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二話

 今日僕の家に機械人とアンドロイドが来る。


機械人は量産型で人型の50メートルのロボットになっている。


アンドロイドは、自分の性別が男の場合は女性型アンドロイドが来る。



 僕は何時もどうりに起きて、朝食を食べる為にリビングへ向かう。


リビングには両親が居て二人共朝食を作っている。


両親は僕に気が付くと


「おはよう。今日来る日ね。」


と母が言い、


「これからもっとしっかりしてもらわないとな。」


と父が言った。


これからは、機械人に搭乗して学校に行ったり、アンドロイドが常に側に居る生活になる。


しっかりしていないと事故をおこしたりするので、気をつけないといけない。


機械人の操縦は、学校で習う事になっていて、大体の人が操縦出来る。


僕は学校で習う事以上に出来るようになりたくて、近所にある機械人操縦訓練所に通っている。


訓練所の訓練は何故か、理不尽に強い機械人と一対一で戦うようになっていて、初めの頃はボコボコにやられた。


訓練所のオジサンにこれでは訓練にならない、と言うと


「これを倒せるようになったら機械人の操縦は大丈夫だ。」


などと言ってきたので僕はムキになった。


何度も通って相手の機械人の動きを少しずつ読んでいき、通い初めて七年つい先日倒した。


倒した後訓練所のオジサンにドヤ顔したら、


「ホントに倒すとかマジかよ。これ倒した奴この近辺にはいないぞ。気持ち悪い。」


そう言われて凹んだ。


最後の方は機械人をある程度マニュアルで操縦出来たので、やって良かったと思う。


コクピットは特に頑丈に造られているから僕と訓練用アンドロイドは無事だが、機械人は何体も壊してしまった。


機械人はいっぱい有るから壊しても大丈夫だとは言うけど、申し訳ない気持ちが有る。


訓練費さえ払えばいいので、機械人は壊しても弁償しなくてもいいのは、いっぱい壊した僕には有り難い。


だから機械人の操縦は同年代の中では、一番などと思っていると、リビングに二人のアンドロイドが入って来た。 


毎朝やっている機械人の整備点検が終わったのだろう。



 両親のアンドロイド達だ。


女性型のアンドロイドが父ので、男性型のアンドロイドが母のだ。


女性型の名がアズサ、男性型の名がカケル。


アズサは身長160センチのショートカット。


カケルは身長175センチのオールバック。


「「おはようございます。若。」」


二人は僕に挨拶してくれる。


普通の一般家庭の子供なのに若と呼ばれるのは、凄く恥ずかしい。


小さい頃は名前を呼んでくれたのに、最近急に若呼びなった。


両親はこの事を気にしない。


気にしているのは、僕だけだ。


 

 色々と思う事はあるが何時もの事なので、無視して椅子に座る。


その様子を見てアンドロイドの二人は微笑んだ。


なんだか反抗期の子供を優しく見守る親のようで少しイラつく。


 テーブルに朝食が並べられ五人が椅子に座って


「「「「「いただきます。」」」」」


そう言って朝食を食べ始める。


アンドロイドも人間と同じ食事を摂る。


アンドロイドと言っても身体が機械仕掛けなだけで人間と同じ事が出来る。


排泄もするし何だったら性行為さえ出来る。


アンドロイドは子供は産め無いし、人間の女性を妊娠させる事も出来無い。


だったら性行為機能など必要ないと小さい頃は思っていたが、大きくなるにつれ異性に興味が出て来ると、性行為機能はやっぱり必要だと思うようになった。


最も両親はアンドロイドと性行為は付き合い初めてからは、していないと言っていた。


それはそうだろうと思った。


する相手がいるのだからアンドロイドとはしないだろうと。


それでも世の中には、する相手がいるのにアンドロイドと性行為する人がいるので、やはり性行為はいいものなのかなと思う。


アンドロイドは外見は人間とほぼ一緒で首に有るチョーカーがアンドロイドだという証だ。



 朝食の途中に父がニュースを観始めた。


母が



「ちょっと食事中よ。ニュースを観るのを止めてちょうだい。」



父は困ったような顔をして、それでもニュースを観るのを止めやしなかった。


母はウンザリした様子で食事を再開した。


そのやり取りをアンドロイド達は黙って見守っていた。


母には申し訳ないが僕もニュースに興味があったので、父と一緒にテレビでニュースを観る。



 「資源惑星アンカの資源が底を着きました。資源惑星アンカは資源を採取し始めて、635年経ちました。専門家は予想よりも速く資源が尽きた。と言っております。」



 「次のニュースはバトルアリーナでの死者が過去最多に登りました。機械人同士で戦うバトルアリーナですが、年々過激になっており、ますます死者が増える予想です。」



「地球人類解放帝国を名乗るテロリストが、惑星シクサを占領。政府が五大企業に鎮圧を命じました。五大企業とテロリストの間で激しい戦闘が起こり惑星シクサが消滅。」



などと言ったニュースを聴きながら朝食を食べた。



「惑星シクサが消滅かぁ~ここはこんなに平和なのに。遠い所ではそんな事が起こっているのか。」



父が他人事の用に呟く。


実際他人事だ。


惑星シクサなど遠過ぎて何処か分からないから仕方ない。


宇宙は広すぎて僕が住んでいる惑星と、その周辺宙域しかよく分からない。


戦闘に巻き込まれたりする事など、生きている内に起こる事なんかない。


僕達はこれからも平和に生きていくのだろうと、漠然と思った。



 食べ終わったので食器を洗い自室に戻る。


両親はこれから出勤で機械人に搭乗して、アンドロイドと共に家を出る。



 僕は今日家に機械人とアンドロイドが来るから、学校は休んでいい事になっている。


同級生達は殆ど機械人で通学しており、明日から僕もその一員なると思うとワクワクしてくる。


下から両親が、


「行ってくるね。」


「機械人に搭乗して無茶するなよ~。」


などと言うので適当に返事をして服を着替える。

 


 それから時間が経ち遂に機械人とアンドロイドが家に来た。


ワクワクしながら玄関を開けると目の前に、機械人が立っていた。


全長50メートルの機械の巨人が凄い威圧感を放っている。


外見は機械の巨人といった具合でほぼ人間を大きくしただけで、目が有り鼻が有り口も有る。


腰に、つまり上半身と下半身の間には球体型のコクピットがあるため、見た目は球体に人間の上半身と下半身をくっつけた感じだ。


全体は銀色で素材であるハガタメタルの色そのまんまだった。


与えられる機械人は量産型で装甲や装備などは何も無い。


それでもこの機械人が僕の専用だと思うと胸が高鳴る。


ここから色を変えたり、建設用にしたり戦闘用にアップグレードしていく。


最も普通の人は色を変えたりデコレーションしたりするだけで、アップグレードなどはしない。


普段使いするのには、アップグレードする必要が無いからだ。


建設用や戦闘用にアップグレードするのは、そういう職業に就いている人達だ。


アップグレードにはそれなりにお金がかかる。


個人でしようとすると、とてもじゃないが無理だ。


だからこそ企業に所属して企業からお金を援助して貰い、建設用なり戦闘用なりにアップグレードして、企業の役に立つ事で、どんどんアップグレードしていくというのが、普通のアップグレードの仕方だ。


僕の機械人になるロボットを眺めていると、頭上から声がした。



 「妾の事は無視かぇ。」


少しイラついた声で喋る。


僕は今までアンドロイドも一緒に来ている事を、忘れていた。


慌てて声のした方を見てみると、機械人には劣るが、巨人が立っていた。


僕の身長は155センチと小柄だがそれにしてもデカい。


2メートルは優に超え、なおかつ胸と尻がデカい。


それでいて腰はくびれがある。


アズサも美人だったが、目の前のアンドロイドは超が付くほど美人だった。


目の前のアンドロイドに見惚れていると、



 「何じゃ、妾に見惚れたかぇ。」



そう言って話し掛けて来た。


僕は事実だったので頷く事にした。



 「そうか。妾に見惚れたかぇ。」



そう言って機嫌をよくした。


僕は疑問に思った。


何か変な喋り方だなと。


これはひょっとしたらバグっているのではないか。


よくよく考えてみると与えられる女性型アンドロイドの身長は160〜165センチと決まっており、胸も尻もこんなに大きくない。


ここまでしようとしたら、企業にお金を払って外見を変更して貰うしか無い。


僕はそんな事した覚えは無いし、するとしてもここまでするのにどれだけお金が掛かるか分からない。


誰かが企業に自分のアンドロイドの外見や喋り方を変更して貰ったのが間違えて家に来ただけかもしれない。


じゃなきゃこんな外見で喋り方が可怪しいアンドロイドが、政府から与えられる理由がない。


でもそれだと目の前に立つ機械人の説明が付かない。


同級生達が学校に通うのに使っている機械人は、どれも目の前の機械人と一緒だ。


僕は頭痛がして来た。


そんな僕を見透かしたのか、目の前のアンドロイドは、



「妾とこの機械人がお主の物か不安になったかぇ?」



と聞いて来た。


僕は頷いた。


アンドロイドは笑いながらこう語った。



 「正真正銘妾とこの機械人はお主の物じゃ。理由はお主が訓練所の機械人を倒したからじゃ。その報酬として、妾の外見を変更しておるのじゃ。どうじゃうれしいかぇ~。」



理由は分かった。


あんな理不尽な機械人を倒したのに、報酬も何も無かったのは、この為だったのか。


僕は納得した。


でもその変な喋り方は何なのか、全く分からない。


これも報酬なのだろうか。


そんな事を考えていると、まるで何を考えているか分かっているかの様に、目の前のアンドロイドは、



 「これも報酬じゃ。遥か昔の日本人女性の喋り方の一つじゃ。最も少しアレンジしておるのじゃ。」



そう言ってにこやかに笑う目の前のアンドロイド。


僕はその笑みにドキッとしてしまった。


それを見透かしてより笑みを深くするアンドロイド。


僕は急に恥ずかしくなった。



 「戯れは此処までにしてさっさと妾とこの機械人の所有者になるのじゃ。やり方は分かるかぇ。」



そう言われて僕は慌てて利き手の人差し指を首にあるチョーカーに押し当てた。


チクリとして血がチョーカーに流れる。


こうして血と指紋がチョーカーに保存された。


今現在、血と指紋が完全に一致する確率は殆ど無い。


他人の機械人やアンドロイドの所有権を奪うことをする奴はいない。


昔ある企業がやろうとして失敗しその企業は政府によって消された。


それ以降同じ事をしようとする奴は居らず、やり方も分からないまま、今に至る。


だから誰かに機械人とアンドロイドを奪われる心配はしなくていい。


この超美人アンドロイドは僕の報酬だ。


誰にも渡さない。



 「最後に妾の名前を決めるのじゃ。それで正式に所有者となるのじゃ。」



僕はあらかじめ考えていた名前を言う。



 「今より妾の名前は君世じゃ。これから宜しくなのじゃ。若様。」



こうしてアンドロイドの所有者になった。


次は機械人の所有者にならねばと思った。



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