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なぜだか、勇者召還しました。

なぜだか、勇者召喚しました。

作者: 羽衣

ー風が吹き、光が溢れ、力が満ちる。


まるで、闇を吹き飛ばすごとく、光は増し、辺りをてらす。


しかし、それはいきなり収まり、徐々に光が凝縮していく。


その中心地には、美しく輝く陣…いや、黒髪の少年がいたー


   

     建国物語第一章より抜粋




「隊長!魔法陣が!!」



それは、突然だった。

毎日の日課になりつつある訓練と称した魔法陣解読を行っていたところ、陣に魔力が宿った。

通常、解読をする際は、陣の暴走がないよう陣の持つ魔力を断って行う。

魔法陣解読の訓練とは、魔法陣に発動可能な魔力は与えず少ない量一定時間注ぎ、持続力を鍛える訓練なのだ。

あの少量の魔力で陣が発動するなんてありえない。

なにより、きちんと部下が陣の魔力を断っていたのを確認している。

しかし、実際には陣が輝くほどに発動し魔力が宿っていた。



「慌てるな!落ち着け!」



部下に指示を飛ばし、原因を調査するが、陣の輝きは増す。

だが、原因が全くわからない。

陣に魔力が宿る要素がないのだ。

遮断の確認はおこなったし、陣も弾いていない。

原因は、わからないが被害がないように努めなければ!!



「隊長!」


「第一部隊!戦闘体制を取れ!もう、持たない!」



魔力を押さえ込んでいるはずが逆に利用され、魔力が自分の意思とは関係なく持っていかれている。

徐々に力が抜けていく。

大戦時代では、優秀な魔術師が相手の魔力を使用することがあったらしいが、まさか自分がこんなことを経験するとは!!



「くっ!!」



思わず、声がもれた。

押さえ込んだ反動か一気に魔力がもっていかれる。

まさか、こんなに強いとは!!



「隊長!光が!」



発動に必要な魔力を吸ったのか陣の力が発揮され、四方に光が駆け巡り急速に陣の魔力が膨張していく。

その光景は美しく、幻想的だ。

永遠に続くと思った光景も唐突に終を告げた。


一気に光が止んだのだ。


そして、光が止んだその陣の中には黒髪、黒目の少年がいた。



「・・・」



誰一人、言葉を発せずにいる。

書庫にあった正体不明の魔法陣の解読を行っていたら、人が出てきたんだから。

しかも、建国物語に出てくる黒髪、黒目の人間が。

この国、いや、この世界には、黒髪、黒目の者はいない。

ただ一人、異世界から召喚された伝説の人物を除いて・・・。




アルバルト王国、第二騎士団魔法隊隊長エルダー・コミュー・フラージュ、どうやら、勇者を召喚したようだ。







誤字がございましたらこっそり教えて下さると嬉しいです。

こっそり訂正しますので。。。

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