資料 王都街区図
元々、川の中州に築かれた城塞に端を発する都市。王都のある盆地のほぼ中央に位置し、いくつかの川の合流点でもある。水量が豊富なため、外海から船で遡ることが容易な点が都としての発展性と、外部からの攻撃に対する脆弱性を意味している。
川は南から北に流れており、河口から遡航による襲撃を受けやすい北部に城塞や高位貴族の屋敷・大学が並んでいるのは防御拠点として機能することを期待されているためである。
街は5つの区画に区分され、機能している。
『中心塞』:川の中州にある王都最古の場所。旧王宮(現在は会議・夜会用に利用され、王家の住まいは新王宮)宰相府・大聖堂が配置されている。
『高位貴族区』:北西エリア。伯爵以上の貴族の王都別邸が集中する地区。各領邦の王都での活動拠点も兼ねており、一部友好国の公館も存在する。また、最北には『王都要塞』が守りを固める。
『下位貴族区』南西エリア。男爵・子爵と一部の騎士家の家があり、普通のお屋敷街に近い。この地区の王都城塞を百年戦争の際改装してできたものが『新王宮』である。また、『騎士団本部』も北部に存在している。
中央の川と西部地区を囲む範囲を囲んだ城壁は『賢者の城壁』と命名されており、二百年ほど前に『彼女』の家系が監督し完成させたもの。先に完成させた東部の『尊厳者の壁』が旧街区を防御するため約五百年前に建築されたもので、当初西部は個々の貴族別邸がある程度自己防御する前提で建設されているため、城塞のような屋敷が多い。
『山の手区』北東エリア。王都の商業・学園エリアである。『王立大学』『商業ギルド』のほか、裕福な商人が店を構えている。
『下町区』南東エリア。王都最古の住宅区であり、『冒険者ギルド』『薬師ギルド』職人街が含まれている。また、魔物に襲撃を受けた際の被害が比較的少なかった「旧騎士の街」であったため、北部のように再開発されていないことから、騎士が西部の街区に引っ越した後、スラム街化している場所もある。
とは言うものの、職人やギルドが人手を欲している場合、ここの住人に依頼する場合が多く、冒険者も下位の者が多数生活しているため、そこまで治安は悪くない。たぶん。