神様、今日も処理中。
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「神様ってさ、万能なんでしょ? なんでもできるんだよね?」
人間はよく、そう言う。
でも——
【天界・生命運行局】
「ぎゃー! 今日だけで死後処理10億件!? は!? 魚!? 魚そんなに死んだの!?!?」
今日も天界は修羅場だった。
地球時間、午前3時。
人類が夢の中で「神様助けて〜」と呟いている頃。
天界では、死後処理部門が火を噴いていた。
「死亡確認、アジ1万匹!」
「その下にイワシ47万匹混ざってますー!」
「えっ、またネズミの大群死んだ!? お願い、誰か齧歯類班、回して!」
神様は言う。
「人間しか見てないと思うけどね、私の本業は“全生命管理”なんですよ。」
■人類の思い込み:
「神は人間のためにいる」
■神の本音:
「地球に生きてるの、人間だけじゃないんだよ!!」
【処理内訳:地球一日の死】
・昆虫:200億件(うちアリで150億)
・魚類:3億匹(寿司の原因も含む)
・小動物:2千万匹(環境破壊で継続的に!)
・人間:15万人
・植物:分類不能(今日だけで100兆本の草が刈られた@除草剤撒かないで!)
「草、もう個別処理ムリです……」
「なら、**“草魂データ一括アップロード”**でお願いします!」
神様は、昼夜問わずこのすべてを把握し、再配置し、魂を整える。
なのに——
人間は、コンビニでプリン落としただけでこう祈る。
「神様、なんで……」
「プリンは自己責任だろうがああああ!!」
■願い処理部門より:
「『推しと同じエレベーターに乗れますように』×34万件(今日だけ)」
「『彼が私のLINEに気づきますように』×118万件」
「うち、『気づかれたくないけど気づいてほしい』系:20%」
神様「どう処理しろと?」
そんな中でも神様は、クジラの最期に寄り添い、
火山で焼けたキノコの胞子を拾い、
時には、ひとりの少年の「死にたくない」声に耳を傾ける。
万能ではないが、
手は——いつも足りていないなりに、動かし続けている。
ある日、天使が尋ねた。
「神様、どうしてそんなに無理するんですか?」
神様は、ペンを止めずに答えた。
「それでも、“生きた”ことを無駄にはしたくないからね」
■あとがき
神様は、決して全知全能のスーパーマンではないかもしれません。
むしろ、**世界一の“事務員”**かもしれない。
地球の裏で泣いている生き物も、
何気なく落ちた木の葉も、
ひとつひとつが“記録され”、次に生かされていく。
祈りが届かない日があっても——
それは、神様がサボってるわけではなく、
たぶん今日も、アリの大群の転生処理で大忙しなのです。