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星々が巡る場所シリーズ

俺たちゃ天才運び屋コンビ

 第四回なろうラジオ大賞参加作品第二十二弾!


「はいはい、こちら『バルト&レニス高速宅配』! 本日はどんなご依頼でしょうか!?」


 裏家業『運び屋』を(いとな)む俺の通信端末に掛かってきた、()()()()()()()()()()()依頼の電話に出ながら、俺は自室でグッタリしてる相棒を見やった。

 相棒のレニスは発明の天才であり、昨夜も徹夜で新たな発明をしてたようだが、昨夜起きた都市規模の停電のせいでそれがオシャカになりそのままショック受けてああなっちまった。


 ()()()()()()天才である俺としても残念に思う。

 レニスが当分復活しない事もそうだが、レニスの発明品を見るのが楽しみだし、それにレニスの発明品に助けられた事だって何度もあるからな。


     ※


「……で、それ何?」


 時は飛び数時間後。

 依頼人から(あず)かり、そして明日、別の場所に届ける予定のブツを家の倉庫に置くとレニスが顔を見せた。どうやら復活してくれたようだ。


「おぅレニス。依頼のブツだ。これを明日、別の場所に届けろってよ」


「ふぅん」


 レニスはブツ――手の平ほどの大きさの木箱に梱包(こんぽう)されてるそれを見て()()ない返事をした。


 そしてこの(あと)

 俺はレニスから目を離してはいけなかったと……(ひど)く後悔する事になる。


     ※


「って、これが原因じゃんか!」


 依頼のブツを倉庫に運んで昼寝し……三時間ほど(あと)の事。

 レニスの絶叫が聞こえたかと思えば、ドガシャァンと……如何(いか)にもヤバげな音が聞こえ――。


「な、(なん)(なん)だ……っておぉい!? レニスぅ!? なに依頼のブツをぶっ壊してんのぉー!?」


 ――思わず頭を抱えた。


 目の前には信じられない光景が……木箱と、その中身であろう依頼のブツの()(へん)が飛び散る倉庫の光景があった。


「質問したいのはこっちだよバルト!」

 しかしレニスも迫力で負けちゃいない。


「バルト、今回の依頼人誰!? いや誰だろうと少なくとも犯罪者でしょ! この持ってきたブツ……都市レヴェルの被害をもたらす、電磁パルスを発生させる兵器だよ! それも軍が使う奴じゃない。俺みたいに機械工学とかに精通してるハグレの天才が作るオリジナルだよ! ()()()()()()()()()()()()()()()()()!」


「な、なにぃ……って、いやいやレニス!? クソヤベェ奴だって事は分かったがそれでも俺に相談もなくぶっ壊してんじゃねぇ!」


 くそぉ。

 今回は成功報酬しか払わんような依頼人だぞ。


 相手の陰謀阻止して個人情報とか色々変えてトンズラするにしても、せめて報酬受け取ってからにしてほしいぜ。


 ま、そんな抜けてるトコも相棒の魅力だけどな。


 ちなみにその後。

 俺達はとある犯罪組織とドンパチする事になったが……それはまた別の話だ。

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[一言] さぁ、お前の罪を数えろ!(迫真)
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