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ボクノココロヲ・・・・・スクッテクダサイ

機能不全家族(とは、家庭内に対立や不法行為、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト等が恒常的に存在する家庭を指す。機能不全家庭とも称され、その状態を家庭崩壊、もしくは家族崩壊と言われている。


本当は愛されるはずのあなたが、愛を持って生まれたあなたが。大切にされないのは何故だろう・・・。


東条家 1987年 長男 道広誕生

節子「ついに生まれた。可愛いわねぇ。ほんとあなたは私に似て可愛い。」

大輔「本当だな・・・。俺も仕事頑張らないとな。可愛いこの子が大人になるまで」


仲の良い節子と大輔は初めて生まれた息子に興奮し、育て上げると宣言した。大輔は仕事に励み。節子もパート従業員として働きに出た。そして2年後である


東条家 1989年 次男 明弘誕生

明弘。今回の主人公である。節子と大輔は道広だけでは可哀そうだと兄弟を作ることを決心し、子供を授かった。

節子「この子も可愛い。ふふっ必ず立派な男の子になるわ」

大輔「でも、女の子じゃないのはなぁ・・・。女の子が良かったな」


大輔は明弘に対しては、女の子じゃなかったこともあり子育てに参加しなく、跡取りとしてみていた道広を可愛がった。また、節子はそんな明弘を不憫に思い明弘を可愛がったのだ。


そんな生活から5年たったころだろうか・・・。


大輔「俺。会社立ち上げるわ」

節子「それはダメよ!結婚した時の約束じゃないの」


大輔は公務員として働いていたが、息子たちの今後を考えた時に会社の一つでも残してあげたいという親心が働いて会社を立ち上げると言い出したのだ。節子は親が自営をしていた事もあり反対。夫婦の中に少しづつであるが溝ができていく。


1995年 東条運送という会社設立

ここから怒涛の毎日が始まる。大輔は日々仕事をし帰る日が少なくなる。パートをしていた節子もまた、大輔の強引な勧誘もあり東条運送へ事務として入社。深夜近くまで働くことになった。


それとは引き換えに8歳の道広と6歳の明弘は鍵っ子になる。


節子「ごめんね。母さん遅くなるからこの鍵で入るのよ。ご飯は魚焼いておいたから食べて」

とだけ言い残し。道広兄弟が眠ったころに帰るのだった。


道広は明弘に「お父さんとお母さんは僕たちの為に働いてくれてるんだ。だからわがまま言わずに頑張ろうな」と言い続け寂しがる明弘を支えた。しかし、小学校ともなり週末に近づくと


「俺、遊園地連れてってもらうんだ」

「私、動物園」

「ハンバーグ食べに連れてってもらうんだ」


次々に出るお友達の言葉に道広は何故、僕たち兄弟は我慢し続けないといけないのかと寂しい気持ちになった。そんなある日の土曜日だった。久しぶりに大輔が早く帰って来たのだ。道広は嬉しかった。お父さんにお話ができる。明弘も同じ気持ちだったのだろう、明弘が一言


明弘「あのね!!お父さん。みんな遊園地に連れてってもらえるんだって。明日いこーよー」

小学校の高学年の男の子である、やはり我慢できず父におねだりをした。そんな明弘に道広も少しだけ期待した。遊園地にお父さんやお母さんと行ってアトラクションに乗りたい。しかし・・・


大輔「父さんが疲れているのがわからんのか!!なぜ早く帰って来たのか考えろ」

そうした瞬間に手が出た。泣きだす明弘に、呆然と立ち尽くす道広。そこへ節子が帰ってくる。


節子「どうしたの!?」

うずくまる明弘をみて節子は察した。大輔が手を出したのだと。


しかし、節子はもう昔の心は残っていなかった。

節子「父さんが・・・疲れているのだからそっとしないとだめよ。寝なさい」


道広は絶望を感じた。自分が我慢して。親に迷惑をかけないと叩かれるんだと。ここからが地獄の入り口であった…。

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