どういうって……」

『俺が自転車に乗って、権崎さんが後ろから俺に抱きついてる。さっきのすみれさんと同じ状況です。』

 そう答えようと思ったが、そう答えてはいけないと俺の防衛本能が叫んでいる。

「――困ってたら後ろにいる権崎さんが助けてくれたんだ」

「権崎さん?」

「あたしのことね」

 後ろにくっついていた権崎さんが離れた。

「彼が言ってる事はホントだわ。私が助けたの」

 すみれさんは、権崎さんの目を真正面から見て、

「……そう。ありがとう」

「どういたしまして」

 なんでだろう。二人の中で何かあったように見えたけど。

「ほら。さっさと行くわよ」

「はい」

 俺がすみれさんの所に行こうとした。

「じゃあ、私は先に行くわね」

 権崎さんは歩きのため、駐輪場に行く必要がないんだろう。

「ホントありがとうございました。権崎さんいなかったら、あそこにずっと一人ぼっちのままでしたよ」

 俺がさっきのことでお礼を言った。

「大したことじゃないわ。どころで、ひとつ聞いてもいいかしら?」

「はい、何ですか?」

「あなたの名前は?」

「俺のですか? 俺の名前は成川刀破です」

「成川……覚えておくわ。早速だけど成川君にひとつ言っときたい事があるの」

 権崎さんは、俺の耳元でこう告げた。

「――あの女には気を付けなさい」

 その少し意味を持った一言だけを言って、校舎の方に向かって歩いて行ってしまった。

「気をつけろ? なんでだろう」

 そこで立ち止まって考えようとしたのだが。

「何をしてるの? 早く行くわよ」

 すみれさんがいつの間にか、目の前に立っていた。

「! すいません」

 すみれさんについて行きながら、駐輪場に向かった。

「ここが駐輪場よ」

 意外にも駐輪場は普通で駅前とかにある駐輪場と同じだった。てっきり最先端で、自転車もワ-プさせるのではないかとワクワクしていたんだけどな。特に場所も決まってないらしいので、テキトーな場所に停めて校舎に向かおうとしてたら、彼女に鞄を俺に差し出してきた。

「この荷物持ってちょうだい」

『自分で持ちなさい』

 などと反論したらメッタメタにされる予感がした。

「わかりましたよ」

 しぶしぶ俺は了解した。そしてすみれさんの鞄は重い。さらにそれを片手で持ってるので、さっきより重く感じる。

 歩いて3分で校舎の入り口に着いた。普通の学校の校舎に見えるが、俺のいた学校とは違う光を出してるように見える。さすが名門と呼ばれる学校だけある。

「やっと着いた」

 ここに付くまでいろんな試練があったような気がする。

 車に轢かれそうになったり、いきなり会った人に蹴り入れられたり、学校には入れなそうになり……どんだけ災難が起きているんだ。だけどいい事もあった。

 初日で女性と話している。さらに二人と、またさらに美人。男の中じゃかなり運がいい方だろう。

 そんな少し優越感に浸りながら、特選科の校舎に足を踏み入れた。



どうも希光リョースケです。

今回は大学のレポートとかもあり、書くのに時間がかかりました。

いきなり話が変わりますが、最近寒いですね。

もうダウンなしじゃ死にそうです

最近ps3のガンダムにはまってます。昔からやってたので……

できるだけ早く書けるように頑張りますので、感想などあったら書いていただけるとありがたいです。では

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