〜sun and moon〜最善と本望の違い
「あ、そういえば昨日、昨日解消した後のダンスのペアーと選抜リレーのチーム名決まったんだった。」
昨日学校に登校していた1人である雨宮さんがお昼を食べてる最中にそう言った。
「あ?俺そんなの聞いてないぞ?」
もう1人の登校者である八雲くんはいった。
「そりゃあね。あんた寝てたし。」
「道理であの時の記憶がないわけだ。」
「それで何にしたの!ちゃんと可愛いのにしてくれた?」
昨日サボりで学校を休んだ彼女はそう言った。相変わらず着眼点がおかしい彼女はそう言った。
「うーーん。可愛くはないと思うかな?日向くんはなんだと思う?」
「名前は皆目見当もつかなけし、そもそもチームに名前なんてあることがおかしいと思うけど。普通に1年4組でいいんじゃないの?」
「相変わらず着眼点がおかしいねぇ笑」
雨宮さんからしたら僕の着眼点の方がおかしいようだ。
「日向くんはさておき、月と山田はなんだと思う?」
「うーーん。夜科月?とか!」
意味がわからない。
「うん。月がいることはわかるね。よくそんな自己主張が激しい名前考えられるね。まぁそれでもいい線いってるよ。」
いい線いってるの。と僕は思った。
「それじゃあ、次は俺が予想する番だな。一応言っておくけど俺は山田じゃねーぞ。」
「はいはい。面白くないツッコミは受け付けてないよ。」
「雫って八雲くんに恐ろしいほど当たり強いよね!笑」
「お、さすが夜科は優しなぁ。もっと言ってやってよ!」
「ん?別に八雲くんを庇ってるわけじゃないよ?」
「え、ナチュラルに傷つくんだけど。」
「さすが月わかってるね!私は基本男子好きじゃないしね。」
「あれ?俺嫌われてるやつ?まぁそれはさておき、俺の予想を発表しまーす。」
「あ、だいぶ間延びしちゃったし、いいや。どうせ面白くないこと言うんだし笑」
「うん!賛成!」
「俺の扱いが、日に日に雑になってる気がするんだけど、解説の日向さんそれについてどう思います?。」
「ノーコメントで。」
「はいはい、男子たち静かに!雫殿のお話を聞きなされ!」
「まぁそんな身構えてもらうほどの名前じゃないんだけど、【sun and moon】っていうのにしてみたんどけど、嫌ならまだ改名効くよ。」
「私と太陽くん!雫と八雲くんが入ってないよ!?」
「いや、まぁ1番は全員が入ってる名前とか共通点のあるものにできればよかったんだけど、いまいちピンとこなかったし。一応理由を言うと、正直、私は月がいなかったら日向くんとここまで深い関わりを持つことはなかっただろうし。空だって、私と仲の良い月が日向くんと仲良くしてたのが、興味を持った1つの理由だよね?うちら4人がいることは2人が居てこそかなぁって言う、まぁ浅はかな考えの名前なんだけだね。笑」
「そんなことない!全然ない!私気に入った!」
「まぁ悪いけどぐうの音もでないほどの正論だからな。承認せざる終えない。でもなんで英語にしたんだ?」
「英語にした方がカッコ良さげっていうのもあるけど、1番の理由は【太陽と月】なんてしたら、月は喜ぶだろうけど、日向くんは恥ずか死んじゃうよね?」
「英語にしても恥ずか死んじゃいそうだけど。」
「じゃあ変える?」
「いや、せっかく考えてくれたんだし、これでいこう。」
「よかった。笑」
せっかく考えてくれたしなんていいながらも、本当は少し嬉しかったりもした。もちろん恥ずかしいの方が強いけど、こんなとこでこんな風に僕を思って僕の名前を使ってくれるなんていう機会今までなかったから、僕を取り巻く環境が変わったような気がして嬉しかった。
「sun and moon!勝つぞー!」
彼女はなんの恥じらいもなく、叫んだけれどクラス中の視線を集め、やっぱり改名をお願いしようかななんて思ったけれど、やはりそんなことは言えなかったし、言いたくなかった。
「なんか締まりよさげになってっけど、まだもう1個話題あったろ。」
「そうだった!ダンスの話忘れてた!雫!私の相手は太陽くんだよね!?そうだよね!?」
「いやー、まぁ抽選だったからね。そうはいかなかったよね?」
この時点で僕の相手が彼女ではないことはわかった。この場合唯一交流がある、雨宮さんと当たることが僕にとって最善なんだろうけど、八雲くんの気持ちを知ってしまった以上、八雲くんの最善ではなくなってしまう、それは僕の本望じゃない。雨宮さんと当たることは最善であって本望じゃない。そんなところだ。
雨宮さんも直接彼女に言いづらかったんだろう、八雲くんへSOSの視線送った。
「悪い、俺も寝てたから俺自身誰と踊るからすら、把握してねぇ。」
痺れを切らしたのか、彼女から切り出してきた。
「太陽くんじゃないのはわかったけど相手は誰?」
「恩田。」
もし正当なくじであってもこの場合、どうしても不正があったんじゃないかと思ってしまう。
彼女も彼と踊ることになっしまうことをひどく気落ちしてしまっていた。これほど気落ちさせるんだから彼の嫌われようはある意味すごい。
「あ、じゃあ俺誰と?変なやつじゃないよな?」
「灯里ちゃん!」
「お、星空か!マネージャーでよかったぁ!」
顔もわからないけど、そのクラスメイトの名前は星空灯里さんで、野球部のマネージャー?をしているんだろう。
「あ、じゃあ日向は誰?」
「私。」
僕はこのとき正直ホッとしたけど、八雲くんを見ると嫉しそうにこちらを見ていた。なぜかその時彼女は八雲くんと同じ目で雨宮さんを見ていた。




