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太陽と月  作者: 高槻博
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体育祭フォークダンス踊ろう計画断行します!

「もう月のせいで遅刻しそうなんだけど。」


「雫が余計にからかったりするからでしょ!」


「だってあんなあからさまに慌ててたらからかいたくもなるでしょ。」


雫に言われなくてもわかるほどに私自身慌てふためいているのがわかった。

自分が今までどうやって話していたのかさえ、わからなくなってきた。


「ってか月が自分で日向くんを好きだって気づいたきっかけって結局なんだったの?昨日散々聞いても濁してたけど。」


「教えなーい。」


「じゃあもう話聞かない。」


「うそ!でももうちょっと待って!なんて言うかもうちょっと1人だけの余韻に浸っていたい!」


「相変わらず意味不明だね。」


「それが親友にかける言葉!?」


「時には厳しくが私の方針だからね。」


「時には優しくの割合多めでよろしく。」


「好きなら告ればいいのに。」


「そんなに簡単な問題じゃないでしょ。」


恋愛経験の乏しい私たちは中学生の恋話のような話をしていた。遅刻すれすれで正門を通ると後ろから小走りで走ってきた人が私の肩をポンと叩いて颯爽と現れた。


「おはよう月!」


「おはよう。恩田くん。誕生日プレゼントありがとう。」


「どういたしまして。大事に使ってね。じゃあまた教室で。」


恩田くんは私の前に現れた時と同様に颯爽と走り去っていった。恩田くんを前にした時には全然ドキドキしたりすることはなかったので私は太陽くんに恋をしているんだなぁと再認識した。

教室に入ると太陽くんは普段通り私の隣の席で難しそうな本を読んでいる。いつもならここで太陽くんにひと絡みするんだけど中々行動に移すことができなかった。私はこの時、恋をしてしまったことで素直さが欠けてしまっていることに気づいた。今まで普通に出来ていたことが簡単には出来なくなって何をするのにも勇気が必要なんだと知った。だからといってこんな所でくじける私じゃない。勇気を振り絞った。


「おはよう!太陽くん!」


「さっき会ったし、挨拶もしたよね。」


「あ、うっかりしてた!」


私の勇気は一瞬で打ち砕かれ、内心ではかなりショックを受けた。同時に太陽くんに酷い苛立ちを覚えた。理由はいまいちピンとこないけれど、恐らく私がこんなに意識しているのに人の気も知らないで飄々としている姿に苛立ったんだろう。これを八つ当たりと呼ぶんだなぁと自分が情けなくなる。そんな時、予鈴のチャイムと同時に担任の先生が入ってきた。先生は夏休み明けのホームルームを行う。悩み事を抱えている私は先生の話を右から左へ受け流していたが、あるキーワードが耳に入った。それは「体育祭」だ!

私たちの学校は夏休みが明けると一気に体育祭習慣に入る。2週間授業を丸々免除で練習に励むことになっている。体育祭はもちろん勝ちに行く。それは当たり前のことだ。それプラス私はもう1つ目標を立てた。それは閉会式前に踊るフォークダンスで太陽くんと踊ることだ。目標を達成しようと思った時太陽くんから誘ってくることは確実にないので私から誘わなければいけない。そう考えると一気に心拍数が上がった。先生のホームルームが終わったのを見て私は雫の席に駆けつけ作戦会議を断行した。


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