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太陽と月  作者: 高槻博
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メラメラ燃える火と大量のお団子

僕の想像してた体育祭とは180度違い、大観衆の人が集まっていた。天気も1日中雨という予想を覆し、これ以上ないくらい、快晴にった。心地よい風も吹いており、体調不良になる可能性も多少ではあるが、下がったと思う。


「日向くん、なにボッーっとしてるの?」


背後から声をかけてきた雨宮さんはいつもはサラサラの長いロングヘアーを頭に束ねていた。俗に言うお団子というやつだろう。だけど何故だか僕には雪だるまに見えてしまった。そんなデリカシーのないことは心の中にとどめておくけど。


「人多いなー。晴れてるなー。と思って。」


「人が多いのは毎年のことだけど、勝手ながら晴れてるのは私の貢献度が高いと思うよ!」


「徹夜でてるてる坊主でも作ったの?」


「私は晴れ女だからね。」


「雨宮さんは雨女でしょ。」


「それは勝手な偏見!!!名前とその人の本質が一緒なわけないでしょ!」


冗談で言ったこととは言え、その言葉がブーメランのように返ってきて自分に刺さった。なぜなら僕は日向太陽だけど日向のように明るくないし、太陽のように眩しくない。


「おーい!太陽くーん!雫ー!」


図々しく現れた彼女の頭も同様、雪だるまのように、いや、団子のように長い髪がまとめられていた。


「どうよ!この頭!」


「中身の話?笑」


雨宮さんがふざけて彼女をおちょくると「ちがうよ!!外見!!」と手玉にとられていた。


「まだ太陽くんから感想を聞いてないなー?」


彼女は僕に感想を聞いてきたけど僕からしたら「感想なんて特にない。雪だるまみたいだね。」としか。


「雪だるまみたいって笑、頭の部分小さすぎでしょ!」


彼女の疑問で僕はポカンとしか顔になった。それを見かねた雨宮さんがそっと一言僕に言葉を添えた。


「口に出てたよ?」


「あ、うそ。」


「ほんと!」


その「ほんと!」という声は彼女雨宮さんで気持ち悪いほどかさなり、仲の良さを象徴したものとなった。


「お、みんな集まってんじゃん!」


颯爽と現れた八雲くんの頭も2人同様、、、、、、、、、、

彼女と雨宮さん2人の流れがあったものだから、八雲くんも何かしらあると思っていたけど、そんなはずなかった。そもそも原理的に無理な話だ。だって彼は現役野球部員で坊主だもの。あの気持ちいいほどの坊主頭でできることなんてカミソリをいれて、ツルツルにすることくらいだ。笑いのツボがないと自負している僕ですら、そんなのを見たら吹き出す自信がある。


「あんたねぇ、体育祭なのにアレンジってものが感じられないんだよ!髪剃ってこい!今すぐ!」


雨宮さんが無理難題を与えると震えるように小刻みに首を左右に振った。


「ていうか!日向だってアレンジ何もねーだろ!」


「八雲くんにはわかんないの?太陽くんはいつもと気合いというかオーラが違うんじゃん!ね!?!?」


都合の良い人間の僕はこういう時にだけは彼女の賛同に答える。八雲くんと対照的に首を上下にゆっくり一度動かし、いつもと違いますよという雰囲気でうなずいた。



それからしばらく話して僕らはみんな散り、僕は周りを見渡す。僕が最初ボーッとしていたより人数はかなり増え混み合っていた。何が驚いたって男子の気合いの入りようと女子のお団子の多さだ。あんなにメラメラと燃えている男子を見てるだけで熱中症になりそうだし、あんなに大量の団子を見ると自然と空腹が満たされる。そう思った。

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