僕の本音と僕の本音
僕は自分があの時感じたこと考えていたことを雨宮さんに話すと決めた。椅子に座っている雨宮さんに今度は聞くこともなく麦茶を差し出す。
「さっきはいらないって言ったのにくれるの?」
「その汗の量を見たら急いで来てくれたことくらい流石の僕でもわかるよ。」
「そっか。ありがとう。」
そういうと雨宮さんはキンキンに冷えた麦茶を一気に飲み干した。
「ごちそうさま、やっぱり夏は麦茶に限るね。」
「どういたしまして。」
こうして会話がひと段落すると話は本題に入っていった、
「それで日向くんはなんで帰ったの?」
僕の核心を突く質問に僕は頭を悩ませた。
「話したくないなら話したくないって言ってくれないとわからないよ?」
しばらくの間沈黙が続いたけれど僕は心の中で決心をし沈黙を破った。
「眩しかったんだ。」
「ん?あの日は雨だったよね?」
「雨だったね。眩しかったのは雨宮さん、彼女、八雲くんの3人。僕にとっては明らかな不正に対する不満を正直にぶつけられる彼女もそれを心配して真っ先に彼女の元に向かった雨宮さんも普通に同じグループにいて仲の良いはずのクラスメートに対しても臆することなくお前らは間違ってると言わんばかりの表情で去っていった八雲くんも僕にとっては眩しかった。肝心の僕はというと明らかな不正に対しての不満は心の中で止まっていたし、勢いよく教室から出てった彼女を心配しながらも目立つことを恐れ、机から立つこともできなかったし、八雲くんと違って仲良くもなかったのに何1つ行動に移す事が出来なかった。自分を惨めだと思っていたけれど授業の終わりにみんなを探しに行った。その途中で彼女が付き合っていると言っていた後藤くんと理沙さんっていう人に引き止められた。2人は賛成の意見から反対の意見に変えたと言っていた。僕はそれを聞いて頭がこんがらがってわからなくなった。だってその行動に意味なんてないと思ったから。2人が意見を変えたところで結果が覆ることなんてないのに言い方は酷いけどそんなのただの犬死にじゃないかって思った。僕はそんな風に思いながら2人から逃げていったところで八雲くんと会った。その時自分が惨めになって今更どのツラ下げて出て行くんだよって思った。みんなを探していたはずなのに気づけばみんなから逃げてしまってた。」
「それで空が家にいるのわかってて帰ったのね。私のLINE返さなかったのもそんな感じ?」
「あの時は学校のこと考えたくなくてスマホの電源を切りました。それでふとスマホの電源を入れたら通知がたくさん来てて返したって感じです。それに関しても僕のせいです。睡眠時間まで削って心配してくれたのに本当にごめん。」
僕が言いたいことを言い終えると雨宮さんは深刻そうな顔をするという僕にとっては意外な表情を見せてきた。
「いろいろ言いたいことはあるけどまずは、、、、、」
しばらくの間が空いたあと雨宮さんは座っていた椅子から立ち上がり先ほど座っていた床にもう一度座った。
「ごめん!」
彼女は床で深々と頭を下げ、僕に謝罪をしてきた。




