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太陽と月  作者: 高槻博
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恋に恋する私は恋をした

「雪ちゃん決めた以上お姉ちゃんは全力応援するからね!がんばるんだよ!」


「もちろん頑張るよ。」


「姉妹揃って仲良いのは結構だけど今回みたいなことはこれっきりにしてよね。なんかあったら笑い事じゃないんだから。」


本当に笑い事じゃない。私もそう思ったけれど今は仲直りしたからいいかなぁとか思ったりもする。


「まぁ仲直りしたんだし今回は許してよ!雫もパパとママには内緒にしてね!」


「はいはい。」


「それで話は変わるけど雫今日家に泊まりに来ない?」


「はい?明日学校だよ?わかってんの?」


さすが我が親友、反論のしようのない正論だ。だけどお泊まり会したいんだもの仕方がない。


「女子会がしたくなったんだよ!」


「ほんと欲望に忠実なんだから。」


「でも私も雫姉来てくれたら楽しい!」


「あーあ私と雪だけだったらまた喧嘩しちゃうかもなぁ。」


我ながら非常に姑息な手を使っていると思ったけれどこれがまた面白かったりもする。


「しょうがないなぁ。家帰って制服とか持ってくるから家で待ってて。」


「ラジャ!」


私と雪は雫が来たらご飯にしようと冷蔵庫にある材料で料理をし始めた。雪は料理が苦手で雪に任せでもしたらそれはそれは悍ましい悪魔の食事が出来上がるので私がメインだ。基本的におっちょこちょいでだらしのない私が姉として振る舞える数少ない機会だ。いつか料理を教える機会があればなんてことを心の片隅で思い描いている。食卓に色とりどりの料理が並んだとき、頃合いを測ったかのように家のインターホンが鳴った。雫を家にあげ、早速ご飯を食べることにした。


「いただきます。」


3人揃ってご飯を食べ始めると雫が先に喋れ出した。


「いただいといて失礼だけど本当に月は料理だけはうまいね。美味しいよ。」


「本当に失礼な話だ!」


「だから先に謝ったでしょ。」


「それを差し引いても失礼だ。」


「まぁ確かにお姉ちゃんは他はひどいからね。」


「雪はもっと失礼だね。」


「それで何か話したいことがあったから急にお泊まり会なんてしようとか言い出したんじゃないの?」


本当にこの子と来たら可愛げがないほどに察しが良い。ていうか良すぎて心の中読む能力があるんじゃないかってほどだ。まぁそんなありえない話はさて置き、雫の言う通り話したいことがあったのでお泊まり会を決行したのだ。


「えーー私恋に恋する夜科月は日向太陽くんに恋をしました。」


「そうなんだ。」


2人の驚きを隠せない顔を楽しみにしていたのに2人して平然とした顔をしている。


「ちょっと自分のことじゃないからって無関心じゃない!?」


私がむくれ顔でそう言うと雫が口を開いた。


「だってそんなの知ってたし、気づいてなかったの月自身だけだよ。」


私の頭の上には無数のはてなマークが浮かんだ。


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