表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

十話

 僕達はわだかまりを残しながら、荒瀬さんが乗ってきた宇宙船の場所まで進む。


 その間に僕はこれからの事を考える。


 まずは無事にこの惑星から脱出する事が第一だが、その後の事もある程度決めておかなければならない。


 出来る事なら僕の機械人を戦闘用にアップグレードしたい。


 少し動いただけで壊れるのは困る。


 オートではなくマニュアルの僕には機械人のアップグレードは必要不可欠。


 訓練所の機械人を倒した事がどれ程の事か分からないが、企業にとって価値ある事は分かっている。


 その価値がある内に色々と出来る事をしておいた方がいいだろうと思う。


 ブースターユニットを装備したりなど、出来る事は山程ある。


 なにせ量産型の機械人だし、アップグレードや改造はした事無いから新品同然。


 機械人のアップグレード一回無料券も持っているしな。


 


 少し考え事をしている間にどうやら目的地に着いたらしい。


 流石企業の人達なだけあって、ここまで戦闘に巻き込まれる事は無かった。


 きっと僕達に近づけない様にしていたんだろう。


 まぁ何事も無く宇宙船に乗り込めそうだ。




 まず最初に装甲車が宇宙船内に入って行く。


 次に荒瀬さん達が入り最後に僕という流れなのだが、君世がそこで近づいてくる機械人がいると報告して来た。



 「若様。三機の機械人が妾達の方に来るのじゃ。」



 何事も無くとか思ったのがいけなかったか、事態は悪化しそうだった。




 荒瀬さん達も気づいたらしく慌てながらも宇宙船に乗り込んで行く。



 『付近にいる地凪の機械人は何をしているのですか!!。』



 『我々には解放軍の機械人を近づけない様にと言った筈ですが。』



 荒瀬さんは苛立ちながらも何処かへ連絡している。


 おそらくは地凪の機械人に連絡しているのだろうが、援護は間に合わないだろう。


 僕達が宇宙船に乗り込んでも離陸後を狙ってくるタイミングになるだろうし、宇宙船に傷でもついたらまずい。


 しょうがないが迎え撃つ事にしよう。


 今の所は三機のみだし瞬殺すればいい話だ。


 僕は宇宙船に乗り込むのを止めて、三機の方に向かって行った。


 荒瀬さんが止めに入ったが無視して宇宙船から離れる。


 自ら闘いに赴く僕を君世は嗤って見ていた。




 向かってくる速さからしてまぁそうだよねと思っていたが、やはりブースターユニットを装備している。


 今までの解放軍とは違い機動性が桁違いだし、何よりも三次元移動が出来るのが強い。


 まぁブースターユニットなんて訓練所の機械人で慣れたので大した問題ではないが、それが三機となると未知だ。


 オジサンはブースターユニットを装備していなかったからオジサンよりも階級が上なのかもしれない。


 となると企業にいい土産がまた出来る。


 僕は自分の価値をあげられる事に悦びを感じた。




 三機が目視出来るまで近づく。


 三機共同じカラーをしていて濃い緑色で装備だけ違う。


 一機は突撃銃に盾、もう一機はミサイルと盾、最後の一機はおそらくは粒子剣と盾だ。


 厄介な組み合わせだなと思う。


 皆が盾を持っているので攻撃は防がれやすいし、何よりも近距離、中距離、遠距離のバランスが良く攻略し辛い。


 僕の装備は突撃銃に剣だけだし、ブースターユニットなんて装備していなかったから、圧倒的に不利な状況にも関わらず僕は嗤っていた。




 ミサイル持ちがミサイルを発射する。


 あれが宇宙船に当たるのは避けねばならないから全弾撃ち落とす。


 

     ババババババババババババババッ



 僕の突撃銃から銃弾が撃ち出される。


 一先ずは大丈夫だが、今の間に粒子剣持ちが僕を捉えて斬り裂こうとして来る。


 それに対処しようとして剣を持ち上げた時に君世から、



 「若様!! 銃持ちが此方を狙っておるのじゃ!!。」



 そう言って警告して来たので、粒子剣持ちの事は無視して突撃銃持ちに銃弾を狙い撃つ。


 粒子剣持ちは無視されるとは思っていなかったのか一瞬動きが止まる。


 だが直ぐに持ち直して僕を斬る為に粒子剣から粒子の剣を伸ばして攻撃して来る。


 だが動きは速いがオジサンよりも劣っていたので、直ぐに回避して粒子剣を持つ腕を剣で斬る。


 君世が、



 「ミサイル第二波!! 突撃銃持ちが立て直して撃って来るのじゃ。」



 そう言って来たので、粒子剣持ちを体当たりで飛ばしながらミサイルを撃ち落とし、銃弾を剣で受け止める。


 またもミサイルは全弾撃ち落とす事に成功したが、僕は無傷では無い。


 剣は欠けているし、機体のあちこちに銃弾による傷ができた。


 成る程、相手が幾らオートでも三体一は中々きつい。


 何よりも連携がしっかりしていると、付け入る隙が余り無いのが困る。


 僕が体当たりして飛ばした粒子剣持ちは腕こそ繋がっているが、どうやら粒子剣は持てないらしく地面に落として盾を前面に構えている。


 おそらく体当たりか味方の防御だろうが、一番攻撃力のあるのを潰せたのは大きい。


 まぁまだ生きているけど。


 今の一瞬の攻防で相手は粒子剣と全弾撃ち尽くしたミサイルを失い、盾持ち二機に突撃銃と盾持ちになり僕は剣を失い機体に傷を負った。


 明らかに不利なのは僕の方だが相手は仕掛けて来ない。


 何か仲間内で通信しているのだろうがその間に僕は攻撃させてもらった。


 


 まず僕は突撃銃をばら撒き相手に盾で防御させる。


 傷を与える事が目的では無いけど、三機共にしっかりと防御して来る。


 突撃銃持ちが撃ち返してくるが無視して僕はその隙に粒子剣を拾う。


 相手に動揺が走った様な気がする。


 ちゃんと破壊しておかないから敵に使われるのだ。


 僕は突撃銃を撃ちながら粒子剣を装備する。


 すると君世が直ぐに使える様にしてくれた。



 「若様 粒子剣使えるのじゃ。」



 僕は君世に礼を言って突撃銃を捨てて粒子剣を構える。


 相手は突撃銃を僕に撃ってくるがそれを走って回避するが、相手の方が機動性は上なのでどんどん被弾する。


 しかも盾持ち二機がブースターを吹かしながら突撃して来る。


 僕は最初に突撃して来た機械人にカウンターを決めて斬る。


 右肩から左脇腹の方をバッサリと斬られた機械人がブースターユニットの爆発と共に爆ぜた。


 次に突っ込んで来た機械人は今のを見ていたから、盾の中に出来るだけ機械人を隠しながら突撃して来た。


 仲間が一人やられたぐらいじゃ動揺しないようで、僕は突撃を横に回避して直ぐに突撃銃持ちに突っ込む。


 背中から突撃される心配はあるが、突撃銃持ちを早めに落として一対一に持ち込みたい。




 だが僕が間合いに入るよりも盾持ちが背中から突撃して来る方が早い。


 僕はそれを利用する事にした。


 ギリギリまで引き付けて僕は回避する。


 勿論突撃銃持ちも仲間の突撃を難なく避ける。


 だが僕の狙いは此処からだ。


 避けた突撃銃持ちを僕は粒子剣を頭部に投げ付けて頭部を破壊する。


 そして直ぐに突撃銃を奪い先程投げ捨てた突撃銃も装備して盾持ちを迎え撃つ。


 盾持ちはブースターを吹かしながら加速して僕を突き飛ばそうとする。


 だが僕は盾持ちに向かって突撃銃を乱射する。


 盾に当たり盾が壊れるが、お構い無しに突撃して来る。


 突撃銃を撃ち切った僕は突撃銃を投げ捨て、迎え撃った。


 衝突する時に僕は相手の盾を構えていた左腕を握り突撃して来た勢いを利用して、僕の背後に投げ捨てた。


 相手は何が起こったか分からないまま地面に投げ捨てられてブースターユニットを損傷してついにはブースターユニットが爆発した。


 そのせいで頭部と胸部を損傷して動けない様だ。


 僕は頭部に粒子剣を突き刺した機械人に歩み寄り、粒子剣を抜き取り手脚を両断する。


 投げ捨てた機械人も手脚を両断して動けない様にして最初に斬り捨てた機械人を見る。


 あれは上半身を失ったので動けないから放置。


 君世が、



 「お疲れ様なのじゃ若様。」

 


 「付近に機械人の反応はないのじゃ。」


 

 「こ奴らを企業に渡して若様も休むのじゃ。」



 僕はそれに従い宇宙船に戻って行く。


 時間はそんなに経っていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ