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プロローグ
世は迷宮紀。
遥か昔に出現した迷宮は未だ探索者を飲み込み続けている。
どんな文献を漁ってもどれだけ永く生きている人に聞いてもいつそれらが産声を上げたのかわからない。
曰く、神が創り上げた。
曰く、宇宙からある日飛来した。
曰く、世界とともに最初からただ存在していた。
曰く、古代文明の遺物である。
どれが真実なのか未だ判明する目処は立たない。
わかっているのは、人類の欲望に際限はないこと。それと、その迷宮相手にうまいことやれば、莫大な富と名声と権力と才能を吐き出すことだけ。