表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

浮気の定義を巡る攻防

アリア、漫画版も大人気で嬉しい限りです

奥様奥様、ききました?

2月17日に2巻が発売されるんですってー


懐かしくなり、久しぶりにエピローグと書き下ろしを読みかえしたら、アリア、めっちゃ可愛いですね……


お話の時事系列は本編終了後、「ボタンを巡る攻防」よりもさらに後になります


よって、本編よりもアリアのデレが強めです!

デレすぎて解釈違いだったらかたじけない

その場合は大罪のせいです。王冠さん、仕事して!

「どこから浮気になるか教えてほしい!?」


アリアから驚きの声があがる


 それはもう何度目になるかわからぬ「下町の視察同行」――つまり、ラウルが「デート」と呼び、アリアが「貨幣流通状況の確認作業」と言い張り、バルトが「いい加減にしろよおまえら」と嘆息する行為――の帰り道でのことだった。




「ああ、部下がその認識の違いで彼女と喧嘩したと言う話を聞いた」


なんだ、ラウルが浮気したのかと動揺して損した。

いや、なんでラウルの浮気で動揺するんだ、私。


こいつが浮気すると嫌なのか?そんなことはないはずだ。そもそも、私達まだ付き合っていないし!きっと、目の前の男がキャラに合わない単語を口にしたので驚いただけだ。間違いない。


少し落ちついたアリアは思う。

なるほど、「不倫」になると「配偶者がいる身で不貞行為を行うこと」と法に定義されているが、「浮気」の定義は人それぞれだ。

そのギャップでトラブルになる男女も多いときく。


(まあ、私の場合、裕福な独居老人を落として玉の輿に乗ったあとなら、生活が保証される限りそいつが他の女と2人っきりで食事に行こうが旅行に行こうが、全然オッケーだけどね。)


そう考えると、自分は浮気には相当に寛容なタイプだろうと、アリアは思った。


「で、なんでそんなこと私にきくのよ」


「無自覚のうちに、君に嫌な思いをさせるのは避けたい」


「んな!?なんでそうなんのよ!」


ラウルの言葉に動揺するアリア

まず私達、()()付き合ってないでしょうが!


「仮定の話をしよう。私が、令嬢から事業の相談があるからと誘われて2人で食事に行ったとしたら、君は浮気になると思うか?」


アリアはその光景を思い浮かべた


……なんだろう、なんだか凄くむかついた


「浮気ね、それは」


「そうか」


「あったり前でしょ!そんなもん、女の方は絶対アンタに気があるわよ。男女2人で食事にいくとか、いつか恋愛に発展するどころか、もう女の方では恋愛が始まってるわ。浮気よ浮気!」


「わかった」


まったく、なにを言ってるんだコイツは。自分が女性にモテるのをもっと自覚してもらいたいものだ。仕事の話は仕事場で終わらせろ!


「次のケースだ。友人に誘われて歌劇鑑賞にいったら、知らないうちに友人が数人の令嬢も誘っていて、やむなく同席した場合はどうだろう」


アリアはその光景を思い浮かべた

なんだろう、なんだか凄くy


「浮気ね、それは」


「そうか」


「あったり前でしょ!そんなもん、女の方は絶対アンタに気があるわよ。その友人は仲介を頼まれてんの!一緒に歌劇鑑賞とか、デート以外の何者でもないじゃない。浮気よ浮気!」


「わかった」


まったく、なにを言ってるんだコイツは。自分が令嬢達からどれだけ人気があるのか、もっと自覚してもらいたいものだ。友人と遊びに行くなとは言わないが、同席する女がいないかくらい、行く前にきちんと確認しなさい!


「なら、女性を家まで送るのも浮気になってしまうかな」


アリアはその光景をry


「あったり前でしょ!そんなことされたら、女の方は絶対アンタのこと好きになるわよ!いつ女の方から求婚されてもおかしくないわ。浮気よ浮気!」


 まったく、なにを言ってるんだコイツは。自分の魅力をもっと自覚してもらいたいものだ。聖騎士の頃に仕事で貴人を護衛していたとかなら、まあ仕方ないけど……でも、その場合も護衛は大勢でして、ラウルには女から距離をおいたところにいてほしい。


「そうか、よくわかった。2人で食事をするのも、歌劇を見に行くのも、家まで送るのも、君以外にはしないと約束しよう……さあ、家についたね。名残惜しいが今日も楽しかった、ありがとう。おやすみ。」


「な……」


 そう言ってラウルは、絶句しているアリアの額にそっと口付けすると、スタスタと歩いて行ってしまった。


「な、なにあれ! 信じらんない、まるで私たちが付き合ってるみたいじゃない! なにあの傲慢! ちょっとバルト!あの勘違い野郎にブレスでもかましてやってよ!」


『やだよ』


 すぐ傍らに蹲っていたバルトに呼びかけるか、相棒はてんでつれない。何せアリアとラウルは、最近いつもこんな感じなのだから


 くあ、とあくびをしながら、彼はトカゲ姿に見合わぬアンニュイな様子で、顔を赤くしているアリアにこう呟いた。


『今日、2人で食事して、歌劇もみて、家まで送ってもらったのは誰だよ。どう考えても、おまえの分が悪いだろ、アリア……』



⭐︎⭐︎⭐︎


一年と数ヶ月前、アリアやラウルの活躍により、宝石に封じられていた七つの大罪は無事に浄化された。


 だが、誘惑に負ける心、他人を見下す心、欲張る心、そんなほかの大罪とともに、嫉妬や怒りも、ごく自然に、誰の魂にも宿っている。


 加えて、シャバには七つの大罪よりもよほど執念深くて、厄介な美徳まて゛あるのだ

――愛だとか好意、と、人々はそれを呼ぶ。


 ときに嫉妬や怒りに蝕まれながらも、愛や好意と言った絆を信じて、男女の営みは続いてゆく。


 もしかしたら、ガーネットをあしらった金の指輪がアリアの左薬指に嵌るような日も、近いうちに訪れるかもしれない

全国1億人の中村先生ファンの皆様。他の2次創作も書いているので、良かったらみてやって下さい(貪欲)↓


東の魔女のあとしまつ 2次創作

貴腐人ローザは陰から愛を見守りたい 2次創作

文系脳でごめんなさい 2次創作


それぞれの続きや、ほかの中村先生作品の二次創作も作成中です

期待値込みで、お気に入りユーザー登録やブクマしてくれてもいいのよ(傲慢)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ