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13 鐘に隠れた村
……平和だ。
ここは道の真ん中。俺とロロは並んで歩いている。
俺たちは温泉を目指して山奥の村に続く道を探していた。
地図も看板も何もなく、頼れるのは己の勘のみ。……絶対迷うだろ。
ロロはなんか自信でもあるのかなにも言わずに歩き続ける。俺は置いてかれないように隣を歩き続けてもう一時間ぐらいはたった。
正直言って飽きた。平和だけど退屈だ。
そう思ってロロに話しかけても、子供め、と言いたげな視線が帰って来た。
「龍之介、着いた」
突然ロロが声を出した。ツイタって何が? モチ?
「来ないの?」
不思議そうな顔をしてロロがこっちを見る。
暫く見つめ合っていると、ゴーンゴーンと鐘の音が聞こえた。
そしたら急に村が見えた。今まで草原だった筈なのに、家や教会まで見える。一体なんでなんだ。
「ロロ、これはどういう――」
もうさっさか煙が見える方向に向かおうとするロロを呼び止めようとして遮られた。
「お帰り下さいませお客様」
若い女の子がロロの首根っこを掴みながら笑顔で話し掛けてきたのだった。




