4話「ついにこの日が」
ついにこの日が来た。
カイルにお別れを告げる、その日が。
アイトレッタとその両親、そしてカイル。
四人での話し合いだ。
「お話って何ですか? アイトレッタさんのお母様お父様」
彼はまだ何も気づいていない。
「カイルくん、君には何かやましいことがあるのではないか?」
第一声、父が落ち着いて切り出す。
「え? 何のことです? 俺は何もやましいことなんてしていませんよ」
「本当に、そう言えるか」
「はいもちろん」
「胸に手を当てて、それでも、やましいことは何もないと言えるか?」
「そうですね。あ、あるいは何か、とんち的なやつとかですか? だったら何か答えが必要ですよね」
カイルはまだ焦ってもいない。
そう見せているだけ、かもしれないけれど。
「自白する気はないようね」
母が口を開く。
「えっ、自白っ? 何ですそれ、意味が分からないんですけど……」
「ならこちらから言わせてもらうわ」
そう言って、母は写真を差し出した。
カイルがマリッタを家に招き入れている写真数枚。
「これは一体何かしら」
「え。……あ、ああ、これは、その……この前どうしても、家を見たいって言われて、それで……っ、あっ、あっ、あ、その、そのっ、本当にそれだけのことで」
「でも、それにしては一度だけではないわよね? 日付も違うし」
「あっ……そ、れはっ……汚い部屋があったから数回に分けてきてもらっただけで……やましい、ことは……何も……」
カイルは狼狽えている。
「他にも、いかがわしい場所へ二人で行っている写真なんかもあるのよ」
「えっ!?」
「こういうものとか、こういうものとか。見せてあげるわ。……心当たり、あるでしょう?」
そこまで言われたところで、カイルはついに行いを認めた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい! すみません! ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 申し訳ありません! 彼女と会いました! でも一度だけ、一度だけです!」
だがまだ嘘がある。
「……カイルくん、一度だけだなんて嘘でしょう」
「え?」
「何度もああいうことをしていたじゃない」
「そ、それはありません!」
「……本気で言っているのかしら?」
「本当ですよ!」
その言葉に、母はにっこり。
「じゃあ、証言を出すわね」
「え……?」
母は証言の書類を出してくる。
「読むわね。『カイル? ああ、彼! 彼はいつも同じ女性を連れてあそこに出入りしていますよ。一週間に数回は出入りしていますね。よくお金が続くなぁと思っていました』これが一度だけでない証言よ」
うっ……、と詰まるような声をこぼすカイル。
「随分好き放題してくれたようだな」
父が低めの声を出し眉間にしわを寄せる。




