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太陽と月  作者: 高槻博
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私と僕のお出かけ前日の過ごし方。私の場合。

夏休みも中盤になった頃、やっと明日太陽くんとの遊びの予定が立てられた。本当は夏休み序盤に行こうと思ってたのだが、太陽くんが実子でもないのにお金を出してくれているんだから長期休暇の時くらい顔を出さないとと言って中学時代の家に帰っていたので少し決行が遅れてしまった。致し方無い理由とはいえ、私のワクワクをお預けにしていた罪は大きい。そんな私は今日、妹の雪ちゃんとショッピングに出かける。このショッピングは今朝私がいきなり計画したもので明日のお出かけに向け、服を新調しようと思った具合だ。


「お姉ちゃん!用意できた?」


急な私のわがままにも付き合ってくれるなんて本当にできた妹だ。


「って全然用意できてないじゃん!何してたの?もう行かないよ?」


「ごめん!ごめん!今から速攻で用意するから!」


「早くしてよね!それより今日急に買い物したいなんてどうしたの?」


「明日の用事に向けて服を新調しようかと思ってね。」


基本的に私の話の聞き手に回ってくれる雪ちゃんだが、珍しくこの話題には食いついてきた。


「なになに?お姉ちゃん彼氏でもできたの?」


「別にそんなんじゃ無い!お友達だよ!」


「お友達ねぇ笑」


「ていうか太陽くんだよ!太陽くん!」


「あっ!太陽さんなの!?」


「そうそう。楽しみなんだぁ。服装も気合い入れて、あの澄まし顔を真っ赤に染めてやるのが明日の目標かな!」


「お姉ちゃん太陽さんのこと好きなの?」


今度は妹の口から考えないようにしていた案件がふっかけられた。


「私もわかんないんだよねぇ。雪ちゃんは彼氏とか好きな人いないの?」


「いてもお姉ちゃんには言わないよ笑、パパにうっかり言いそうだもん。」


さすが私の妹だ。自分でもうっかり言っちゃいそうなので、聞きたいけど聞きたく無いというなんとも矛盾した気持ちになった。


「あ!今日買い物行けないや。」


「なんでなんでなの!男か男なのかぁ!」


私は着替え途中の下着姿で用意バッチリの妹に泣きつくように抱きつく。


「強風のため、電車運行休止だって。」


「そんなぁ!どうしよ明日の服!」


「お姉ちゃんバカなの?」


お姉ちゃんに向かってバカとは何事だ、前言撤回!ひどい妹だ!そんな気持ちになったが一応訳を聞く。


「なんで?」


「いや別にちゃんとした服がない訳じゃ無いし、なんでかんで新しい服じゃなくてもいいでしょ。」


「あ、そうだね。」


雪ちゃんは大きくため息をつく。


「やっぱりおバカさんだね。」


「否定はできぬ。。。」


「それにお姉ちゃんは素材がいいし、どんな格好しても絵になるから大丈夫だよ。」


またしても前言撤回。できた妹だ。大好き。私は妹の誉め殺しに、これでもかというくらい調子に乗った。


「ではではそんな素材のいいお姉ちゃんのファッションショーを始めましょう!審査員は我の妹!夜科雪ちゃんです!」


「欠席です。」


「えーー!ノッテよ。嘘でしょ。雪ちゃん私を裏切るの!?」


「ちょっとだけだよ。」


なんだかんだで付き合ってくれる妹が私は大好きだ。


そういってちょっとだけという約束で始まったファッションショーも盛り上がりに盛り上がってしまい、結局4時間ほどやっていた笑


明日の服装も雪ちゃんと決め終わり、その日は結局家で1日を過ごし早々にベットに入った私だが、まるで小学生の頃の遠足のような気持ちでそわそわして中々寝付けなかった。


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